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2021年2月、三度目の朝日杯将棋オープン戦の優勝を、
藤井聡太二冠(王位・棋聖)が達成しましたね。
この今回の優勝ですが、初参加・中学生棋士にして初優勝を決めた、
あのときの朝日杯と、ある共通点があります。
この記事では、そこのところをみていきましょう。
目次(もくじ)
最初に結論からいうと、初優勝のときと今回とで、
どちらも、途中で時の名人と竜王に勝って決勝に進み、
優勝しているという点が、共通しています。
藤井二冠は、2021年の第14回朝日杯では、
豊島将之竜王、渡辺明名人の順に破って、
決勝戦への進出を決めています。
豊島戦は、藤井二冠が公式戦で対・豊島全敗中だったことで注目されましたし、
渡辺戦は将棋自体がすごいものだったのですが、
よく考えると、一つの棋戦で竜王と名人を連破しているという、
表面的にみても非常にすごいことを藤井二冠はやってのけているのですよね。
ちなみに豊島竜王は12月に、羽生九段に竜王戦7番勝負で勝って、
タイトル戦初防衛を果たしていました。
藤井聡太五段(当時)が初優勝を決めた2018年の第11回朝日杯。
二回戦で佐藤天彦名人(当時)に勝ち準決勝進出となり、
準決勝では羽生善治竜王(当時)と当たりました。
名人、竜王の順に破っています。
今回とは順番が逆ですね。
羽生善治竜王(当時)とはこれが公式戦初手合いで、
新・旧の天才対決として注目でした。
その前の佐藤名人(当時)との対戦にしても、
藤井四段(当時)の「名人をこす」という小学生時代の目標の観点から話題性がありました。
途中の相手にフォーカスを当てましたが、
決勝戦の対戦相手も、間違いなく強敵でした。
初優勝のときは広瀬章人八段で、今回は三浦弘行九段ということで、
どちらもタイトル獲得経験あるA級棋士という、
共通点があります。
(それぞれ王位と棋聖の経験があります。広瀬八段は後に竜王にもなりました。)
しかも、終盤力も高い居飛車党本格派で、将棋界でも屈指の実力者ですね。
竜王や名人に加え、こうしたトップ棋士にも勝って優勝しているだけに、
藤井二冠の朝日杯優勝の実績は、とても重みのあるものであると思います。
今回は、藤井聡太の3度の朝日杯優勝のうち、
二回は、名人と竜王に勝った上で掴んだものでした、
という話をさせていただきました。
多分、みなさん気づいているのだけど、
将棋そのものが熱戦になったこともあり、
また、藤井二冠がすごいのはもはや当たり前のような気がしてきて麻痺してきているので、
メディアなどもことさらに取り上げなかったのかな、と思います。
なお、三浦九段は残念ながらA級から陥落してしまい、来期はB級1組ですね。
藤井二冠もB1に昇級したので、藤井vs三浦で、また朝日杯のような手に汗握る将棋が観られたら素晴らしいですね。
期待してしまいます。