阿部隆vs羽生善治の2002年度竜王戦について調べてみた

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2018年3月1日竜王戦5組ランキング戦で藤井聡太六段と対戦する阿部八段。

過去には竜王戦に挑戦した実績があります。

 

 

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阿部隆八段は2002年度に羽生竜王に挑戦

 

阿部隆八段は過去に、竜王戦7番勝負の大舞台に登場したことがあります。

当時阿部先生は七段で、相手は羽生善治先生でした。

 

挑戦者決定戦で勝ってきた相手

 

阿部隆七段(当時)は、竜王戦本戦で棋聖と王将のニ冠だった佐藤康光先生を含む強敵に勝利して挑戦権を獲得しました。
佐藤先生に続き、前の年の竜王であった藤井猛先生にも勝って決勝進出を決めました。
挑戦者決定3番勝負では、中田宏樹七段(当時)と戦いました。

 

佐藤康光、藤井猛、森内俊之、森下卓、木村一基ら、有力棋士たちがいる中、阿部-中田による決勝となったことを、「ダークホース」同士の対決とみる向きもあったようです。

しかし、彼らを知る棋士にとってはそうではなく、「おりがみつきの実力者同士の決勝戦」だったようです。

 

3番勝負はフルセットの末に阿部七段(当時)の勝利となり、2年越しで藤井猛先生から竜王を奪取した羽生先生への挑戦となりました。

 

阿部七段(当時)と羽生竜王との7番勝負

 

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羽生竜王との番勝負は、フルセットまでもつれこみました。

 

台湾開催の初戦は2度の千日手による引き分け

 

なんと初戦は、2回も千日手になり、無勝負となったそうです!

本来の第2局が開催される予定だった日に、改めて第1局が戦われました。

 

「8番勝負」とでも呼べばよいのでしょうか?

2日制のタイトル戦では初めての事態だったそうで、この意味でも歴史に残るタイトル戦でした。

 

 

ちなみにこの開幕局は台湾で開催されました。

竜王戦の開幕局は海外で行われることもあるのでしたね。その一例ですね。

台湾における将棋普及に関しても、興味深い話がありそうですので、機会があればどこかで扱いたいですね^^

 

7番勝負では、挑決戦で負けた側をもって指したことも

 

当時の雑誌を読むと、阿部隆先生の将棋は信念ある大胆な将棋であることがわかりました。

 

阿部隆先生は、挑戦者決定3番勝負で勝った将棋と同じ局面を、竜王戦7番勝負では負けた側(中田七段側)をもって指しました。

将棋世界には、この大胆な作戦選びに対して、「これは挑発か」と書かれていました。

 

 

自分が以前に指した将棋と同じ局面を、逆を持って指すということは意外と結構あることはあるものだと思います。

しかし、相手もチェックしているに違いない直近の挑戦者決定戦でやった将棋で逆をもつのいうのは、確かに大胆不敵ですね。

しかも羽生先生相手にこれをやるというのは、中々肝がすわっています。

 

阿部隆七段(当時)の将棋に対する信念

 

熱心なファンの方は、棋士によっては、将棋に対して、ある種の美学や信念をもっていることをご存じかと思います。

有名なのは郷田先生ですね。ただ手数をのばして粘るだけの将棋は嫌うそうです。

ちなみに叡王戦のタイトル戦に登場する金井先生は、郷田美学をリスペクトしているそうです。

 

阿部隆先生もまた、将棋への信念をもった棋士であることが今回調べてみてわかりました。

 

羽生-阿部の竜王戦の観戦記を担当した中川大輔先生に局後、「こんな手はどう?」というような質問をされた阿部先生。

返答は、「こんなのは将棋の手じゃない」というようなものだったそうです。

 

阿部先生は、「筋のいい手」や「本筋の手」を好む棋士で、たとえ局面を難解にできる可能性があっても、本格的でない手は嫌うようで、上記のような発言もそうした傾向が反映されています。

 

 

将棋には全く逆の美学もあると思いますし、どのようなスタイルの将棋を支持するかは、ファンによっても違います。

筋が悪くても粘り強い将棋や、難解な勝負にもっていこうとする将棋なども、魅力的だと思います。

 

しかし、信念をもって自分の美学を実行しようとする阿部隆先生の姿勢は、大変魅力があり、格好良いと思います。

 

 

阿部先生の将棋についてまとめると。自分の判断を信じて、ときに大胆に、そして終盤の決め手は的確に、本格的で筋のいい手を指していく将棋であるといえそうです。

そして阿部先生は、信念だけでなく、観戦記でも高く評価された将棋の才能「棋才」も存分に発揮して番勝負を堂々と戦い、羽生先生をあと一歩まで追いつめたのでした。

 

阿部挑戦者は第3局でホワイトチョコを注文

 

これはあまり重要ではないかもしれませんが、阿部先生は第3局の対局中、開催地の名物のホワイトチョコレートを頼んだそうです。

開催場所であった北海道の旅館「ホテルメビウス」のゲレンデに積っていた白雪を思わせるホワイトチョコ。美味しそうですね。

 

第1局、第2局と連敗してピンチに陥っていた阿部挑戦者。

この名物のホワイトチョコに元気をもらったおかげか、番勝負の初白星をあげることができました。

 

ちなみにこの第3局では阿部先生は、得意戦法で挑戦者になった原動力でもあった横歩取り85飛車戦法「中座飛車」を採用しました。

得意な戦型で勝てたことで、番勝負の流れをかえることができたのでしょうか。その後羽生竜王に3連勝してカド番に追い込みました。

 

この羽生-阿部の竜王戦では他にも、阿部先生が終盤、ミネラルウォーターを注文したことで空気が変わって阿部先生の勝利につながったと観戦記に書かれた対局もありました。

周りに流されることなく、自分をしっかりもつことで、空気や流れを自分に有利な方にもっていくことができる、そういう強みが阿部先生にはあるのかもしれませんね。

 

まとめ

 

いかがでしたか?

今回は、阿部隆八段の過去の竜王戦挑戦に関して書いてみました。

 

羽生先生と阿部先生の対決は将棋の内容自体も面白く、さらには阿部先生の将棋への信念や大胆さなどが当時の観戦記などから伝わってきます。

竜王戦の舞台で名勝負を戦った阿部隆八段が今回、藤井聡太六段との対局の中継で再び注目されるというのは、とてもうれしいことですね^^

 

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