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前回の続きで、永田実さんについてです。
今回は、AbemaTVの炎の七番勝負や、ニコニコ超会議の「超4人将棋」で司会として登場されたときのご活躍について書きます。
(この記事は「ニコニコ超会議2017」が終わった少し後の時期に書かれました。「超4人将棋」は2017年の「超会議」の企画の一つです。)
目次(もくじ)
前回の投稿を読んでいない読者さんのために、簡単に復習しておきましょう。
永田実アナウンサーは、将棋関係のイベントや将棋番組によく登場して司会役を勤めています。
早稲田大学出身の永田実は、スキンヘッドで気合いの入った話し方をする、まさにスポーツマンといった雰囲気のキャスターです。
一方、話し方や物腰は非常に柔らかで、炎の七番勝負での登場の際は、視聴者にも分かりやすく将棋界のことを説明しておられ、配慮ある優しい印象です。
実は私はうかつにもよく知らなかったのですが、他の方の将棋ブログなどを拝見すると、ニコニコなどでは結構前からおなじみの司会者で、すでに人気もあったようです。
すでに上にも書きましたが、中学生棋士・藤井聡太四段がプロ棋士たちと戦った、AbemaTV将棋チャンネルの「炎の七番勝負」で司会として登場されたのが、この永田実さんです。
炎の七番勝負はかなりの話題になったので、将棋ファンでなくとも番組をご覧になった方は多いかと思います。
全局を視聴した今、私にとってもおなじみの司会者ですので、これをきっかけに永田さんにも注目が集まっていくでしょうね^^
今回は、炎の七番勝負と、最近行われたニコニコ超会議2017に登場されたときの活躍を振り返ります。
炎の七番勝負における永田さんの出番は、だいたい次の通りです。
今回は、一番分かりやすい、2番目の項目について、振り返ってみたいと思います。
他の項目については、読者の皆さまご自身が番組をご覧になって、雰囲気を体感していただけたら嬉しいです^^
炎の七番勝負は、中学生でプロ棋士デビューした藤井聡太四段が主役ということに加え、将棋自体も深いものであったため、解説者と聞き手のトークも非常に盛り上がっていました。
局面が動いていない間は、藤井四段や対戦相手の棋士に関しての話がされたりしていました。
それだけでも将棋ファンにとっては十分に面白いのですが、そういう、将棋の勝負自体の解説が止まった瞬間を狙ってここぞとばかり、永田さんが登場します。
永田アナがもって登場するのが、将棋に詳しくない視聴者のための解説用のフリップです。
フリップというのは、テレビ番組、特にバラエティー番組や健康関係の番組とかでよく使われる説明用のボードのことですね。
フリップは確か全部で4種類あって、歴代中学生棋士のフリップと、将棋界の厳しさを説明するための、奨励会と順位戦のフリップ、対戦相手の紹介フリップ、そして歴代の将棋連盟会長を紹介するフリップです。
中学生で四段昇段、つまり棋士デビューした棋士は、皆さん有名な人ばかりです。
まずは、藤井四段のデビュー戦の相手でもあった、加藤一二三先生。
藤井四段は加藤先生の最年少棋士デビュー記録を抜いて、史上最年少の棋士となったのでしたね。
次が、谷川浩司先生です。
藤井四段が昔から尊敬している棋士の一人で、あるアドバイスをしてくれたこともあるのですが、その話はまた別の機会に書きます。
その次に中学生棋士デビューしたのが、将棋界のスーパースターとも呼ばれる羽生善治先生です。
炎の七番勝負の最後の相手、ラスボスとして登場した棋士ですね。
藤井四段と同じく、天才と呼ばれる棋士です。
その次が、渡辺明先生ですね。
タイトル戦の対局の終盤で羽生先生の手が震えたことから、「羽生を震えさせた男」として名声を高めたのが渡辺先生です。
歴代中学生棋士のうち、渡辺先生以外はみな名人をとっています。
また、その渡辺先生も、名人と並ぶ最高のタイトルである竜王を獲得しており、唯一の「永世竜王」です。
こうなってくると、藤井四段に対してもどうしても期待してしまいます。
永田さんが、師匠の杉本先生、聞き手の中村女流らとともに、そうした期待感を語って盛り上げてくれているシーンが印象的です。
渡辺先生も、確かまだ高校生だった頃に、他の中学生棋士は皆名人になっているから、自分も名人をとることが期待されていることに対して、「プレッシャーはある」と雑誌連載記事に書いていました。
さあ、果たして将来、渡辺先生そして藤井四段は、名人戦に登場するのでしょうか?
今後の展開が楽しみですね^^
中学生で棋士になるのがいかにすごいことであるかを説明するためのフリップが、この「奨励会と順位戦のフリップ」です。
奨励会に入ってからプロになり、頂点である名人へといたる道がいかに大変なものであるかについて、毎回分かりやすく説明がされていました。
これについても、是非番組をご覧になっていただきたいのですが、一つだけキーワードを上げておくと、「ピラミッド」ですね。
奨励会に入会する人数よりもずっと少ない数の人しかプロになれず、さらに順位戦を戦って勝ち抜いてトップであるA級にとどく人はごく一握りしかいないことが、視覚的に分かりやすく示されたプリップでした。
炎の七番勝負は結果的に、藤井聡太という新たなスターの誕生を予感させる内容・結果でした。
藤井四段は、決して遠くないうちに棋戦優勝やタイトル挑戦などの大きな結果を出すでしょう。
このような評価は、七番勝負後半、対戦したA級棋士全員に勝利したことによります。
こうなると少しかわいそうなのが、前半惜しくも藤井四段に負けた若手棋士のみなさんです。
七番勝負前半の時点では、藤井四段がいくら天才であるとはいっても、大方のファンは、デビューしたての中学生という印象しかなかったと思います。
対戦して敗れた若手棋士に対しては、かならずしも強い印象をもてなかった将棋ファンも多かったと思います。
そういうときは、是非再放送を見て、永田さんが解説の大盤の前に持ってきた、対戦相手のデータをまとめたフリップと、それを使った説明をみてみましょう。
増田四段や、斎藤六段(当時)、そして中村太一六段がどれほど強い棋士であるかが、しっかりとまとめられています。
もちろんその他の対戦相手、永瀬六段、深浦九段、佐藤九段、羽生三冠の強さも、フリップにまとめられていました。
個人的には、深浦九段のフリップを持って永田さんが登場したときの、解説の橋本八段の反応が面白かったです。
フリップにまとめられている情報は棋士によって異なり、例えば、増田四段の場合はその高い勝率について、中村六段の場合はタイトル挑戦という実績についてなどでした。
余談になりますが、私は増田四段の感想戦でのコメントに一番感銘を受けました。
藤井四段も、増田四段の読み筋に感心しているようでした。
歴代会長のフリップが登場したのは一回だけで、将棋連盟会長でもある佐藤康光九段との対戦である第6局でした。
確か、佐藤九段は歴代の会長と比べると、若いんですね。そういう話もあったと思います。
歴代会長には、羽生先生の師匠の二上達也先生や、偉大な棋士・大山康晴先生、そして中村六段の師匠の米長邦雄先生などがふくまれます。
今や、いずれも故人です。
歴代会長には、その他に中原誠先生、谷川浩司先生がいます。
中原先生は、現役時代は中原永世十段という肩書きでしたが、引退してからは、「十六世名人」という称号で呼ばれています。
将棋連盟の「囲碁部」で元気に囲碁を楽しんでおられるようです^^
歴代会長のエピソードのうち、大山先生が会長だった頃の話を、橋本先生が楽しく話してくれていますので、炎の七番勝負第6局を見たら是非チェックしてみてください^^
最後は、ニコニコ超会議2017の企画の一つ、「超4人将棋」での永田さんの司会での活躍についてです。
「4人将棋」というのは、一言でいうと、4人で行う将棋なのですが、普通の将棋が2方向使うのに対して、4人将棋は4方向使います。
つまり、普通の将棋では駒は上を向いているものと下を向いているものの2方向しかありません。
それに対して、4人将棋の場合は上向き、下向き、右向き、そして左向きという、4つの方向を使うわけです。
超4人将棋の企画では、登場したプロ棋士と女流棋士のうちの4人が4人将棋の対局を行い、余った先生たちが解説に回りました。
このように4人で対局するものであること、そして本来の将棋ではないこともあり、プロ棋士の先生たちはわいわいとおしゃべりをしながら、解説の先生のあおりにも応じながら対局を楽しんでいました。
さらに、4人将棋の創始者の方もゲストとして登場されたため、残念ながら永田さんの出番はほとんどなくなってしまいました。
それでも、永田さんの存在の効果は大きかったと私は信じています。
2局行われた4人将棋の間にきっちり登場してスムーズに司会進行をしてくれてますし。
でも、なんといっても大きいのが、「超4人将棋」開始時の挨拶です。
超4人将棋には、炎の七番勝負の第3局で藤井四段と戦った斎藤七段が登場しました。
斎藤先生は、棋聖というタイトルに挑戦することが決まっています。
超4人将棋が放送されたニコニコ生放送では、おそらく皆さんご存知のように、視聴者のコメントが字幕みたいな形で出るようになっているのですが、「斎藤先生、棋聖選挑戦者になれておめでとう」
という感じのコメントが流れていました。
斎藤ファンにとっては、大舞台に斎藤七段が出ることが非常に嬉しいわけですね。
永田さんは「超4人将棋」開始時の挨拶のときに登場棋士を紹介したのですが、さすがは永田さん、斎藤先生の棋聖戦挑戦決定を祝うコメントを忘れていませんでしたよ!
こういうのも、永田さんが熱心な将棋ファンであるが故になせるわざなのでしょうね^^
斎藤先生の立場に立ってみると、永田さんは負けた対局でインタビューをしてきた相手なので、どうしてもその印象で接してしまいがちになると思いますが、上記のお祝いのコメントのおかげで、ネガティブなイメージが払拭されたことでしょう^^
永田アナウンサーのナイスな配慮に、感心します。
いかがでしたか?
前回に引き続いて、将棋大好きスポーツキャスター、永田実さんのことを特集してみました。
炎の七番勝負では、永田さんから印象的な名台詞が出たのですが、今回は取り上げきれませんでした。
また機を見て取り上げたいと思います。