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プロ将棋といえば、やはりタイトル戦の番勝負は盛り上がりますね!
今一番強い棋士たちが最高の戦いをするわけで、どちらが勝つか最後までわからず、スリルがありますからね。
そんなタイトル戦の番勝負でももっともドラマティックな出来事は、やはり、7番勝負の3連敗からの4連勝でしょうか。
当ブログでも以前に記事にしたことがありました。
関連記事=> 【将棋】タイトル戦7番勝負での3連敗のあとの4連勝はレア!前例は?
ただ、この記事の投稿日である2020年7月16日時点では、5番勝負の方に注目が集まっています。
藤井聡太七段が、渡辺明棋聖に挑戦中の第91期(ヒューリック杯)棋聖戦5番勝負で、
タイトル奪取まで後一勝と迫っているからです。
渡辺明棋聖も三冠をもつ最強クラスの棋士であり、第3局でカド番をしのいで強さをみせたこともあり、
2連敗からの3連勝による逆転防衛の可能性も否定はできません。
果たして将棋の世界で、2連敗からの3連勝というのはどのくらい起こるものなのか?
今回は、気になる過去の前例を調べてみることにしました!
将棋のタイトル戦では、5番勝負か7番勝負によって次期のタイトル保持者を決めます。
5番勝負が行われる棋戦は、次の通りです。
この3つのタイトル棋戦についてチェックしていきましょう。
王座戦は、渡辺明三冠が初めて挑戦したタイトルで、藤井聡太七段も挑戦まで後2勝まで行ったことがあります。
羽生善治九段が19期という驚異的な回数、連続保持した棋戦でもあります。
将棋連盟のwebサイトで順番も含めて確認できるのは、2000年の第48期からの情報です。
その期間は、2連敗からの3連勝という勝ちパターンは起きたことがありません。
しかし、ウィキペディアの情報も参照すると、それ以前に3回、2連敗後の3連勝があったことが確認できました。
この大逆転で勝っている棋士のうち二人は、中原誠十六世名人と羽生善治九段で、どちらも歴史に残る大棋士ですね。
また、塚田泰明・現九段もこの勝ち方をしています。
棋王戦といえば、最近では本田奎・現五段が四段の時点で挑戦を決めたことで話題になりましたね。
渡辺明三冠が連覇を続け、永世棋王の資格を獲得した後も、防衛を続けているタイトルです。
関連記事=> 本田奎四段と佐々木大地五段の棋王戦挑戦者決定戦の結果と日程まとめ
将棋連盟のサイトで順番ありの星取り表を確認できたのは、第26期以降の番勝負になります。
その中では、2001年の第27期棋王戦で、2連敗からの3連勝が起きたことが確認できました。
羽生善治棋王に丸山忠久九段が挑戦し、棋王を奪取していました。
丸山九段も、名人位をとった棋士ですが、羽生善治九段相手にこの勝ち方はすごいですね。
ウィキペディアではこれ以前に、南芳一・現九段が2連敗から逆転奪取していることが確認できました。
さて、それでは棋聖戦についてです。
将棋連盟サイトでは、2000年の第71期から、順番の入った星取表がみられます。
2002年の第73期で、挑戦者の佐藤康光王将(当時)が郷田昌隆棋聖(当時)を相手に、
第1、2局を負けた後、3連勝してタイトル奪取しています。
さらにその6年後、2008年の第79期棋聖戦で、羽生善治二冠(当時)が佐藤康光棋聖(当時)から、
連敗後の3連勝でタイトル奪取しました。
ウィキペディアによればそれ以前にも、2連敗からの3連勝による決着はあって、
中原誠十六世名人の他、有吉道夫九段などがそのような勝ち方をしています。
また、屋敷伸之・現九段が中原誠棋聖(当時)に勝って最年少タイトル獲得したときも、
2連敗からの3連勝でした。
こうしてみると、5番勝負で連敗後に逆転している棋士は、名人や永世称号資格を獲得した棋士が多いようです。
特に近年の前例では、その傾向が強いですね。
渡辺明棋聖は、永世称号資格こそ保持していますが、名人は未獲得です。
ただ、2020年、第78期名人戦で初挑戦をしていますし、
今の強さを考えると、たとえ今回の挑戦で失敗したとしても、
今後また挑戦者になって名人になる可能性も十分にあります。
このように考えると、第91期ヒューリック杯棋聖戦も逆転防衛の可能性もあり、
藤井聡太棋聖が誕生するかどうか、ますます気になってきますね。
7番勝負における3連敗からの4連勝は本当に前例が少ないですが、
5番勝負での2連敗からの3連勝も、やはりレアなケースではあるようです。
特に、近年では少ないです。
ただ、3連敗からの4連勝に比べれば結構な頻度で起きていることではあります。
それだけに、もしもフルセットにもつれたら、藤井棋聖誕生の可能性も五分五分くらいになってしまいそうです。
いずれにしても、誕生日が7月19日である藤井七段には、7月16日の第4局が17歳でのタイトル獲得の最後のチャンスですので、結果がどうなるのか、とても興味がありますね。