「花の3番勝負」第1局香川-室谷戦。感想戦まで楽しかった

【当サイトの記事はPRを含む場合があります。】

年末年始は、楽しい将棋番組がたくさん放送されていますね。

 

特に年始は、PCやスマートフォンで観られるインターネットだけでなく、通常のテレビにおいても色々番組があります。
家族で楽しまれている方も多いことでしょう。

 

 

でもやはり、当ブログとしましては、インターネットテレビのAbemaTVの企画を押しておきたいですね^^
AbemaTV将棋チャンネルさんが、またしても正月向けの楽しいオリジナル企画をやってくれていることですし。

 

ちなみに、このブログがもっとも多く記事にしてきたのは多分、AbemaTV将棋チャンネルの番組だと思います。
そして、今年もそれは変わらないと思います。

 

AbemaTV新春女流企画「花の3番勝負」

 

今回の記事では、AbemaTVの、2018年新春女流企画「花の3番勝負 白黒はっきりつけましょう」についてです。

 

元日から、第1局から順に、1日1局ペースで放送されています。
放送時間は夜の7時からで、「炎の7番勝負」の羽生戦以外と同じような放送時間と言えると思います。

 

 

女流棋士の3番勝負ということで、6名の女流棋士が対局者として出演しています。
いずれも聞き手などでおなじみの人気の女流棋士です。

 

今回は、その第1局について書いてみます。

 

「花の3番勝負」第1局は香川女流と室谷女流の対局

 

第1局は香川女流と室谷女流の対局でした。

 

香川女流と室谷女流は同い年のライバル

 

人気も実力もある両者は、仲の良い同い年です。今回の勝負は「ライバル対決」です。

 

第1局は副題が中々大胆です。
その名も、「実力・人気No. 1は譲れない!同い年ガチ対決」です。
他の女流棋士の方がこの副題をみたら、両者にライバル意識をもち始めるかも?

 

実際の将棋の内容は、実に堂々としたもので、このような大胆なサブタイトルが決して大げさなものではないことを示してくれたと思います。

 

「花の3番勝負」解説は高見五段、聞き手は山口恵梨子女流

 

「花の3番勝負」は、対局者以外のメンバーは毎回固定です。つまり、解説と聞き手、読み上げ係と記録係が毎回同じ顔ぶれです。

 

 

解説は高見五段、聞き手は山口恵梨子女流です。
AbemaTV将棋チャンネルおなじみの解説や聞き手の棋士や女流棋士ですね。このブログでもよくお名前が出てくる先生たちです^^

 

このお二人は子供のころから知り合いなので、楽しくトークをしながらの解説には抜群の安定感があります。

 

香川女流とも子供時代からの知り合い、特に高見五段の方は同い年です。
感想戦では、両対局者に加えて高見五段も同い年であることもあり、堅苦しくないほのぼのとした空気が流れていました。

 

高見先生の面白トークに対して、躊躇のない突っ込みが対局者から入るので、みていて楽しい感想戦でした。

 

「花の3番勝負」香川女流-室谷女流戦は珍しい戦型からの熱戦

 

さて、将棋の内容について、軽く書いておきましょう。

とても面白い将棋でしたので、下記の文章で興味をもたれた方は棋譜をみてみることをおすすめします^^

 

室谷女流が端歩を突き越し飛車を大転回

 

先手が香川女流、後手が室谷女流でした。

 

香川女流が飛車先の歩をのばしていく手に対して、室谷女流は32金と受けました。

 

そこだけみていると、相掛かりや横歩取りのような展開に思えます。
しかし、室谷女流は飛車先ではなく、端歩をのばしていきました。

 

室谷女流は92飛車から94飛車と浮き、飛車を反対側の方に動かしていきました。

 

途中、先手の76の歩に当てる74飛車は、相掛かりの縦歩取り戦法のようでした。
さらに飛車を横に動かす作戦は、相掛かりの「ひねり飛車」に似ていました。

 

香川女流が75金から香得するも、歩切れに苦しむ

 

香川女流は、76の歩を守るために77金と上がった金を、さらに66金から75金と進め、飛車取りをかけました。

 

この手は、後手の飛車を圧迫するとともに、先手の角を自由にしました。

 

これにより後手は香車を損しましたが、飛車と角を連携して反撃。
先手は得した香車を自陣に使いましたが、そこで後手は角を切ってその香車を入手。
その香車を先手陣に突き刺しました。

 

先手は歩切れなので、受けにくく、この場面では、香川女流が苦しいように思えました。

 

解説や感想戦でも、普段は当たり前のようにある歩が、ないことでこんなに違うのか、という話がありました。

 

香川女流、桂馬をただ捨てする妙手を放つ

 

歩切れで困ったかに思われた場面で、香川女流は、45桂という、ただ捨ての手を指しました。

 

 

後手にとっては、ただで桂馬が手に入る「お年玉」にも見えるこの手が、先手の攻めに厚みを持たせる強力な手でした。

そこからさらに先手は55の地点に角を据えて、桂馬が手に入れば後手の美濃囲いを一気に寄せていくことができる体勢に入りました。

この後は順調に手を進め、最後は見事に後手玉を即詰みに討ち取りました。
最後は75の金まで効いてきていて、まさに「勝ち将棋鬼の如し」でした。

 

 

終盤、手が当たらなくなって高見解説者が自信を失うシーン(?)がありましたが、そのときは山口女流が予想を的中させていました。
手の内を知っている同士だと、手を予想しやすいようですね。

 

香川女流と室谷女流の感想戦について

 

対局中の香川女流と室谷女流は、普段の聞き手や司会進行役の楽しいキャラとは別人のような、凛とした真剣な表情で戦っていました。

 

そして、普段の優しい人柄と違って、将棋の指し手はシビアでした。

 

感想戦は、対局中よりはリラックスした表情でしたが、やはり真剣な姿勢で読み筋を述べ合っていました。
このあたりは、男性の棋士の方たちとまったく違いはありませんでした。
自分の考えや対局中の感想をはっきりと述べるという点では、男性棋士以上の迫力が感じられますね。

 

そして、ライバルであるお二人は、感想戦でもお互いの読み筋がかみ合っていました。
ライバル同士だとここまで手の内がわかってしまうのか、という感じですね。

 

室谷女流は45桂のただ捨ても予想していたそうでしたが、驚きですね。

 

 

このように、感想戦まで含めて、感心させられる見事な対局をみることができました。

 

まとめ

 

いかがでしたか。

 

私は女流棋士の対局はあまりたくさんは観たことがなかったのですが、解説の高見先生をも感心させる内容で、面白いし勉強になると感じました。

 

 

今回勝った香川女流は、大晦日はニコニコ生放送、そして新年は「新春ふれあい将棋フェア」に全日程参加と大忙しですね。

「花の3番勝負」は収録ですので、元日は休めたでしょうけれど、そこからは怒濤の仕事ラッシュですね!お疲れ様です。

 

 

素晴らしい対局をみせてくれた香川女流、室谷女流ともに、是非今後も活躍していってほしいですね^^

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です