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2018年11月26日(月)、第68期王将戦の挑戦者決定リーグの最終局が一斉に戦われます。
11月のライオンとも呼ばれる(?)王将リーグの最終局を前に、状況を整理してみましょう。
【参考ページ(外部リンク): 「11月のライオン」の雄叫びに注目を 王将戦挑戦者21日に決定】
挑戦者が誰になるか、また、リーグの陥落者が誰になるか、最終局前の時点でどこまで決まっているのかを書きます。
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目次(もくじ)
王将戦挑戦者決定リーグは、文字通り、王将戦に挑戦する棋士を決めるリーグです。
最終局の結果によって、誰が陥落するか、また、プレーオフになる場合どうなるのか、を知るためには、王将リーグのルールを把握する必要があります。
王将戦の挑戦者決定リーグに参戦するのは、7名の棋士たちです。
そのうち、4名は、前期の王将リーグで陥落せずに残留した棋士と、前期の7番勝負に出場した棋士(挑戦者と前期の王将のうち、7番勝負に敗れた方)です。
残りの3名は、王将戦の2次予選を勝ち上がった棋士たちです。
王将リーグには、順位戦と同様に順位があります。
7番勝負に出た棋士はもちろん順位1位です。
それ以外の、前期にリーグ残留した棋士たちは、2位以下、前期の成績順に順位がつきます。
これで1位から4位までの順位がつきましたね。
2次予選勝ち上がり組の棋士たちは、同率で5位の順位です。
順位戦と違って、同率があるのが特徴的ですね。
王将戦に挑戦するのは、王将リーグで一番多く勝った棋士です。
でも、もしもリーグトップ成績の棋士が2人以上いたらどうなるのでしょうか?
名人挑戦者を決めるA級順位戦では、そのような場合、プレーオフが行われるのでしたね。
王将戦でもそういう場合は、やはりプレーオフになります。
でも、A級順位戦の場合と、少し違いがあります。
王将戦のプレーオフは、リーグ成績トップ棋士のうち、順位で上位2名の棋士、という原則があります。
ですので、勝ち数でトップだったとしても、順位が下位の棋士は挑戦者決定プレーオフに参加できない、ということもありえます。
ところで、「原則」というのはどういうことなのでしょうか?
これは、次のような意味だと思います。
上で書いたように、王将リーグの下位陣は、順位でいうと同率5位です。
リーグの成績トップの棋士のうち、4位以上の棋士が1名のみで、5位の棋士が2名いたら、どうなるでしょうか?
順位で上から2番目まで、という条件だと、2名に絞ることができません。
なので、この場合は公平に(?)、3名でのプレーオフになるはずです。
王将リーグでは、成績下位の棋士たちは、リーグに残れません。
次期王将戦でリーグに参加するためには、2次予選を価値上がらなければならなくなります。
リーグ順位のところでの説明からもわかるように、そのような棋士は、3名です。
陥落しても、また予選を勝ち上がり、次期リーグに参戦する棋士もいたりします。
さて、それでは、勝敗の状況を確認し、挑戦や陥落について整理しましょう!
まず、最終局の一局前、いわばラス前が終了した時点での勝敗をチェックします。
なんと、最終局を前にした段階で、2敗の棋士がたくさんです!
このうち、広瀬八段は、最終局が「手空き」、ラス前の時点でリーグの対局を終了しています。
しかも面白いことに、最終局では、この2敗の棋士たち同士が当たります。
次のような組み合わせです。
重要なポイントは、2敗同士で星をつぶし合う事実だけでなく、5位の佐藤名人と3位の糸谷八段が当たるという点ですね。
最終日の一斉対局がどのような結果になっても、リーグトップの成績は4勝2敗であることには変わりありません。
ですので、すでに挑戦権争いは、プレーオフになることが確定しているわけですね。
でも、それだけではありません。
もしも佐藤名人が糸谷八段に勝てば、上で書いたような状況が実現するのです。
つまり、「上位2名」の原則通りになるのではなく、3名でのプレーオフになるはずです。
その場合は、豊島-渡辺の勝者と、佐藤名人、広瀬八段の3名でのプレーオフになります。
前日に羽生竜王との竜王戦第4局の勝利を決めた広瀬章人八段ですが、それに続き、他力とはいえ王将戦挑戦プレーオフへの出場を決めることができるかもしれません。
そうなれば、非常に嬉しいでしょうね^^
竜王戦も他の棋戦も含め、今後勢いがつきそうですね!
また、王将戦の挑戦者争いは、王将戦7番勝負が関西棋士同士の対決になるか、または関西-関東対決になるか、という点でも興味深いです。
【参考ページ 斎藤王座誕生で将棋界の関西勢が26年ぶりの四冠ってどういうこと?】
王将リーグを陥落してしまう棋士ですが、すでに2名が確定しています。
郷田真隆九段(順位2位)と中村太地七段(順位5位)です。
郷田九段は元王将、中村七段は王座を失陥したばかり。
ともにとても残念な結果ですね。
「棋界のプリンス」と「東の王子」。
今回の王将リーグは王子たちが去っていきますね。。。
そういえば、前期のリーグでは、「西の王子」斎藤慎太郎七段(当時)が陥落してしまっていました。
それでは、残りの1名の陥落者は誰になるでしょうか?
それは、最終局に敗れて3敗となった棋士の誰かになります。
(ということは、もちろん、勝てば陥落なしです。)
1位の豊島二冠は安泰です。
3位の糸谷八段は、佐藤名人に負けた場合、豊島-渡辺戦の結果次第で、渡辺棋王が勝てば陥落です。
4位の渡辺棋王は、豊島二冠に負けた場合、佐藤-糸谷戦で佐藤名人が勝てば陥落です。
5位の佐藤名人は、糸谷八段に負けたら3敗となり、順位の関係で陥落になります。
【おすすめ】=>藤井聡太二冠の王将戦のこれまでの戦績・対戦相手【まとめ】
第68期王将戦挑決リーグの最終一斉対局を前に、状況について書きました。
結果が出るのが待ち遠しいですね!
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