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2016年ごろから空前の将棋ブームが起き、多くの人が「プロ将棋」の存在を認知するようになりました。
これまで将棋をよくしらなかった大人の人が将棋に興味をもつようになった、という話もよくききます。
「是非将来わが子を将棋棋士に」という想いをもつ親御さんもおられることでしょう。
ここでは、そういう方のために、長期的に広い視野に立った考え方をまとめておきたいと思います。
将棋にかぎらず、お子さんを何かの道で一流になるように育てたい、という方にも参考になるかもしれません。
目次(もくじ)
「子どもに将棋をやらせたい、もし見込みがあるようなら、プロを目指してもらいたい」
将棋ブームの影響で、そういう熱い気持ちを持つようになった人も少なくないと思います。
実際、タレントのつるの剛士さんは、幼いお子さんに将来、「打倒・藤井聡太」を目指してほしいそうです。
また、一般の人でも、お子さんを熱心に道場に通わせている方をみかけます。
「でも、子どものうちから、将来を親が決めてしまうなんて。。。」
そういう風に迷う方もいるかもしれませんね。もっともな意見ではあります。
将棋にかぎらず、親の教育熱心さが行き過ぎてしまうことはありがちなことですし。
また、そうでなくとも、幼いうちから子どもの将来を親が決めてしまうことには、周囲からの批判もあるかもしれません。
確かに、自分で何に興味があるかを判断できるようになってから将来を決める方が自然、という考え方もあるでしょう。
でも、子どもが小さいうちから、本格的にやらせておく、というのも一つの考え方としてありだと思います。
何かの分野でプロになるためには、「英才教育」が必要というのも一つの真理であることは間違いありませんから。
実際にプロの棋士になった人たちは、かなり幼いころから将棋をやっていたケースが多いと思いと思います。
藤井聡太七段は、小学生になる前におぼえたそうですし、他の棋士にも似たような話はあります。
小学校の高学年くらいになってから将棋が好きになったとしても、プロを目指すには少し遅いです。
プロになれる可能性も低くなってきますし、無事になれたとしても厳しい競争が待っています。
将棋好きな親御さんがいる家庭なら、お子さんがいつどのタイミングで将棋に強く惹かれるようになってもおかしくありません。
大きくなってから将棋の道を目指すようになるくらいなら、小さいうちからプロ目指して本格的に訓練を受けさせておいた方が親として後悔しなくてすむ、というのも一理あります。
ただ、小さいころから将棋の道を目指させたとしても、それでもプロになれるとはかぎりません。
大きく分ければ以下の2パターンあります。
もしも早い段階で将棋に見込みがないとわかったなら、別の道を探すというのも手です。
その時点からでも、お子さんが活躍できるような道を一緒に探してあげることができると思います。
将棋で培った経験は必ずどこかで活きてくるでしょう。
ここでは、断念するときの判断基準について書きます。
プロになるような子どもというのは、将棋に対する熱意が抜きんでているようです。
藤井七段は非常に熱い子だったそうですし、負けたときの悔しがり方が尋常でなかったといいます。
他の棋士でも、金井六段はガッツのある小学生だったそうですし、小学生名人戦で活躍するようなお子さんからは、棋士を志す覚悟のようなものを感じます。
もしもお子さんが将棋に熱いものをもっていなそうであれば、もっと夢中になれることを探すのもありだと思います。
将棋には残酷な一面があり、やはり見込みのある子どもとそうでない子どもの違いはかなり明確なようです。
藤井聡太七段は、小学生のころからプロ棋士に認められていました。
同じく棋士を志していた周囲の子どもたちの中には、自分の方が年上なのに、あっという間に追い抜かれて行って、ショックを受けた人もたくさんしたことは容易に想像がつきます。
プロや指導棋士などの先生に、あまり高く評価されていないようであれば、本人のやる気次第では、無理に棋士を目指させなくてもいいかもしれません。
ただ、明らかに才能のある子でなければ、棋士でも才能を見抜けないこともないとは言い切れません。
本人に棋士を目指す強い意志があれば、家庭として使える予算や時間次第で、継続もありかもしれません。
勝負の世界では、実力のある人でも不調が続いてしまうことがあります。
プロの将棋界をみていても、決して他の棋士よりも弱いわけではない棋士が、厳しい状況にあったりすることもあります。
プロを目指す道の途中で、十分に有望で熱意のある人でさえも、スランプに陥ってしまうこともあるみたいです。
この段階では、技術面でも、勝負の厳しさを知っているという点でも、ある意味ではすでに親を超えているはずです。
そこまできたら、もう周囲ではなく本人が判断するしかないと思います。
不調と向き合い、厳しい勝負の世界で戦って行く覚悟を決めるか、心機一転別の道を目指してみるか。
大人ができることは、真摯に気持ちを受け止めてあげることだけです。
将棋の世界に対して夢や憧れがあっても、現実厳しい、ということを書いてきました。
でも、決して暗くなる必要はありません。
そもそも、お子さんを棋士にしたい、という想いは、一つの分野を極めて思い切り楽しんでほしい、という願いからきているはずです。
このブログで直接的にも間接にも書いているように、将棋を学ぶことには、メリットがたくさんあります。
子どものうちからマナーを身につけることやでき、色々な考え方や勝負に対する感覚を養い、高度な脳の使い方が習得できる。
これらは、何かを極める道を進もうとするときに、大きな武器になることは間違いないと思います。
途中で将棋を辞めてしまったとしても、そこで得たものが無駄になったりはしません。
また、もちろん、将棋が強いことそれ自体も、将棋が認知された今の時代なら大きなアドバンテージになるでしょう。
将棋のプロになるような人は、子ども時代から将棋の上達のために莫大な時間を使っています。
でもだからといって必ずしも、将棋だけをしてきたわけではないのです。
ピアノなどの音楽が得意な棋士もいます。
運動が得意な棋士もいます。棋士仲間で熱心にスポーツなどをすることもあって、激しい試合をすることもあるとか(笑)。
小学生低学年くらいまでであれば、色々な習い事をやって、その一つが将棋、くらいのやり方をしてもいいと思います。
色々やれば、その分得意なことがみつかる確率が高くなるでしょうし。
将棋は選択肢の一つ、と思っておけば少し気が楽だと思います。
特に、プログラミングなどは、若いうちからやっておいて損はないでしょう。
さらにいうと、今の時代は、棋士を目指すといっても、完全に将棋一筋に絞らないのも普通になってきています。
大学を出ている棋士も現代では普通にいます。
つまり、将棋のプロを目指したからといって、失敗したら生きる道がなくなってしまうわけではありません。
大事なのは、学業や他の習い事と折り合いをつけながら、将棋に関わっていくことで、それは棋士を目指すどの段階にあってもかわりありません。
将棋の世界を目指すのは、親子ともに経済面・時間面での負担やリスクがあることは間違いないのですが、それでもやり方次第で夢をもって前向きにやっていけるものだと思います。
早い段階で断念するにしても、年齢制限ぎりぎりまで頑張るにしても、将棋の棋士を、一つの(非常に魅力的な)選択肢としてとらえるのであれば、大きな失敗にはつながらないと考えられます。
今回は、お子さんを棋士にしたくて熱心に将棋をならわせることに関して、その背景や注意点について文章にしてみました。
特に、習い事とか将来の進路に関しては、家族間で意見がわかれたり、すれちがったりしてしまうことが必ずあると思います。
始める前に一度将来設計や家庭としてのスタンスを見直して、後悔ないような選択をしていけるといいですね^^
少しだけ情報が古いですが、以下の記事もご参考になるかもしれません。
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