【当サイトの記事はPRを含む場合があります。】
AbemaTVのオリジナル企画「花の3番勝負」、気がつけばあっという間に第3局まで放送されてしまいましたね^^
今回は、第2局について書いておきましょう。
目次(もくじ)
第2局は飯野女流と塚田女流の対局でした。
お二人とも、AbemaTVやニコ生でおなじみの女流棋士ですね。
炎の7番勝負では、記録と読み上げを担当されていましたね。
また、聞き手やイベントのお仕事もこなされる人気女流棋士です。
そんな今回の勝負は「二世対決」です。
飯野女流は飯野健二七段の、塚田女流は塚田泰明九段の娘さんです。
どちらもお父様が師匠です。
「花の3番勝負」は共通点を持つ女流棋士同士の対決なのですね。
第1局は同い年対決でした。第2局は棋士の娘同士の対決というわけですね。
今回は、「二世対決」ということですが、それはどのような形でクローズアップされたのでしょうか?
飯野女流のお師匠の飯野健二七段の棋風については、残念ながら今回調べきれませんでした。
しかし、振り飛車を得意とされているらしいことは、昔、「将棋世界」で読んだ記憶があります。
飯野女流も今回振り飛車を採用されていました。
今回の塚田戦では、振り飛車らしい序盤から中盤では、軽快な捌きを含みに、戦っていました。
一方、中盤戦から終盤にかけては、ゆっくりした確実な攻めが好きであること、受け将棋であることが強調されていました。
これも山口女流によって明らかにされていました。
実際、と金攻めや、穴熊の守りに銀を一枚足す受けなど、山口女流の解説(?)通りの棋風をみせていました。
それだけでなく、盤面を広くみて角を使っていく手も指していました。
まとめると、振り飛車らしい軽快な捌きと、確実な攻めや相手の攻めに丁寧に対応する受けを好む棋風ということになりそうでうですね。
解説の途中で聞き手の山口女流が明かしてくれたのですが、飯野女流のお母様は着物関係のお仕事をされているそうです。
(詳しい職業名は忘れてしまいました。。。)
今回、飯野女流の着付けはお母様にしてもらったそうです。
高見先生が言われたように、「ご両親ともに日本文化に関係するお仕事」ですね^^
飯野女流の棋風の背後には、日本的な和やかな文化があるのかもしれません。
塚田女流は、お師匠の塚田九段の棋風に似た、攻め将棋とのことでした。
実際、花の3番勝負では、中盤戦は銀を繰り出していく積極的な攻めの姿勢をみせていました。
しかしながら途中は飯野女流の反撃に合い、解説で「受け将棋ですね」と言われるような場面もありました。
これまた山口女流が明らかにしたところによると、実は、塚田女流は、受け将棋の遺伝子も受け継いでいるのです。
塚田女流のお母様も女流棋士なのです。お母様は高群佐知子女流三段です。
山口女流曰く「高群女流は受け将棋」なので、塚田女流は、攻め将棋だけでなく「受け将棋のDNAも持っている」のです!
結局、塚田女流は攻守バランスの取れた棋風と言えそうですね。
もともとは攻め将棋であったのを、少しずつ自分を改良して行っているのでしょうね。
藤井四段もそうでしたね。
まだ19歳のサラブレッド、塚田女流は今後もますます進化していくのでしょうね。
さて、将棋の内容についても、軽く書いておきましょう。
先手・飯野女流の三間飛車と後手・塚田女流の居飛車で相穴熊になった序中盤。
飯野女流が左銀を繰り出していった後角を使っていく手をみせたのに対して、塚田女流が銀を繰り出して反撃しました。
飯野女流の銀が5筋に成る展開になったものの、塚田女流も銀と金の交換、飛車交換から、3筋の歩が切れていることを逆用した手筋で飛車を先手で打ち込みました。
飯野女流もうまく対応し、混戦になりました。
受け将棋の飯野女流らしい、金銀を自陣に打って補強する手によって、塚田女流もなかなか攻めきれません。
(この金はと金攻めによって手に入れたもので、このあたりは棋風が活かされていますね)
塚田女流も自陣で眠っていた角を敵陣に成り込み、馬をつくりました。
このあたりの場面は、飯野女流の囲いが復活していて、終盤だと思っていたのが、いつの間にか中盤に戻っているような展開でした。
「これが相穴熊のこわいところです」という高見五段のコメントがありました。
「一直線穴熊」を得意とする高見先生の言葉なので、重みがありますね^^
中盤に戻りそうな混戦模様となった場面で、飯野女流が66角と王手した手が好手でした。
続く後手44香、先手54歩、後手同龍の場面で、55銀と打っていれば、先手がかなり有望だったことが感想戦で高見五段により指摘されました。
飯野女流は形勢をかなり悲観していたため、この手が発見できななったようです。
終局直後のインタビューでは、投了のタイミングがわからず長引いてしまって申し訳ありません、という、かなりネガティブな発言がありました。
でも実は秘術を尽くした見事な将棋で、十分にチャンスがあったのですね。
高見五段の解説で、飯野女流が、「これなら自身あります」と、いつもの元気を取り戻したのがよかったですね^^
この55銀という好手を逃した後も、龍と馬に両取をかけて角を入手するなど、ぎりぎりのところで粘っていました。
結果的には、塚田女流の44の香車や、その後打った64角、「控えの桂馬」の24桂などがよくはたらいていて、粘りきれなくなり投了となりました。
全体として、両者の棋風が出つつも、様々な工夫をした一筋縄でない将棋で、途中流れが形勢が変化する場面もあり、観ていて退屈しない良い将棋でした。
いかがでしたか。
今回は「花の3番勝負」第2局について書いてみました。
第1局は妙手や大駒を切る手が飛びだしたり、楽しい将棋でした。
第2局は、相穴熊ということもあり、第1局のような一直線の激しい展開というよりは、プロらしい形勢判断や大局観が楽しめる味わい深い将棋だったと思います。
AbemaTVさんが再放送をやってくれたら、是非また観たい番組でした^^