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2018年10月30日、王座戦5番勝負に勝って、斎藤慎太郎新王座が誕生しました。
これにより将棋界では、26年ぶりに「関西が四冠になった」そうです。
って、どういう意味??
そう思った方のための解説を書きます。
また、以下を読むと、26年前、関西将棋界時代が隆盛を誇っていた時代、誰が棋界の頂点に君臨していたのか、
また、今後東西対決となる可能性のあるタイトル戦について、情報が得られます。
目次(もくじ)
まず、斎藤新王座誕生時点での将棋界の頂点についてみておきましょう。
タイトルホルダーは、次の通りです。
だいたい序列順になるように並べたつもりですが、少し自信ありません(笑)。
現在関西所属の棋士は、豊島二冠と久保王将、そして新たにタイトルをとった斎藤王座で、
関西にタイトルが4つあることになります。
「関西勢が四冠」という若干わかりにく表現は、
関西棋士たちが計4つのタイトルをもっているというこの状況を表しているのです。
人数でいえば、関東4に対して関西3ではありますが。
ただ、佐藤名人も九州出身ですので、もとは関西だったんですよね。
余談ですが、九州出身のタイトル経験者といえば、深浦九段もそうですね。
このように状況はいろいろ複雑ですが(笑)、関東と関西で8大タイトルを半分ずつ分け合うという、拮抗した状態です。
では、26年前の、「関西が四冠」だった時代というのは、どのような状況だったのでしょうか?
1992年当時の将棋界の勢力図は、次のような感じでした。
なお、谷川先生はこのとき四冠でしたが、竜王を含むので、「谷川竜王」と呼ばれていたと考えられます。
福崎先生の王座は、谷川先生から奪取したものでした。
また、当時は棋聖戦は1年に2度開催されていましたが、1992年の2度目の棋聖戦も谷川先生は防衛されています。
こうしてみるだけでも、色々楽しいですね^^
さて、この時点で関西勢はなんとタイトルを5つ保持していました!
7大タイトルのうちの5つなので、関西が圧倒的に優位だったことになりますね。
ちなみに谷川先生が王将戦で、あの村山聖九段(当時は六段)の挑戦を受けたのもこの1992年度のことでした。
番勝負の中で、村山先生が指した手は、語り継がれているようです。
ただ、関西勢の隆盛は、1992年のうちに、関東勢によって脅かされました。
タイトルの入れ替わりがあり、次のようになりました。
さきほどとの違いはというと、
谷川竜王(当時)が、四冠から三冠に後退。
そして、福崎先生が王座を奪取されています。
谷川先生から王位を奪取したのは郷田真隆先生でした。
郷田先生は、四段でタイトル挑戦・獲得したことで知られますが、それがこのときだったのですね。
一方、福崎先生から王座を奪取したのは羽生棋王(当時)でした。
これにより、羽生ニ冠となったわけです。
その後羽生先生は大活躍し、1994年には六冠達成そしてさらに1996年2月14日に、七冠制覇を果たしました。
こうしてみると、谷川先生を中心とした関西勢の四冠、五冠時代は、羽生を中心とした羽生世代がタイトルを独占するようになる時代の幕開け前の出来事だったといえます。
その後、関西勢としては、谷川先生よりも若い世代である久保先生(世代でいうと羽生世代に近い)や、さらに下の糸谷先生がタイトルを獲得する活躍がありましたが、関東勢が優位な状況が続いていました。
そんな中でも、久保先生が郷田先生から王将を奪取し、
さらに「無冠の帝王」となりつつあった豊島先生が、羽生先生から棋聖を奪取した勢いで、
羽生先生から王位を奪取してタイトルホルダーとなった菅井先生から王位を奪取することで、ニ冠にのぼりつめ、
その上、豊島先生の1年前に羽生先生の棋聖に挑戦したものの敗れた斎藤先生が、羽生先生から王座を奪取した中村先生から王座を奪取したことで、
関西勢のもっているタイトルの総数が4となりました。
何気なく書いていますが、私たちは、将棋界の歴史が大きく動こうとしている時代をみているのかもしれません。
それにしても、羽生先生、強い若手との戦いで大変ですね^^
将棋界の東西対決、中々白熱していて面白いですね。
いや、これからが本番なのかもしれません。
東西対決が実現しそうな棋戦がありますからね!
将棋のタイトル戦は、2018年11月現在の時点では、竜王戦が開催中で、王将戦と棋王戦が挑戦者が絞れてきて、もうすぐ決まりそう、という感じです。
それと、名人戦の挑戦者決定リーグでもあるA級順位戦も、すでに後半戦に入っています。
関西勢である久保王将への挑戦をかけて王将リーグが戦われています。
残り2回戦です。
挑戦に最も近いのは、1敗の糸谷八段と佐藤名人ですね。
関西勢と関東勢です!
最終日に直接対決があります。
自力の目があるのは、この2名だけで、他の2敗組は、2敗キープして他力でのプレーオフの可能性にかけたいところ。
2敗は、豊島二冠と渡辺棋王と広瀬八段です。
こちらも、関西勢と関東勢、両方いますね!
ただし広瀬八段は最終局が手空きで、ラス前も終わっているので、すでに成績確定しています。
挑戦者が、佐藤・広瀬・渡辺の誰かになれば東西対決実現で、糸谷・豊島のどちらかであれば関西のトップ棋士の覇権争いになります。
どう転んでも面白そうですね!(笑)
「11月のライオン」とも呼ばれる王将リーグ最終局は、11/26(月)に行われます。
結果が楽しみですね^^
渡辺棋王への挑戦権を争う棋王戦挑戦者決定トーナメントも、挑戦者がかなり絞れてきています!
ベスト4に勝ち残っているのは、佐藤名人、三浦九段、広瀬八段と、黒澤五段です!
前期に続いて若手有力棋士・黒澤五段が上位陣に入りました。
前期、永瀬七段との変則ニ番勝負に惜しくも敗れた悔しさを、晴らしたいところですね!
渡辺棋王も、ベスト4に残った棋士たちも関東勢なので、棋王戦については東西対決はなし、となります。
やはり関東勢も強いですね。
それにしても、
竜王戦に挑戦中で王将戦挑戦の目も残っている広瀬八段の充実ぶりがすごいです。
一気に三冠とか、名人にも挑戦して四冠とかの可能性もないとはいえませんよ^-^
A級順位戦ですが、豊島二冠が5回戦終了の段階で、5戦全勝です!
前期と同様、単独で首位を入っています。
佐藤名人と豊島二冠の東西対決の可能性が高そうですね。
さらに関西勢は、今期からのA級参戦である糸谷八段が3勝2敗で、豊島二冠の今後の結果次第ですが、挑戦の可能性はまだあります。
一方の関東勢も、1敗組に羽生竜王、広瀬八段、三浦九段、2敗組に佐藤康光九段がいます。
豊島二冠がどこかで崩れれば、一気に混戦になるでしょう。
またプレーオフになることもあるかもしれませんし。
(そうなればまた盛り上がりますね!勝手に期待して楽しみにしています。笑)
今回の内容は、ニュース記事で取りあげられていた、「関西勢が四冠」になったという話題でした。
東西対決を軸に将棋界の動きをみるのも面白いな、と感じました。
世代間の対決も熱いのですが、東西対決という新たな要素を加えることで、より視野が広がってきます。
伝説の「南禅寺の決戦」以来、将棋界では数々の東西対決が行われてきたと思いますが、
私たちが今観戦している勝負も、伝説として語り継がれるようになるかもしれません。
楽しく見守っていきたいものです^^
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