「花の3番勝負」第3局中村対里見は序盤型対終盤型の対決?

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AbemaTVのオリジナル企画「花の3番勝負」、いよいよ最終、第3局について書きます。

 

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「花の3番勝負」第3局は里見女流と中村女流の「妹対決」

 

第3局は里見咲紀女流と中村桃子女流の対局でした。

 

こちらも聞き手やイベントのお仕事もこなされる人気女流棋士同士ですね。

 

 

中村女流は中村亮介六段の、里見女流は里美香奈女流五冠の妹さんです。

 

第3局は将棋界に兄または姉を持つ、妹同士の対決というわけですね。

 

里見家の終盤力?

 

里見家は、香奈・咲紀姉妹だけでなく、お兄様の卓哉さんはアマチュア強豪、そしてお父様も将棋を指すそうです。

 

そして、将棋一家である里見家の皆さんは、終盤が強いそうです。

家族内で将棋大会を行うこともあったりで、里美咲紀女流も必然的に終盤が強くなったそうです。

 

中村女流と中村亮介六段について

 

高見先生は、中村女流のお兄さんの中村亮介六段の、山口女流は中村女流のお人柄について語ってくれていました。

 

 

高見五段によると、中村亮介六段は、優しくて面白い方だそうです。

 

中村亮介六段はあるとき高見五段に、靴をみせ、高い靴なんだよ、と自慢げにいってきさそうです。

これに対して高見五段は、よくお似合いですね、と相手をほめました。

 

ところが実は高見五段をからかっただけで、本当はその靴は安物の靴だったそうです。

つまり、中村亮介六段が安物の靴によく似合うと言ってしまったわけで、まずいと思って「あわててとりつくろった」そうです(笑)。

 

 

この件で反省した高見五段は、高い靴を見分けられるようになることを今後の課題にしたのだそうです(笑)。

 

正直に、「自分は靴のことはわからない」と言う方が当然無難なのですが、安易な妥協をしないところが高見五段の流儀なのでしょうね^^

もしかしたら今後、高級な靴を履いた高見先生がみられるかもしれませんね。期待してしまいます!

 

 

山口女流は、中村女流について語ってくれました。

中村女流は優しい先輩で、「大好き」だそうです。

 

女流棋士は本当にお互いに仲がよくて、微笑ましいですね。

 

解説などにおける、男性棋士同士や男性棋士と女流棋士の軽快なかけあいも楽しいですが、女流棋士の信頼関係や連帯感のようなものも素晴らしいです^^

 

「花の3番勝負」第3局は相振り飛車

 

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さて、将棋の内容についても、軽く書いておきましょう。

 

戦型は、相振り飛車でした。

 

先手の里見女流は三間飛車から7筋を早めに仕掛ける早石田で行きました。

後手の中村女流は、三間飛車と迷ったそうですが、向かい飛車の位置に飛車を振りました。

 

序盤巧者の中村女流が1歩得に

 

相振り飛車は序盤から危険がいっぱいあり、うっかりすると一気に敗勢になることがあるそうです。

聞き手の山口女流は授業時代に、中村女流に相振り飛車の序盤の色々な筋でやられてきたそうです。

 

高見五段から、「全部くらっているじゃないですか(笑)」とか、「山口さんの修行時代大変でしたね」などのコメントもあり、楽しく聞ける思い出話でした。

 

 

ともかく、このエピソードから、中村女流は相振り飛車の序盤が巧みであると言えます。

 

今回の将棋も、機敏に飛車先交換から先手の5筋の歩をとって1歩得し、リードしていました。

さすがは山口女流を鍛えてきた中村女流といったところでしょうか。

 

里見女流が反撃し金と飛車を交換し駒得

 

一瞬のすきをついた仕掛けにより、中村女流が優勢になり、一気に攻めて行くかと思われました。
3筋の歩を突き捨てて先手玉の「コビン」が空いたので、55角と王手で出る手が生じていました。

 

感想戦で高見五段も、「子どもであれば迷わず55角と指す」という感じの言葉を述べていました。

しかし、中村女流は1手力をためる手で様子をみました。

 

力をためる手とは、桂馬を端から跳ねていく手で、本格的な手です。
しかし実は、55角であれば、感想戦での里見女流の言葉にあるように、先手を「かなり悪い」状況に追い込めたようです。

 

55角を見送る緩い手を中村女流が指した隙に、里見女流が一気に動いていきました。

 

金を繰り出していき、後手の飛車をいじめにいきました。
後手は角金交換して飛車を捌こうとしましたが、先手はその手にはのらず、結局金と飛車の交換になりました。

 

 

後手も3筋や端から先手玉に攻撃を試みますが、先手が敵陣に飛車を打ち下ろしてからは、後手は防戦一方の展開に。

 

里見女流が終盤力を発揮し一気に寄せきる

 

後手の中村女流も辛抱強く粘り、先手の龍を追いつめていき角との交換に追いやったり、先手陣に飛車を打ち込んだりしました。

 

しかしながら、そのときまでには、里見女流が序盤から築きあげてきた攻撃体勢がいよいよ強力なものになっていました。
後手の金無双を一気に破壊するのに十分なものとなっていて、最後は見事な即詰みに討ち取りました。

 

11手か13手くらいの手数の詰みで、決して簡単ではないと思いますが、それを早指しの中読み切っていました。
これが噂に聞く「里見家の終盤力か」と感心しました^^

 

将棋界の兄・姉は厳しい?感想戦コメントより

 

AbemaTV将棋チャンネルのオリジナル番組では、毎回番勝負のテーマに即したインタビューがされるのが恒例となっています。

 

花の3番勝負では、サブタイトルに即した質問がされました。
今回の場合はそれは、「妹対決」でしたね。

 

勝った里見女流に対しては、この勝利をお姉さんにどのように伝えたいですか、という質問が出ました。

 

里見女流は、「序盤を勉強し直した方がいい」といわれるかもしれず、「かなり反省点の多い将棋」だったと振り返りました。

 

一方の中村女流も、お兄さんが棋譜をみて色々と言ってくるかもしれないというコメントをしていました。

 

勝った対局に対しても負けた対局に対しても厳しい将棋界の姉や兄。
改めて勝負の世界である将棋界のシビアさも感じますが、同時にかなり心強いでしょうね^^

 

 

一局一局を反省しながらさらに強くなっていく将棋界の「妹」たちの今後の活躍に期待が高まりますね。

 

まとめ

いかがでしたか。

 

今回は「花の3番勝負」第3局について書いてみました。
「妹対決」で、しかも聞き手の山口女流と仲良しの中村女流の登場ということで、まさにアットホームで楽しかったです。

 

第3局は、「棋風」だけでなく、お互いの強みがわかりやすく発揮されていた将棋で、将棋の内容自体も3局の中では比較的わかりやすかったと思うので、おすすめの回です。

嬉しいことに、「花の3番勝負」は「Abemaビデオ」で無料配信されています。

 

何度観ても楽しい番組だと思いますので、これからも対局の中継がないときは視聴していきたいですね^-^

 

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