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前の記事では、高見五段にスポットライトを当てました。
私が高見五段の解説を初めてみたのは、実は今年の「ニコニコ超会議」でした。
2017年の超会議の将棋イベントといえば、「ニコニコ超会議囲碁将棋supported by 天童市」でしたね。
でも実は、将棋のイベントが行われたブースは他にもありました。
今回記事にするイベント、「心拍将棋名人戦」もその一つです。
目次(もくじ)
「超会議」は、実に様々なイベントがありますが、中には最近開発された高度な技術を
紹介するものもあります。
将棋を指す機会の腕「電王手一ニ三」も登場しましたし、その他にもロボットが紹介されていました。
高見五段が先輩棋士の将棋を解説した「心拍将棋名人戦」も、そのような最新技術のプロモーション的な
イベントでした。
その技術とは、「着るだけで心拍数が測れるシャツ」です。
その名も、「hitoe」。
着物みたいな名前ですね^^
これは中々便利そうですね。
医療用や、普段の体調管理、さらにはスポーツ選手の調子をみるのに使えそうです。
受験勉強なんかでも、過去問を時間を決めて解くときなどにhitoeを着て測定すると
良いかもしれませんね。
このhitoeは、東レとNTTが共同で開発したそうです。
将棋連盟のサイトにある心拍将棋名人戦の予告記事は、NTT物性科学基礎研究所の研究者の
方が書かれています。
科学技術の発展に関わる方たちが将棋にも興味を持ってくれているのは、やはり嬉しいですね^^
このような特殊なシャツを着て対局を行うからには、何か普通の将棋と違うルールがありそうな気もしますが。。。
実は心拍将棋名人戦は、hitoeを着るだけで、普通の対局と全く同じルールで行われます。
ただし、hitoeで測定した心拍は、相手にも見られてしまいます。
そのため、表情からは読めない心理が、心拍数の数値から分かってしまう可能性があります。
どうでしょうか?
想像すると結構緊張してくるのは私だけでしょうか(笑)。
先崎学九段と前回勝者の伊藤真吾五段との戦いとなった2017年の心拍将棋名人戦。
(なお、心拍将棋名人戦は2017年で第4回で、第3回までの歴史も中々興味深いです。)
先崎先生は、漫画「3月のライオン」の監修をされているので知っている方も多いでしょうね。
この漫画は私も電子書籍で最初の何刊かを購入して読みました。
文章の上手な先崎先生は、3月のライオンにコラムも書いておられ、とても楽しいです。
当時、先崎先生は八段だったのですが、2014年に九段昇段されています。
当時からの3月のライオンファンは嬉しかったでしょうね^^
現在体調不良で休業中とのことですが、無事に回復されることを願います。
さて、「心拍将棋名人戦」は普通の将棋の勝負でしたね。
相手を同様させて心拍数を上げることができたとしても、
盤上の勝負に敗れれば、負けになります。
ところが先崎先生は、「勝敗に関わらず伊藤君の心拍数を上げてくるように」と、
将棋連盟の上の人に言われてきたのだそうです^^
なるほど、将棋の勝ち負けは棋士なら当然こだわりたいところですが、場を盛り上げることも重要ですね。
そしてその言葉通り、中々迫力のある将棋になりました。
観戦していた将棋ファンの心拍数が上がったことは間違いないでしょう。
ファンや関係者を楽しませることも忘れない先崎九段の魅力ですね。
心拍将棋名人戦が行われたのと同じ日に、「超会議囲碁将棋」の羽生先生と加藤一二三九段の
登場するイベントがありました。
先崎先生はその日、ネクタイを忘れてしまったのですが、加藤先生が貸して下さったそうです。
伊藤五段に負けてしまった先崎九段は、「加藤先生のネクタイをつけいたのに負けてしまった」と
悔いていました。
ネクタイを返すときに勝利報告ができない無念さか、加藤先生のネクタイのご利益(?)をもってしても
勝てなかったことの無念さか。
負けても場を和ませてくれる先崎九段のユーモラスな一面が現れています。
このとき先崎九段がネクタイのサイズを調べ、「エクストラロング」であることが判明しました^^
つまり、加藤先生のネクタイはもの凄く長いのですね。
心拍名人戦は、クールな伊藤真吾五段が先崎学九段の
迫力ある攻めをかわして見事に勝利しました。
といっても半年以上前のことなので、残念なことに十分に思い出せないのですが(_ _)
そこで、将棋の内容以外で印象的だったことをまとめてみます。
解説者と聞き手についてです。
伊藤五段は終盤、相手陣にいる自分の銀を動かす手を何手か連続して指しました。
以前書いたように、将棋では相手陣の3段目以上に自分の駒を動かすと、「成る」ことができます。
成ると元の駒の特性が失われるので、成らない選択をすることもあります。
これを「不成」と書いて、「ならず」と読みます。
心拍名人戦では、伊藤五段が「不成」を連発するので、もう銀はずっとならないのか、みたいな空気になったわけです。
そこで高見五段から謎のコメント(?)が飛び出します。
それは、「いくらならず者が嫌いな伊藤五段でも」という発言です。
「そろそろ銀を成るでしょう」という言葉が続きます。
「ならず者」というのは、要は悪い人のことですね。
それにしても、言葉の論理的なつながりがなんだかおかしいですね^^
「ならずものが嫌いだからそろそろ銀を成るでしょう」なら、うまく意味が通るのですが。
高見先生は多分、思いついたことをとっさに発言したので、言葉のつなげ方を間違えたのでしょう(笑)。
局後に両対局者から、「ならず者って聞こえたんだけど」、「それだけ聞こえて気になって」と鋭い突っ込みが入り、焦り気味の高見先生
が面白かったです。
このあたりは文章だけだと空気感が伝わりにくいですね。
「ニコ生」もAbemaさんのように再放送をやってくれたりしないかな、とか思ってしまいますね^^
第4回心拍将棋名人戦にはもう一つ、特筆すべき事項があったりします。
それは、聞き手の熊倉紫野女流初段のことです。
実は、2017年4月30日に幕張メッセでのこの第4回心拍将棋名人戦以降、熊倉紫野女流はどこにも聞き手として登場していません。
代わりに宮宗紫野女流が登場しています。
そうです、熊倉紫野女流は結婚されたんです^^
宮宗さんという方との入籍し、その後は、「宮宗紫野」女流として活動しています。
しかも発表されたのが2017年5月1日で、第4回心拍将棋名人戦の翌日です。
5月1日には、AbemaTV将棋チャンネルに名人戦中継の聞き手として登場されました。
心拍将棋名人戦とAbemaTVの名人戦の両方をリアルタイムで見た方は、きっと、
いきなり名字が変わっていて驚かれたでしょうね。
いかがでしたか?
前回高見五段のことを記事にした際に思い出したので、
今回は高見五段のニコニコ超会議での活躍を含む記事を書いてみました。
超会議もほとんど記事にできていないので、今後の執筆記事候補に入れていきます^^
今回、伊藤五段についてはあまり書けませんでしたので一言だけ補足を。
AbemaTVでは時々、過去の朝日杯将棋オープン戦が放送されます。
準決勝と決勝が放送されていて、伊藤真吾五段対羽生善治名人(当時)の対局が観られます。
最近は魂の7番勝負などの再放送で枠が埋まっているので、あまりやっていないかも知れませんが、
きっとそのうちまた放送があるかと思います。
クールな伊藤先生の将棋を是非観てみてください^^