【藤井聡太七段のタイトル挑戦までの道】各棋戦であと何勝まで迫ったか

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いずれは必ずタイトルを獲得するだろうと、

デビュー後すぐの時期からいわれてきた

天才高校生将棋棋士・藤井聡太七段。

 

その予想は決しておおげさなものではなく、

現にタイトル挑戦まであと少し(!)というところまで

肉薄する活躍をしてきました。
 

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どのタイトル戦でどのくらいまでいったのか、

ここにまとめておきたいとおもいます。
 

 

将棋界のタイトルは8つも

 

将棋界のタイトル戦は8つもあって数が多く、

しかも次々と情報が入ってくるので、

全部の情報は追い切れない方も多いかと思います。

(私自身、こうしてブログをやっていなければ、

うっかり知らずにいた情報とかもあったと思います。)

 

そもそもタイトルって全部でいくつあるかのかというと、

8つあって、「8大タイトル」と呼ばれています。

その他に、タイトル戦以外の棋戦というのもありますので、ちょっとややこしかったりしますよね。。
 

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将棋界の8大タイトル戦は、次の通りです。

 

  1. 王将戦
  2. 棋王戦
  3. 名人戦
  4. 叡王戦
  5. 棋聖戦
  6. 王位戦
  7. 王座戦
  8. 竜王戦

 

開催される時期順に並べました。

王将戦が年が明けてからわりとすぐに開催され、

年末ごろの将棋界を盛り上げてくれるのが竜王戦です。

 

ただし、ここでいう開催時期というのは、

タイトル保持者と挑戦者との戦い(番勝負)のことで、

その挑戦者を決める予選は、1年かけて行われます。

 

藤井聡太七段のタイトルへの道

 

それでは、藤井聡太七段が、これまでに、

挑戦者になるまであとわずか、となったタイトルはどれなのか、

逆に、相性の悪いタイトル戦というのはあるのか、

ということをみていきたいと思います。
 

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ここでは、惜しかった順に説明していきます。

 

第69期王将戦(2019年)は後1勝だった!

 

2019年の第69期王将戦では、挑戦者決定リーグ戦に入りました。

2019年度絶好調の渡辺明三冠がもつ王将のタイトルに挑む棋士を決めるリーグ戦でした。

 

広瀬竜王、豊島名人という将棋界のビッグタイトルの保持者や、

無冠になったものの未だに強さをみせ続ける羽生善治九段をはじめ、

その他のメンバーも、全員がタイトル保持経験のあるA級棋士という、

藤井聡太七段にとって試練のリーグ戦でした。

 

その中で、藤井聡太七段は1敗でリーグ最終戦を迎えました。

 

最終戦の相手は、以前に朝日杯の決勝で対戦した広瀬章人竜王でしたが、

惜しくも負けてしまい、王将戦7番勝負への登場はならず。

 

とはいえ、4勝2敗という好成績でのリーグ終了となり、

結局、このリーグで藤井七段を負かしたのは、

名人と竜王の二名という将棋界のツートップでした。

 

しかも、広瀬戦では、途中不利だった状況を逆転し、

最後は詰みをうっかりして受け間違えていなければ、勝っていたという内容でした。
 

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第66期王座戦(2018年)は後2勝だった!

 

第66期王座戦では、予選を勝ち進み、挑戦者決定トーナメント戦に進出しました。

中村太地王座(当時)への挑戦者を決めるトーナメントでしたが、

このときは、斎藤慎太郎七段が挑戦者になって、

イケメン棋士対決となって将棋ファンの間でも話題になりました。

 

その斎藤慎太郎七段は、準々決勝で藤井聡太七段を破り、

反対側の山から勝ち上がってきた渡辺明棋王に勝ち挑戦者になったのでした。

 

なのでこのとき、藤井聡太七段は、王座挑戦まで後2勝となっていたわけですね。

 

第3期叡王戦(2018年)は後3勝だった!

 

藤井聡太七段は、叡王戦には過去3度の出場のうち、2回本戦進出をしました。

第3期と第4期の叡王戦です。

 

どちらのシリーズでも本戦では1回戦負けとなってしまったのですが、

実は、第3期では、タイトル挑戦まで後3勝となっていたのでした。

 

 

「どうして同じ1回戦負けなのに、第3期だけ後3勝なの?」という疑問が浮かびますね?

もっともな疑問です。説明します。

 

叡王戦が将棋のタイトル戦の一つになったのは、第3期からのことで、

それ以前は、タイトルでない普通の(?)棋戦という扱いでした。

その前までは、将棋界のタイトルは「7大タイトル」であり、

現行の「8大タイトル」という体制(?)になったのはこの、

叡王のタイトルへの格上げによるものだったわけですね。

 

 

では、それが、どうして挑戦者までの勝ち数に影響してくるのかというと、

タイトル戦に昇格した時点では、叡王のタイトル保持者のポジションが空席だったからです。

まあ、一般棋戦時代最後、第2期の優勝者である佐藤天彦名人(当時)を叡王にするというのも自然だった気もしますが、

そうはならず、第3期叡王戦では、本戦の優勝者を次期叡王の保持者とすることになりました。

 

そして、決勝戦まで勝ち上がった棋士2名が、第3期叡王戦の「挑戦者」となり、

決勝戦の舞台で、タイトル争いとしての叡王戦7番勝負を戦う、というやり方でタイトルとしての初代叡王が決められました。

つまり、第3期叡王戦では、決勝進出した2名、高見泰地・現七段と金井恒太六段の、

二人とも挑戦者だったわけです。

これは、竜王戦が新設されたとき以来の、「挑戦者」同士のタイトル戦でした。

 

第4期以降は、予選勝ち上がり人数はそのままに前年の上位陣がシード枠として本戦からの登場であり、

しかも、挑戦者決定戦が3番勝負で行われるようになったことを考えれば、

第3期叡王戦は、挑戦者になるまでの距離が格段に短かったことになりますね。

 

ともあれ、他の本戦進出者も同じですが、第3期の藤井聡太四段(当時)は、

叡王戦挑戦者になるまで後3勝というところまでせまっていたのです。

当時は中学3年生だったことを考えると、驚異的な活躍といえます。

(その後の朝日杯での活躍がさらにすごかったのですが・・・!)

 

ちなみに第4期では、挑戦まで後6勝というところで惜しくも敗退でした。

 

第32期竜王戦(2019年)は後4勝だった!

 

賞金額の高さなどから、将棋界を超えて注目される棋戦、竜王戦。

例年、藤井聡太七段が活躍し、世間の関心もとてもホットですね。
 

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2019年の竜王戦での藤井聡太七段の活躍はこれまで以上のものでした。

いつもの通り、竜王戦の挑戦者決定トーナメントである、決勝トーナメントに進出。

そこから、2連勝しました。

 

なんとその時点で、挑戦者決定3番勝負を含めて、後4つ勝てれば、

竜王戦の挑戦者になり、広瀬章人竜王と7番勝負を戦えるというところまできていたのでした。

 

しかし、その次の相手が、あの豊島将之名人。

ここでも豊島名人が壁となって藤井七段のタイトルへの道をふさぐこととなりました。

 

ただ、それまで勝ってきた相手も、近年の将棋界での活躍がめざましく、

また、トップ棋士も含まれていたのに、破竹の勢いで連勝したことは、

とても大きな実績に違いなく、高校生での竜王獲得が本当に実現してもおかしくないと感じさせました。

 

第90期棋聖戦(2019年)は後5勝だった!

 

藤井聡太七段は、棋聖戦は第89期から参加しています。

第89期では1次予選の決勝で敗退でしたが、

第90期では、2次予選の決勝まで進出しました。

そこで勝てば、棋聖戦の挑戦者決定トーナメントである、

決勝トーナメントに進出となるはずでしたが、

惜しくも敗退。2019年3月11日の対局でした。

 

しかしながら、棋戦戦の2次予選決勝敗退というのは、

棋聖挑戦まで後5勝ということを意味するので、

これもやはり驚異的な戦績だったといえます。

 

現在は、2020年に行われる棋聖戦の挑戦者を決める予選が行われています。

藤井聡太七段は、1次予選を抜けて2次予選に進出、

2019年12月6日現在、勝ち残っています。

次の対局は、北浜健介との2次予選準決勝になります。

つまり、タイトル挑戦まで後6勝ということですね。

2018年度は2次予選決勝で敗退だったので、それより上を目指して、

まずは準決勝をきっちり勝ちたいところですね。

 

その棋聖戦2次予選の北浜健介八段-藤井聡太七段戦の日程は、2019年12月10日(火)です。

 

棋王戦は後6勝だった(2017、2018年)!

 

藤井聡太七段は、3回の棋王戦出場のうち、

第43期と第44期(2017年と2018年)では、

予選を勝ち上がり、挑戦者決定トーナメントに進出しています。

 

それぞれ、豊島将之八段(当時)と菅井竜也王位(当時)に1回戦で負かされてしまいました。

 

予選勝ち上がり組の場合、棋王戦挑戦者決定トーナメントで

挑戦者になるには、最短の場合だと6連勝が必要です。

なので、藤井聡太七段は、棋王戦は後6勝でタイトル挑戦者になるところまでいったことがあります(しかも2回!)。

 

ちなみにその後の第45期では、予選第8ブロックの決勝で敗退しており、

挑戦者決定トーナメント戦には進めませんでした。

 

第61期王位戦(2019年)はリーグ入りなるか?

 

藤井聡太七段の王位戦参加歴は、第59期からになります。

 

第59期では予選の準決勝で敗退でしたが、これは、

後2勝でリーグ入りというところまで進んだことを意味します。
ですが、続く第60期では、なんと1回戦で負けてしまいました。

 

 

第61期で、これまでよりも先へ進めるかに注目です。

2019年12月5日現在進行中の、第61期王位戦予選では、

第59期と同じ準決勝まで進んでいます。

準決勝の対戦相手は2019年4月デビューの出口若武四段です。

 

出口四段の方も、後2回勝てれば1年目の新四段にして

挑戦者決定リーグ戦に入るという快挙となるので、

このチャンスをものにしたいところ。

若手同士の熱い戦いになりそうです・・・!
 
【2019年12月18日追記】 藤井vs出口戦の結果については、まとめの一つ前に書いておきましたのでご参照ください。
【2019年12月28日追記】 2019年12月27日、藤井七段は、王位戦の挑戦者決定リーグに進出を決めました!
 

ところで、この時点で、王位のタイトル挑戦までどのくらいなのでしょうか?

王位リーグは紅組と白組の二つに分かれていて、一方のリーグでトップの成績を挙げてから、

もう一方のリーグのトップと挑戦者決定戦として対局(1局)する仕組みになっています。

だいたい、リーグで5戦のうち4勝すればトップになれて、さらに挑戦者決定戦を勝てば挑戦者になれるのですが、

プレーオフになることもあるので、一つ増えるかもしれません。

なので、リーグ進出後に5から6勝が必要です。

ということで、予選と合わせて、王位挑戦まで7から8勝といったところであると考えられます。
 

名人挑戦までは長い道のり

 

どんなに強い新人棋士が現れたとしても、

名人というタイトルだけは、すぐにはとれません。

プロ将棋界の制度上、名人獲得には、5年はかかるような仕組みになっているので。

 

というのは、順位戦というクラス分けされたリーグ戦で、昇級していかなければならないからです。

順位戦のクラスは、上から順に次の通りです。

 

  1. A級
  2. B級1組
  3. B級2組
  4. C級1組
  5. C級2組

 

藤井聡太七段にしても、2019年度はC級1組、下から2番目のクラスにいます。

ここからさらに3つ昇級してA級棋士になり、そこでトップの成績をとることで、

はじめて名人戦の挑戦者になることができるという、果てしない話なのです。

 

ただ、2019年12月6日現在、単独トップであり、昇級の可能性も高いです。

C1からB級2組への昇級がかなえば、その勢いで2020年度以降も、

さらに上へと登っていく可能性は十分にあるでしょう。

 

ただし、B級にも強い棋士がいる上、A級棋士というのはさらにその上の将棋界の頂点であり、
A級昇級、名人挑戦・獲得までの間にさらに厳しい洗礼があっても不思議はありません。

あの加藤一二三九段でさえ、A級までは順調だったものの、名人位を奪取するまでには時間がかかっています。
 

【追記】第61期王位戦予選決勝進出

 
【この節は、2019年12月18日に追加したものです。】
 
第61期王位戦予選第7ブロック準決勝の藤井聡太七段vs出口若武四段戦は、
2019年12月17日(火)に行われ、藤井聡太七段の勝ちとなりました。
これにより、藤井七段は王位戦予選決勝に進出となりました。
 
 
王位戦のリーグ入りまで、残り一つですね!
予選決勝の対戦相手はすでに決まっていて、斎藤慎太郎七段です。
王座1期獲得経験のある、元タイトルホルダー。
しかもも糸谷哲郎八段という強敵をやぶっての進出なので、かなりの強敵といえます。
 
いうなれば、タイトルまでの道のどこかで、超えていかなければならない壁というべき存在。
これはとても楽しみな展開になってきていますね・・・!
 
【2019年12月28日追記】 斎藤慎太郎七段にも勝利し、藤井聡太七段は、王位リーグ入りを果たしました!
 

まとめ

 

 
藤井聡太七段が、各タイトル棋戦で、挑戦まで後どのくらいの距離までいったのかについてまとめてみました。
8大タイトル戦のどれかで挑戦になるのは、もう時間の問題なのかもしれません。
 
ただ、羽生世代やそれに近い世代の棋士たちがまだまだ強く、
30代、20代の棋士たちも藤井七段に負けないくらいの勢いや実績があるようです。
 
タイトルまでの道には、まだまだ厳しい関門があるはずなので、温かく見守っていきたいですね。
特に、名人への道である順位戦に対しては、長い道を一歩一歩進んでいっているわけで、
観ているこちらにまで重みがひしひしと伝わってくるように思われ、
将棋界の歴史が動いていく様子を目の当たりにしているのだと、身の引き締まる思いです。
実際、順位戦に関しては、人々は格別な関心をもっているような感じもします。
 
藤井聡太七段の将棋には観る者を感動させるものがありますし、
今後の展開と合わせて、将棋ファンには楽しみなことがたくさんありますね(^^)。
 

 

 

 

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