【当サイトの記事はPRを含む場合があります。】
2021年1月19日(火)に、折田翔吾四段が新人王戦に登場しますが、
「26歳以下」というような年齢制限のある若手棋戦である新人王戦に、
2021年1月現在、31歳の折田四段が参加できているのはなぜなのでしょうか?
今回は、このことに関連して、将棋の新人王戦の出場資格について、
チェックしていきたいと思います。
まずはじめに一応、新人王戦について簡単に説明します。
新人王戦とは、「しんぶん赤旗」が主催するプロ将棋の公式トーナメントです。
若手・低段の棋士が主な対象で、年齢と段位に制限があります。
女流棋士、アマチュア、奨励会員も参加枠があります。
一応、詳しくは過去に記事にしました。
(*今回ここで説明する条件は、この過去記事執筆当時は知りませんでした。)
【こちらの記事です】 => 新人王戦出場資格を失う条件は?年齢・段位やタイトル挑戦【実例あり】
決勝戦は3番勝負で行われるので、若手にとっては、タイトル戦の番勝負と似た形式で戦える貴重な機会かもしれません。
アマチュアの大会で、赤旗名人戦というのがあり、
その優勝者は新人王戦に出場できます。
囲碁にも同じように赤旗名人戦や新人王戦があります。
こういった特徴がある棋戦になっています。
元・奨励会員で、元・アマチュア強豪の折田翔吾四段。
約一年前のプロ編入試験で試験官のプロ棋士たち相手の番勝負で勝ち、
念願のプロ棋士になり、新四段として2020年4月に棋士デビューしました。
そもそも編入試験の資格を手にしたのは、プロ公式戦にアマチュア参加枠で出場し、
好成績を挙げたからでしたし、編入試験も若手有力棋士たちに勝利しました。
今回の新人王戦でも、優勝候補といっても過言でない存在かと思います。
その折田四段の新人王戦の初戦の相手は、女流棋士の石本さくら女流初段です。
新人王戦では、女流棋士が奨励会員や男性棋士に勝っていたりしますので、
そういった意味でも注目の対戦カードといえますね。
さて、年齢制限を過ぎている折田四段ですが、
どうして今期の新人王戦に出場することができているのでしょうか?
新人王戦の参加資格には、赤旗将棋大会の優勝がありますが、
アマチュアだった2019年に、赤旗名人になったからでしょうか?
違います。2019年の赤旗大会だと、今期(第52期)ではなく、
前期(第51期)への参加になりますし、2019年赤旗名人は、横山大樹アマでした。
実は、デビューから一年以内の新四段の場合は、年齢制限を過ぎた27歳以上でも、
新人王戦に出場できるのです。
将棋連盟サイトなどの公式な情報はみつけられなかったのですが、
確かに、そのような規定になっているようです。
折田四段と同様に、元奨励会でアマチュア強豪時代を経てプロになった棋士に、
今泉健司五段がいます。
今泉健司五段が四段昇段したのは、2015年4月1日でしたが、
この時点での年齢は、41歳になります。
当然、新人王戦の年齢制限である26歳以下をオーバーしていますね。
でも、2015年から2016年にかけて行われた第47期新人王戦のトーナメント表には、
「今泉健司四段」の名前があります。
新四段ということで、一期限りの出場資格で参加をしたわけですね。
翌第48期のトーナメント表には、今泉四段の名はないことも確認できました。
ちなみに、2015年の赤旗名人は、稲葉聡アマで、稲葉陽八段の兄さんに当たる方です。
新人王戦の出場資格で、「新四段」を対象とした、
一期限りのものがあり、折田四段はその資格で今期参加しています。
一回だけのチャンスですが、折田翔吾四段なら掴めるかもしれず、
期待してしまいますね!