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第76期順位戦は、2018年1月の段階でB1からAへの昇級者が1名、B2からB1への昇級者が1名決定しました。
B1からAへ昇級の糸谷八段、B2からB1へ昇級の野月浩貴八段に注目が集まりました。
ここでは、野月八段にスポットライトをあててみましょう^^
目次(もくじ)
順位戦で素晴らしい成績をあげて「鬼のすみか」B級1組への昇級を決めた野月浩貴八段。
そんな野月先生は、対局以外でも活躍されている棋士です。
その一つが、Abemaビデオで配信の「楽屋で一局」という番組です。
野月先生はこの企画で司会進行役として活躍されました。
ところでいつも書いていますが、Abemaの企画は毎回手を変え品を変えの工夫があって楽しいです。
「楽屋で一局」も例外ではありません^^
本来なら、収録を終えた棋士たちが一息つく場所である楽屋で、棋士たちの本音や素顔が明らかになる、将棋ファン必見の番組です。
Abemaビデオ「楽屋で一局」という番組は、2本あります。
「楽屋で一局 フリートーク」と「楽屋で一局 10秒将棋」です。
そのどちらも、野月先生のあいさつからスタートします。
これから新番組がはじまりますよー。
かわいいあいさつですよね(笑)。
実際、番組のナレーターも、番組が「お茶目な始まり方」をしたと言っています。
番組全体も、野月先生の優しい司会進行のおかげでアットホームな雰囲気で進みました。
また、お茶目なコメントで盛り上げてくれました。
「楽屋で一局 フリートーク」は、藤井猛九段と女流棋士2名が、本音で質問に答える番組です。
質問を読み上げる前に「詰将棋の早解き」でこの3名が競います。
解くのが遅かった人が、「罰ゲーム」的な感じで質問に答えます。
このルールを説明され、いよいよスタートとなったあたりでは、野月先生から、次のような台詞がでました。
理解がはやくて助かります。
出演の女流棋士たちには「学校の先生みたい!」と受けていました^^
棋士たちのトークの中では、司会の野月八段がうまく合いの手を入れたり、鋭い質問で話を深めたりしていました。
また、きわどい質問のときは、「かどが立たないように」配慮してうまく話を調整されていました。
この企画では、早解きで負けた人が、質問のかかれたくじを引いて答えます。
途中、室谷由紀女流ニ段が、中村桃子女流初段に対して、「桃ちゃん1回も引いてないね」というシーンがあります。
中村女流は、「頑張って答えてるから」と突っ込みを入れます。これに対する野月先生のコメントは次の通りでした。
そこ気づくの賢い!
中村女流が、もしもうっかりくじを引こうものなら、その場の流れで答えさせられかねませんからね。
このあたりは、流石は中村女流、冷静でしたね(笑)。
でも詰将棋をすべて解いていた中村女流初段も、結局は野月八段の手腕でほとんどの質問に答えさせられていましたね^^
番組の最後には、中村女流が、「詰将棋を頑張って解いたけど、私も結構答えさせられました」といっていました。
それは僕のせいか、スタッフさんのせいです。
と野月先生はいっておられましたが、将棋ファンとしては、中村女流の答えも聞けて得した気分ですね。
野月先生は、藤井九段にも答えさせていましたし、素晴らしい企画でした。
最後は、今回詰将棋に自信をもったという中村女流に対して、詰将棋選手権に出て藤井四段と勝負してください、という台詞がでました。中村女流は慌てて発言を撤回しました(笑)。
最後に、藤井四段のフィーバーで最近将棋ファンになった人にも楽しめるやり取りが聞ける、最高の番組になっています。
「楽屋で一局 10秒将棋」は、「楽屋で一局 フリートーク」と同じメンバーが出演する番組です。
藤井九段と野月八段が見守る中、室谷女流と中村女流が、1手10秒以内という超早指しで対局します。
女流2名が主役の企画になりますので、藤井・野月両先生はそれほど目立ちませんが、存在感を示しています。
この企画の見どころは、なんといっても、中村女流と室谷女流が10秒将棋の最中であるにも関わらず賑やかなおしゃべり、しかも楽しいやり取りをし続けているところにあります。
しかし、ところどころで野月先生が面白い突っ込みを入れていきます。
対局者たちは、序中盤では棋風や指し回しについて、「いつもと違う」みたいなことを言い合っていました。
ところが終盤では、対局者たちのおしゃべりは、お互いの玉の安全度などにも及びます。
これについての野月先生のコメントがまた楽しいのです。
解説つき!
実に的確に状況がわかる、印象的なコメントでした。
是非Abemaビデオを観て、このような野月八段のさりげない面白さを味わってみてください^^
野月八段だけでなく、藤井九段も味があって最高ですので。
プロ同士の「解説つき」の10秒将棋が観られる「楽屋で一局 10秒将棋」、楽しませてもらいました。
今後も色々な対戦組み合わせでやってほしいですね。
野月先生は、「りゅうおうのおしごと!」のアニメの監修をされています。
「りゅうおうのおしごと!」は、若くして将棋界の竜王になった棋士と、その棋士に突然弟子入り志願してきた小学生が主役の作品です。
当然、対局のシーンが出てるため、局面や棋譜が必要になるわけですね。
野月八段のツイッターでは、下記のようなつぶやきをされています。
「りゅうおうのおしごと!」アニメ版。駒落ちの図面&棋譜はほぼ全部がオリジナル。ストーリーに合わせた物を作成。
細かい描写のストーリーに沿って後から棋譜を合わせていく感じ(*^ω^*)
とある回の棋譜は条件が難しく1週間掛かっても作成できず。笑
力作揃いです♪#りゅうおうのおしごと— 野月 浩貴 (@nozuki221) 2018年1月15日
平手の将棋であれば、プロの将棋などのデータベースから探すこともできるかもしれませんが、駒落ちの指導対局とかについては、それができないのでしょうね。
だから、1局の将棋をまるごと、話に合うように創作しなければいけなくなるのでしょう。
一言でいうと、オーダーメイドで棋譜作成している、といった感じですかね。
これがかなり大変な作業だということがうかがえるツイートでした。
登場人物の心理が細かく描写される作品だと思いますので、かなり「注文が多い」仕事になるわけですね。
そのような大変な作業にも関わらず楽しんで仕事される野月先生の好感度が急上昇することは間違いないと思います^-^
いかがでしたか?
今回は野月八段に注目してみました。
優しいお人柄で司会もできて、アニメ監修の仕事を楽しんで行っている野月先生。
今後の活躍に期待感が高まりますね。
ところで、「監修」って、将棋の入門書などにも、例えば羽生先生が監修したものがよくありますね。
具体的にどういうことなのか、知りませんでした。アニメの監修と同様に、棋譜や図面をつくるのでしょうか?
気になりますね!
今回、「将棋アニメの監修」は結構ハードらしいことがわかり、個人的には収穫でした。
そういえば、先崎九段も漫画「3月のライオン」で監修をやっていますね。
確か、「3月のライオン」にも先崎先生のオリジナルの局面が登場するらしいので、苦労して監修なさっていたのでしょうね。