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将棋ファンなら、将棋の強い子どもや若者が通う「研修会」という組織のことを聞いたことがあるかと思います。
「奨励会なら少しは知っているけれど、研修会って?」
そのように疑問に思った方のために、まとめてみました。
目次(もくじ)
研修会とは、どのような趣旨の機関で、将棋界でどういう位置づけにあり、どのような活動を行っているのでしょうか?
将棋連盟のwebサイトには、研修会の趣旨が下記のように明記されています。
将棋を通じて健全な少年少女の育成を目指すための機関、また、女流棋士養成機関
将棋を通じて、学べることはたくさんあります。
将棋連盟の機関である研修会では、真剣に将棋に取り組むので、将棋を学ぶメリットが最大限になると思います。
上記の研修会の趣旨には書かれていませんが、研修会には、「棋士」を目指す子どもが通います。
プロ棋士の養成機関である奨励会に入る前の段階で、研修会に通うのが一般的のようです。
その意味で、子どもたちを将棋によって健全に育成する機関といっても研修会は、とてもシビアな集まりです。
狭き門である将棋のプロ棋士や女流棋士志望の子たちが集まるわけですからね。
先ほど、「研修会では将棋に真剣に取り組む」と書いたのも、そのような背景があってのことでした。
中にはプロ志望でなくて研修会に通う子もいるかもしれませんが、いたとしても少数派だろうと思います。
ただ、この段階ではそれほど真剣にプロを目指していなくても、習い事の一環として通うというのもあっていいと思いますが、どうでしょうか?
研修会で優秀な成績をおさめると、奨励会に入会できたり、試験の一部が免除されたりするので、プロを目指す戦いは、すでにこの段階から始まっているわけですね。
さて、趣旨や位置づけは上に書いた通りですが、それでは、研修会とは一体、何をするところなのでしょうか?
「優秀な成績をおさめると」とか、「戦い」という言葉を出しましたので、鋭い方はもう察しているかもしれません。
研修会では、会員同士が対局を行います。
対局は定期的に開かれる「例会」で行われます。1回の例会で4局指されます。
例会の行われる日は原則として、「毎月第2・第4日曜日」で、月2回です。
研修会の所属クラスによっては、たまに月1回ペースになる月もあるようです。
奨励会よりは下部であるとはいえ、プロを目指す人が集まるような機関なので、研修会へ入会するには相応の実力が求められます。
研修会には入会試験があります。
「例会」の日に行われます。
試験は随時行われます。「入学試験」のように年に1回とかではありません。
ちなみに研修会とは対照的に、奨励会の入会試験は年に1回です。
=> 【奨励会入会試験での受験する級ごとの年齢制限の違いや初段入会について】
例会で入会試験が行われると書きましたが、会員の子との対局なのか、棋士の先生との対局になるのか、詳細については調べきれていません。
2回の例会にわたって試験が行われるので、試験は全部で「4かける2」の8局の対局になります。
研修会は、「有段者の少年少女」のための機関でしたね。
一番下のクラスでも、アマ二段といわれています。
ですので、研修会員になるためには、アマチュア二段以上の棋力が必要であると考えられます。
試験を受けるためには、2万5百円の試験料が必要です。
無事に入会できたら、入会金の3万8百円が必要となります。
月謝は1万2千8百円です。
研修会入会には年齢制限がありますが、意外と広い年齢層を受け入れています。
20歳以下でアマチュア有段者の少年少女
これは、女流棋士志望でない「一般研修生」年齢制限になります。
個人的には、上限が20歳というのは、結構意外な印象でした。
ただ、プロ棋士志望であれば、できるだけ早い段階で入ることが望ましいです。
実際にプロになった棋士は、どの段階で入会しているのでしょうか?
藤井聡太七段は、小学校1年のころに研修会に入ったそうです。
今更ではあるのですが、その時点で研修会入りする実力があったというのは、驚異としかいいようがありませんね。
その後藤井聡太少年は、一般よりも早い小学校4年生で奨励会に入会したのでした。
渡辺明棋王も、小学生のころ研修会に通っていたそうです。
渡辺先生の場合、奨励会入りが小学校3年生で、青野照市九段が本で書かれていることによると、これが奨励会入会の最年少記録のようです。
渡辺棋王の研修会入会時期はわかりませんが、やはり小学1年くらいからだったのではないでしょうか?
藤井・渡辺といった、天才中学生棋士たちは、研修会や奨励会の入会時期が早すぎて参考にならないと思うかもしれませんね(汗)。
他の棋士の例はというと、23歳でプロデビューした西尾明六段は、小学校3年の時点でアマチュア四段だったそうです。
するとやはり、小学校低学年で研修会入りできる力があったことになります。(中学生棋士たちとそれほど変わらない?)
こうして考えるとやはり、プロ志望の場合は、研修会には小学校の低学年から入会できていることが望ましいようですね。
もちろん、将棋に興味をもった時期や上達がもっと遅かった棋士の例はあると思いますが。
研修会の活動は、全国4か所で行われています。
というよりも、その4つの地域ごとに研修会が存在します。
近くに研修会の会場がない子は、遠方から通うことになります。
これは、奨励会と同様ですね。
関東研修会は千駄ヶ谷の東京将棋会館で行われます。
関西研修会は大阪福島の関西将棋会館が会場です。
東海研修会は、名古屋の板谷将棋記念堂が会場です。
藤井聡太七段は東海研修会に所属していたのでしたね。
九州研修会は、一番最近できた研修会です。
佐藤天彦名人の時代にはまだなくて、九州から大阪まで通っていたそうです。
九州研修会の会場は福岡市の電気ビル「共創館3階Fカンファレンス(和室)」というところだそうです。
いかがでしたか?
今回は研修会について調べてみました。
まだまだ情報量が少ない気もしますが(汗)。
今回執筆していて、プロを目指す戦いは、小学校低学年からすでに始まるという事実を、改めて思い知りました。
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