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プロでもアマチュアでも、正式な時間を決めて対局するときは時間を決めて行います。
その際、対局時計によって指し手に費やした時間が計測されます。
対局時計は別名、チェスクロックともいいます。
使ったことがない人は、チェスクロックの使い方のイメージがつかないかもしれません。
そこで、チェスクロックを使って対局するときのだいたいのやり方について書きたいと思います。
さらに、アマチュアの大会やプロの棋戦での、対局時計の立ち位置(?)の違いについても書きます^^
なお、持ち時間や秒読みなどの設定のやり方は、また別の機会に扱います。
また、消費時間をおさえるコツとかもあるみたいですが、それもまたいつか書けたらと思います。
目次(もくじ)
チェスクロックで対局するためにおさえておきたいことは以下の3点です。
わざわざ書くと難しそうにみえますが、実はとても簡単です(笑)。
以下、順にみていきましょう!
棋力が対等の場合は、先手・後手は振り駒で決めます。
後手番になった方の対局者が、チェスクロックの位置を決めることができます。
チェスクロックは盤をはさんで向かい合っている相手と自分の間、ちょうど真ん中におきます。
自分からみて右側に置くか、左側に置くか。
後手の人は自分が押しやすい方に置くことができます。
普通は、右利きの人は右側、左利きの人は左側にある方が押しやすいようです。
将棋では先手が若干有利とされています。
それが、時計の位置の選択により、通常よりも若干後手にも分が出てくるのでしょうね。
なんだかフェアな感じで、いいですね^^
偉そうに書いてしまっていますが、私も「Abema TVトーナメント」を観て初めて知りました(汗)。
ところで、駒落ちの場合は、時計の位置を上手と下手のどちらが決めるのか?これは結構疑問ですね。
アマの大会などでは、強豪が出るような正式な大会ならばすべて平手なので、駒落ちはありません。
しかし、若者たちが将来のプロを目指す、厳格で正式な勝負の場である奨励会では「香落ち」の手合いがあります。
奨励会の対局で手合いが香落ちの場合に、時計の位置はどうしているのか、気になってきました(笑)。
この疑問は、このブログの今後の課題としておきます。
振り駒と時計の設置が終わったら、対局開始です。
初手、つまり第一手目を指すのは先手側の対局者です。
将棋の対局の開始のタイミングは、先手の人が初手を指す前の、「あいさつ」からになります。
いつもの、「お願いします」のあいさつですね。
先手が初手に使った消費時間は、「お願いします」から「初手着手」までの時間になります。
その時間を時計に反映させるために、あいさつの直後に、後手の人がボタンを押します。
といってもまあ、実質的には、「初手の直前にボタンを押す」とほとんど同じなので、それでも大丈夫ですね。
ちなみに、平手ではなく駒落ちでチェスクロック使用の場合は、先に指す上手の方のために、下手側の人がボタンを押す、となりますね。
要は、「先手」を「上手」に、「後手」を「下手」に読みかえればOKな感じです^^
対局時計は、基本的には「自分が指したらボタンを押す」ものです。
初手だけは、まだ一手も指していない後手の人がボタンを押すという特殊なものでした。
この「指す」という動作ですが、もう少しだけ細かくみることができます。
指す手が、相手の駒を取る手でないときは、自分の駒を動かすだけです。
自分の持ち駒を打つ手であれば、自分の駒台の駒を盤上に置くだけです。
どちらも、一動作だけですね。
これに対して、一手でニ動作ある場合もあります。
自分の駒で相手の駒を取る場合ですね。
このときは、まず取る相手の駒を盤から自分の駒台に移動します。
その後、今とった相手の駒がいた場所に自分の駒を移動します。
これが相手の駒を取る場合の一番正式なやり方だと思いますが、もっと簡単にすませてしまうこともあります。
相手の駒をとって、手に持ったまま自分の駒を動かす、というものです。
この場合は、駒台に駒を置くのは、自分の駒を動かした後になります。
一手が一動作ですむ場合は、動作の直後に時計のボタンを押せばOKです。
相手の駒をとる、一手がニ動作の場合は、どのタイミングでボタンを押せばよいでしょうか?
この場合は、ニ動作目の後にボタンを押すのが一番丁寧な作法だと思いますので、そうしておけばまず間違いはありません。
ニ動作目が取った駒を駒台に置く動作の場合は、それよりも先にボタンを押してもよいでしょう。
盤上の駒を動かし終えた後なので、すでにどの手を指したかが相手にもわかっているからです。
すくなくともアマチュア同士なら許容だと思います。
プロの場合はどうなのでしょうね?
後述のようにプロは普通、公の場ではチェスクロックを押さないのでわかりません。
「楽屋で一局」や「Abema TVトーナメント」のときのプロ棋士たちの作法に注目ですね。
アマチュア大会やプロの棋戦でも対局時計を使って持ち時間の消費が計測されることがあります。
アマやプロの将棋でのチェスクロックの出番(?)についても、ついでなので書いておきたいと思います。
今回は説明しませんでしたが、チェスクロックは大きく分けると、アナログとデジタルの2種類があります。
アナログ式の対局時計には、通常のアナログ時計と同じような、時計の針や文字盤があります。
デジタル式は、通常のデジタル時計と同じような、数字が表示されるものですね。
アナログの場合、文字盤の「12時」の位置のあたりに赤い三角形みたいな物体(?)がみられると思います。
「旗」が下に落ちたときが、持ち時間が切れたときです。
アマチュアの大会は「切れ負け」のルールが取られているものもあります。
その場合は、旗が落ちた時が敗北のときになります。怖いですね!
デジタルの場合も、音で切れ負けが知らされます。(これはこれで心臓に悪そうです!)
時間が切れたら負けであるため、大会では対局時計を押す動作も真剣に行われます。
出場する人たちは普段から練習しているみたいで、そういう人は道場などで指すときでも、時計の押し方が慣れた感じで、とても様になっています。
また、小学生のお子さんであっても、かなり慣れた様子の子もいて、チェスクロックの扱い方一つからでも、将棋にかけてきた想いた時間がわかる気がします。
こういうのを感じ取るのも、将棋の楽しみ方の一つです^^
一方、プロの対局の場合、対局時計の観点から、アマ大会と違いはあるのでしょうか?
大きな違いが2つあります。
プロの対局では、棋士が自分でチェスクロックを押すことはありません。
「チェスクロック方式」の棋戦であってもです。
チェスクロックを使用するとしても、記録係の人が押します。
ですので、普段私たちが観るプロ公式戦の対局の中継や放送などでは、棋士が対局時計を押す姿は観られないわけですね。
その点では、Abema TVの企画である、「楽屋で一局」や「Abema TVトーナメント」は貴重ですね。
棋士の先生たちが対局時計のボタンを押すシーンが観られるわけですから。
また、アマの場合との大きな違いは、持ち時間を使いきっても、「時間切れ負け」にならない点ですね。
持ち時間が切れたら、「秒読み」で指します。
アナログ対局時計の場合は、旗みたいな物体(?)が落ちたらそこから秒読みに入ります。
切れ負けではないので、落ちても大丈夫ではあるのですが、やはり「どきっ!」としてしまいますよね。
確か、Abema TVの「炎の7番勝負」で観たおぼえがあるのですが、人ごとながら持ち時間が切れる瞬間は独特のスリル(?)みたいなものを感じました。
NHK杯や銀河戦などのテレビ棋戦でも、やはりアナログ式のチェスクロックが使用されているのでしょうか?
これらの棋戦の放送は観たことはあるけれど、そこまで意識が及ばないので、ちょっとわかりません(汗)。
また機会があったら重点的にチェックしてみたいと思います^^
今回は、チェスクロック(対局時計)を使って対局するときのやり方についてでした。
基本的なやり方について書きました。
一度でも使用の経験があれば、当たり前すぎて今更な感じの情報でしたが、将棋初心者の方にお役立ていただければ幸いです。
また、合わせてアマ・プロの対局における使用に関して、思いついたことを書きつづってみました。
私自身、今回の記事執筆をきっかけに、チェスクロックへの興味が今まで以上に湧いてきました(笑)。
今後も、将棋の色々な楽しみ方を発掘(?)して深めていけるように精進していきたいと思います^-^