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2017年ごろからの空前の将棋ブーム。
日本国内だけでなく、海外からも将棋に注目が集まってきていると思います。
カロリーナ・ステチェンスカ女流が
史上初の海外出身女流棋士としてデビューしたこともありますし、
将棋を通じて、外国の方と交流してみたくなった将棋ファンも
意外と少なくないのではないでしょうか?
将棋を知らない外国人の方に教えるとして、
将棋の駒の英語での呼び方がわかった方が便利ですよね。
漢字が読めないかもしれない人に、
いきなり「Hisha」とか「Kaku」とかおぼえさせるのも酷ですし(笑)。
以下には、将棋駒の日本語・英語対応を、必要に応じて私なりの説明をつけてまとめます。
将棋の駒を英語で何と呼ぶか、おぼえる上で、
次のような分類をおさえておくといいでしょう。
外国出身者に将棋を教える場合に役に立つかもしれません。
チェスならすでに知っている、という可能性がありますからね。
それに、分類しておいた方が、おぼえやすいですし。
さらに、将棋固有の駒の中でも、
成る前の駒(表面)と成り駒(裏面)に分けて考えるといいでしょう。
ちなみに、成り駒はすべて将棋に特有で、チェスと共通するものはありません。
ではまずは、英語での呼ばれ方が、
チェスに由来している駒についてです。
以下の通りです。
将棋というのは簡単にいうと、相手の王様、
つまり王将(または玉将)をとると勝つゲーム、でしたね。
一方、チェスは相手のKingという駒をとると勝ちになります。
Kingは「キング」、つまり王様です。
つまり、やはりチェスでも、相手の王様をとることが目標なんですね^^
このように、王将、玉将はKingと役割が一緒で動きも同じです。
だから、Kingと訳されます。
次に、飛車と角ですが、やはり、チェスにも動きがまったく同じ駒があります。
飛車と同じで十字に動けるのがRookで、「ルーク」と読みます。
角と同じで斜めにいくらでも動けるのがBishopで、「ビショップ」と発音します。
ちなみに、チェスには、「キャスリング」という特殊なルールがあります。
キャスリングとは、将棋でいう「囲い」(王様の守り)のようなものをつくる操作のことです。
なんと、このキャスリングのときはルークとキングが同時に動くんですよ。
ビショップの意味は「僧侶」だと聞いたことがあります。
といっても、西洋の僧侶なので、
いわゆる「お坊さん」とかとは違うでしょうね(笑)。
西洋的な僧侶ってあまりピンときませんが、
ビショップの駒には十字架みたいなのが
ついていますので、教会的なイメージですかね。
実際、英語の”bishop”の意味を今調べたら、
「司祭」と出てきました。
十字は十字でも、駒の動きは斜めの十字なんですけどね(笑)。
ルークは、城という意味だと思います。
駒のデザインが、そんな感じです。
将棋では、王様の囲いのことを「お城」と表現する人もいます。
たとえば、「矢倉に入場する」という言葉とか、
「天守閣美濃」という囲いがありますね。
「キャスリング」が王さまの守りであるということからも、
ルークが「城」であることは間違いなさそうです。
でも、英語辞書で”Rook”と調べても、
「城」という訳がでてこないんですよね(^^;)
それはそれとして、将棋では
「玉飛接近すべからず」という格言があるのに、
チェスの守りである「キャスリング」では、
キングとルークが(一時的にでしょうけれど)
近づくというのは、不思議な感じですね^^
続いて、桂馬ですが、英語ではKnightです。
Knightは「ナイト」と読みます。
チェスのナイトという駒は、デザイン的には馬ですね。
ただ、ナイト自体は、「騎士」という意味です。
西洋の騎士は、馬に乗るんですね。
桂馬も、「馬」という字が含まれますので、
桂馬のことを英語でナイトと呼ぶのは、
ふさわしい訳といって間違いなさそうです。
ただ、将棋で「馬」というと、角行が成った駒である「龍馬」をさすのが普通なのですが(^^;)
駒の動きですが、ナイトは桂馬と同じ動きができます。
しかし、ナイトの方が色々な方向に動けます。
「桂馬跳び」の動きを、8方向にできるのです。
「八方桂」というのをご存じでしょうか?
通常の将棋と桂の動かし方だけかえて指す遊び方なのですが、
八方桂ルールでの桂馬の動きとナイトの動きはまったく同じです。
「歩」は、英語では”Pawn”です。
Pawnは「ポーン」と読みます。
チェスのポーンという駒は、将棋の歩と同じで、
一番弱い駒です。
一つ前に進む駒、という点も一応共通しています。
ただ、ポーンは、将棋の歩よりもちょっと複雑です。
最初だけ一気に2つ前に進めたり、
ポーンが取ることができるのは、
正面の駒ではなく、斜前の駒だったり。
他にもちょっと不思議なルールがあるみたいです。
細かいルールはともかく、盤上にたくさんある駒であり、
配置も歩と似ているので、歩をポーンと呼ぶことには
違和感ないと思います。
このポーンという英語の意味ですが、
調べてもわからないんですよね。
ただ色々調べているうちに、
チェスのポーンは、武装した騎士(馬には乗っていない)を
表しているようであることがわかりました。
つまり歩兵ということになるかと思います。
ということは、将棋の「歩」も「歩兵」の略ですから、
まさにぴったりの略語といえそうです。
将棋特有の動きをする駒とその英語での呼び方は、次の通りです。
「金将」と「銀将」はほぼ直訳です。
金と銀はゴールド(gold)とシルバー(silver)、
そしてgeneral(ジェネラル)は将軍という意味です。
漫画「ワンピース」のフランキーというキャラが、
例えば、「将軍砲」と書いて「ジェネラル・キャノン」と
読む(ルビがふってある)技(?)を使うので、
もしかしたら知っていたかもしれませんね。
香車は”lance”といいます。
読み方はランスです。
槍(やり)という意味ですね。
香車には「槍」という別名があるので、
ぴったりな訳語です。
でも、何で香車は「槍」なのか?
槍というのは、まっすぐ伸ばせばずっと先まで届くから、だと思います。
香車の「田楽刺し」という手筋をご存じでしょうか?
別名、「串刺し」ともいいますが、
例えば角と飛車を香車のまっすぐな効きが突き刺すようなイメージがありますよね。
こういう、どこまでもまっすぐに伸ばしていって、
突き刺す感じが、まさに「槍」ですよね。
将棋では、成り駒というのがあります。
要は、裏返った駒、ですね。
成り駒によっては、特別な名前が与えられているのもあります。
ところで今回まだ名前がでてきていないチェスの駒があるのですが、
わかりますか?
それはチェス最強の駒です。なんと、将棋の龍王よりも強いんですよ!
そのチェス駒の名は、”Queen”です。
読み方はクイーン、意味は「女王」ですね。
クイーンは元々盤上にある駒ですが、
ポーンがクイーンに化けることがあるんです。
敵陣の一段目に侵入するとポーンをクイーンにすることができます。
将棋の「成り」に似ていますよね。
実は、ポーンが化ける駒として、クイーン以外の駒を選択することもできます。
ビショップ、ルーク、ナイトでもOKです。
このポーンが別の駒に変わることを、
プロモーション(promotion)といいます。
将棋の成りを表す英語として、この”promotion”が使われます。
意味は「昇進」です。敵陣侵入に成功した歩兵は、地位が上がるんですね。
歩兵が馬に乗るようになるくらいなら割りと現実的(?)な昇進ですが、
一気に女王にのぼりつめるなんて、中々すごいですね!(笑)
各種成り駒の英語での呼び方は次の通りです。
全部、もとの駒に”promoted”をつけただけですね。
この”promoted”ですが、”promote”、「昇進させる」の
受動態(受け身の形)なので、「昇進させられた」というような意味ですかね。
色々検索して調べた中には、龍王、龍馬は、”dragon king”、”dragon horse”ともいう、
という情報もあった気がします。
一方、「と金」のような、日本人からみても不思議な言葉は英語には訳しにくいので、
“Promoted pawn”以外の訳はないでしょうね。
外国の方にこういう、日本語独特の味のある名前について教えるのもいいかもしれません。
ただそれは、まずは英語での呼び方をマスターして
将棋そのものを学ばせてあげてからでも遅くはありません。
今や、将棋は世界でもプレーされている
グローバルなゲームです。
将棋の駒を英語でなんと呼ぶかは、すでに
確立されています。
将棋とよく似たゲームであるチェスの駒の名前で
表される将棋駒もあります。
また、将棋に独特の駒については、
チェスの駒の名前ではない訳が与えられています。
今回は、そのような、将棋の駒の英語での呼び方について書いてみました。
将棋の駒の英語を知ったついでにチェスをおぼえてもいいし、
英語で書かれた将棋の本を読んでみるのもいいですね(^^)