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2020年度の第14回朝日杯将棋オープン戦の本戦トーナメント(2021年1月16日開幕)。
その日程や対戦カード、対戦結果などを、随時更新でまとめていきます。
前回は準決勝で敗退した藤井聡太二冠が、以前のようにまた優勝するかなどの点で、注目ですが、どうなっていくのでしょうか?
第14回朝日杯のシードについての記事もあります => 第14回朝日杯将棋オープン戦本戦シード枠出場者と予選免除理由|2021
ちなみに、1/17までの時点では、シード棋士たちが二回戦に進んでベスト4を争っていますね。
目次(もくじ)
2021年1月16日(土)に始まった、第14回朝日杯。
その日程・開催場所は、次の通りです。
日程 | 場所 | |
名古屋対局 | 2021年1月16日(土)・17日(日) | 名古屋国際会議場 |
東京対局 | 2021年1月21日(木) | シャトーアメーバ |
東京対局 | 2021年1月29日(金) | シャトーアメーバ |
準決勝・決勝 | 2021年2月11日(木) | 東京・有楽町朝日ホール |
ちなみに、準決勝と決勝が行われる2月11日は木曜日ですが、建国記念の日で祝日です。
あと、シャトーアメーバ(Chateau Ameba)というのは、AbemaTVの会社、サイバーエージェントの所有するスタジオだそうです。
東京の渋谷区にあります。「炎の七番勝負」も、ここで行われましたね。
情報源は、朝日杯の公式サイトです。
名古屋対局の出場者と対戦組み合わせをチェックしましょう。
1月16日の午前中の10時からの対局(一回戦)は、次のカードでした。
それぞれ、先手の永瀬拓矢王座、後手の渡辺明名人が勝利し、
ベスト8に進出しました。
戦型は、どちらも「相掛かり」でした。
銀を繰り出して攻める永瀬拓矢王座の飛車を、
佐藤伸哉七段が押さえ込めそうな展開になりましたが、
お互いが相手陣につくった馬の働きの差が大きく、
最後は永瀬拓矢王座が大差で勝ちました。
野月浩貴八段が「UFO銀」に構えてから、
やがてお互いが金銀を盛り上げていく展開に。
野月八段が敵陣に攻め込んだようでしたが、
後手の一段目にいた飛車が4筋に展開して急に働き始めたあたりから、
一気に目に見えて渡辺名人が有利になり、最後は即詰み。
午後の14時からの二回戦は、次の組み合わせとなりました。
結果は、渡辺明名人の勝利。一人目の準決勝進出者は、渡辺名人となりました。
角換わり相腰掛け銀の戦型で、激しく難解な将棋でした。
途中から、後手の永瀬王座の玉がずっと中段にいましたが、
得意の入玉ができる展開にはならず、最後は即詰みに討ち取られました。
1月17日は、午前中(10時から)の対局は、次の組み合わせとなります。
そして、この二つの対局の勝者が、午後2時からの二回戦で戦うことになります。
どんな組み合わせになってもおかしくないとは思いますが、
やはり、豊島vs藤井の公式戦対局を観たい、
今度こそ藤井二冠が勝つのかな、と、ついこのカードの実現の可能性に注目してしまいますね。
そして、ここでの勝者が、準決勝で渡辺明名人と当たることになります。
午前10時からの対局は、藤井聡太二冠と豊島将之竜王が勝ち進みました。
豊島先生は、竜王の他に叡王も持っていますので、二冠同士の対決となったわけですね。
大石直嗣七段と藤井聡太二冠の対局は、大石七段が角道を止めた中飛車にしました。
もちろん、対する藤井二冠は居飛車でした。
飯島栄治七段と豊島将之竜王の対局では、後手の飯島栄治七段が横歩取りの戦型に誘導。
先手の豊島竜王は、横歩をとった後、68玉としたので、「勇気流」という戦法ですね。
午後の対局の戦型は、角換わりでした。
豊島竜王が先手、藤井二冠が後手です。
豊島竜王が投了し、藤井聡太二冠が、第14回朝日杯準決勝に進出となりました。
次の相手は渡辺明名人、今期朝日杯最終日の2月11日の午前に対局です。
1月21日の朝日杯本戦の対局は、次の通りです。
元タイトルホルダーの木村九段、三浦九段に、朝日杯優勝経験者の阿久津八段が登場しますね!
そして、船江恒平六段も、有力な中堅若手棋士ですね。
この中の誰がベスト4に進出しても、最終日が盛り上がることは間違いないでしょう。
2021年1月21日の一回戦の対局は以下のカードでした。
午前10時から行われた木村vs船江戦についてですが、
先手が木村九段、後手が船江六段で、戦型は横歩取り戦法でした。
定跡通りに先手が横歩を取った手に対して、後手は42玉、これに対して先手が24飛とし、
後手から角交換して33角。これに先手も強気に応じた結果、いきなり激しい戦いになりました。
しかし、先手が15角といううまい手が出て、後手の攻めをいなしたようにみえます。
最後は、後手を即詰みに討ち取りました。
三浦vs阿久津戦は、午後二時から行われました。
先手が阿久津八段、後手が三浦九段でした。戦型は、角換わり。
先手は玉を68、79に、後手は玉を42から31、22にもっていき、囲いとしては昔からあるものになりました。
先手が4筋の歩を突き越し、後手は飛車を6筋に(右四間のように)もっていったあたりは、現代風といえるでしょうか?
結局、先手が飛車を29地点に配置し、角を46に据えたことで、
後手から38銀から47銀成とした手が、6筋からの飛車を中心とした攻めを強力にサポートして、
先手陣を一気に突破しました。
先手も手順に角を5筋に移して後手玉の「コビン」をにらみつつ後手陣に迫るも、
最後は角を外されてしまい、受けきれない格好になり、後手が勝利。
勝って二回戦に進出した木村九段と三浦九段が、ベスト4をかけて午後7時から対局。
先手が三浦九段、後手が木村九段でした。
戦型は相懸かりで、飛車先の歩の交換をすぐにはせずに保留する、現代風の序盤でした。
結局、後手の木村九段の方から先に飛車先を交換しました。
お互いの角のききがぶつかったままの状態で、先手が77角と上がる手や、
先手36飛、後手33金という、「縦歩取り」のような形も現れるなど、面白い駒組みとなりました。
先手は、飛車をぶつけて飛車交換をせまったり、桂頭攻めを行ったり、積極的に動いていき、
途中、角交換になるかと思ったら、先手は後手の角をとりかえさずに無視して桂馬をとりつつ、と金をつくりました。
この後も、後手の馬が効いているところに先手が飛車をもってきて、交換になったりしましたし、印象的な飛車の使い方がたくさんみられた将棋だったと言えそうですね。
先手が後手の駒を押さえ込みつつ、後手玉にどんどんせまっていったので、
受けの達人である木村九段でも、粘りきれず押し切られてしまったという感じでしょうか。
三浦九段が勝利し、ベスト4に進出となりました。
最後のベスト4をかけた対局は、1月29日に行われます。
元名人の佐藤天彦九段、タイトル獲得経験者で朝日オープン将棋選手権(朝日杯の前身)で優勝したこともある深浦康市九段、朝日杯前回優勝者の千田翔太七段が登場ですね。
一方、西田拓也四段は、藤井聡太二冠よりも後にデビューした若手棋士の一人。
一次予選では畠山鎭八段、二次予選では斎藤慎太郎八段、澤田真吾七段といった強豪を破って本戦に進出してきました。
2021年1月29日は、まず、午前10時に一回戦の千田翔太七段vs西田拓也四段が行われました。
先手が千田七段、後手が西田四段で、戦型は、居飛車と振り飛車の対抗形でした。
後手の西田四段が、角道を止めるノーマル三間飛車で、先手の千田七段が左美濃というでだし。
後手が、「藤井システム」のように銀をどんどん前に繰り出していったので、
先手は歩を守るために「銀冠」に構えました。
一方の後手は美濃囲い。
先手は飛車先を交換して桂馬をとりつつ馬をつくり、後手の飛車を抑え込むことにも成功。
しかし、一方の後手も、先手の銀をとりつつ馬をつくり、自陣の飛車で先手の飛車の侵入を防ぎます。
先手の飛車の居場所が狭くなってしまい、捕まってしまいます。
そこから飛車による横からの攻めと端攻めで先手玉が追い詰められ、最後は即詰み。
後手の西田四段の勝ちとなりました。
第14回朝日杯将棋オープン戦準決勝は、
午前10時からの、渡辺明名人(名人・棋王・王将の三冠)vs藤井聡太二冠(棋聖・王位)戦と、
三浦弘行九段vs西田拓也戦でした。
結果は、それぞれ、藤井聡太二冠、三浦弘行九段の勝利でした。
午後2時からの決勝戦は、藤井二冠vs三浦九段の対戦となりました。
これにより、藤井二冠は朝日杯3回目の優勝。
高校3年生にして、もう3回目の優勝というのは、驚愕ですね!
第14回朝日杯の対局日程、対戦カードについてでした。
【注】以下は、記事の投稿当時のまとめになります。
まずは、渡辺明名人という、大本命といえる人物がベスト4入りを決めました。
有力な対抗馬は、やはり豊島竜王か藤井二冠といったタイトルホルダーだと思いますが、
果たして誰がベスト4にいき、準決勝で渡辺名人と争うことになるでしょうか。
一方、渡辺名人や藤井二冠らとは反対の山からも、
木村一基・元王位や佐藤天彦・元名人を始め、
注目の棋士たちが登場してきます。
また面白い将棋や、ドラマティックな展開が観られるのでしょうね。