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2018年11月27日(火)、第44期棋王戦の挑戦者決定トーナメントの敗者復活戦が行われます。
対戦するのは黒澤怜生五段と三浦弘之九段です。
いよいよ大詰めとなって盛り上がりをみせる棋王戦挑決トーナメントですが、棋王戦ってちょっとシステムが複雑ですよね(汗)。
そこで、第44期の挑戦争いの状況を整理するついでに、棋王戦の挑戦者争いの仕組みをみておきましょう!
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目次(もくじ)
棋王戦の本戦である挑戦者決定トーナメントは、中々に複雑な形をしています(笑)。
竜王戦の決勝トーナメントもそうですが、棋王戦はトーナメント表自体が大きい分余計に難しく感じますよね。
下の方も、シードとかのあたりが興味深いですが、今回は、挑戦者決定に関わる上の方を注目しましょう。
将棋連盟のサイトなどで棋王戦挑戦者決定トーナメントのページをみるとわかるように、2つのトーナメントがくっついた形をしています。
一つは、予選を勝ち上がった棋士や予選免除棋士からなるトーナメントで、棋王挑戦を目指す棋士は皆まずこのトーナメントで戦います。
もう一つのトーナメントは、敗者復活戦で、一つ目のトーナメントで上位までいったものの惜しくも負けた棋士が出場します。
敗者復活戦に出場するのは、3名の棋士です。
最初のトーナメントで、ベスト4まで勝ち進んだ棋士のうち、優勝者以外が敗者復活に回ります。
敗者復活戦は、パラマス方式のようになっていて、初めのトーナメントで準優勝した棋士がシードされています。
準決勝で負けた2名の棋士がまず戦って、その勝者が準優勝の棋士と戦います。
敗者復活のトーナメントを優勝した棋士は、もとのトーナメントの優勝者と戦います。
これが挑戦者決定戦となります。
棋王戦の挑戦者決定戦は、番勝負です。
タイトル戦でなく挑戦者決定戦の段階で番勝負という点では、竜王戦に似ていますね。
ただし、棋王戦の番勝負はちょっと特殊です。
「変則2番勝負」という方式です。
出場者の片方は、敗者戦の勝者なので、不利な条件を強いられます。
敗者復活でない棋士は、1勝すれば変則2番勝負の勝者となって挑戦権を獲得します。
それに対して、敗者復活側の棋士は、2連勝しなければ挑戦者になりません。
ですので、復活側は、1勝しても油断ができません。
蛇足ですが、2番勝負というネーミングは、番勝負が最大で2回までだからですね。
第44期棋王戦挑決トーナメントで、ベスト4進出を決めた棋士たちは、誰でしょうか?
なんと、第43期にもベスト4進出した棋士が3名もいます!
三浦弘行九段、佐藤天彦名人、そして黒澤怜生五段です。
この3名はいずれも第43期は敗者復活組でした。
黒澤五段は、敗者復活戦1回戦で佐藤名人、2回戦で三浦九段を下し、挑戦者決定戦に進出しました。
永瀬拓矢七段相手に変則2番勝負の初戦で勝ちましたが、その次の対局で負けてしまい、惜しくも挑戦に至りませんでした。
そのとき勝って挑戦者となった永瀬七段は渡辺棋王との番勝負で素晴らしいファイトをみせました。
黒澤五段は、第44期では、佐藤名人に敗れたため、第43期と同じ敗者復活組に回りました。
第43期と同様に2連勝すれば、また変則2番勝負に出られます。
相手は三浦九段です。
三浦九段も、2018年は、第89期棋聖戦の挑戦者決定戦に進出するなど、またタイトル戦に出てきそうな勢いを感じます。
棋戦戦は豊島八段(当時)に敗れ、番勝負進出はなりませんでしたが。
それだけに、棋王挑戦に向けて、ご本人もかなり気合が入っているのではないかと思います。
ベスト4のあと1名が誰というと、広瀬章人八段です。
広瀬八段と佐藤名人で、勝った方が変則2勝負進出を決め、負けた方が敗者復活組のシード枠にまわります。
こちらもどのような展開になるか楽しみですね。
広瀬八段は、2018年11月26日(月)の王将戦最終局の結果次第では、王将挑戦の目もあったのですが、結局挑戦の可能性はなくなりました。
他力によるプレーオフ進出の可能性とはいえ、挑戦への道が閉ざされた無念を、棋王戦で晴らしたいところですね。
一方の佐藤天彦名人ですが、実は、4年連続で棋王戦トーナメントのベスト4入りしています。
しかも、第41期は挑戦者でした。そのときは渡辺棋王に1勝3敗で負けました。
そろそろまた棋王に挑戦して、3年前の雪辱を晴らしたいところかもしれませんね!
なお、佐藤名人が負けて敗者復活組にいった場合は、敗者組が2年連続で同じ顔ぶれになるという面白いことになります。
しかも、黒澤五段は第43期のときは三浦九段に負けて敗者復活戦にいったあと、2回戦で三浦九段にリベンジして変則2番勝負に進出しました。
今度は、三浦九段と佐藤名人を入れ替えて(?)、同じことが起こるかもしれません。
どういうことかというと佐藤名人に負けて敗者復活側にいった黒澤五段が、2回戦で佐藤名人にリベンジを果たすという形で変則2番勝負に進出するかもしれないのです。
もっともこれは、黒澤五段が三浦九段に勝って、広瀬八段が佐藤名人に勝った場合の話です。
実際にそうなるか、現実にはどういうドラマが起こるのかは、誰にもわかりません^^
今回は、棋王戦の挑戦者決定権争いに関して書きました。
敗者復活がある点、挑戦者決定戦が変則的な番勝負である点が特徴的ですね。
第44期で最も注目すべきなのはやはり、A級以上の強豪棋士ばかりのベスト4陣の中に、黒澤五段という若手棋士が入っているという点ですかね。
解説でも好印象の黒澤先生は、今後も是非注目していきたい若手有力棋士です。
もちろん、他のベスト4棋士たちにも、それぞれに、思うところがあって、熱い戦いとなるでしょうから、そのあたりも注目してあげてください^-^
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