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この記事の執筆動機は主に、デビュー直後から大活躍しつづけている藤井聡太四段(当時)の師匠である、杉本昌隆先生の弟子愛や師としてのスタンスをお伝えすることです。
現在でも楽しくお読みいただけると思いますので、是非どうぞ!
*この記事は2017年6月14日に書かれたものです。目次前にあった冒頭のあいさつ文は、中身を当時のままにして本文中に移動しました。他の部分についても、読みやすくするために改訂を行っています。なお、最初の題名は「師匠・杉本昌隆七段による藤井聡太四段へのアドバイスや教育方針」でした。
目次(もくじ)
今月ももう半分が過ぎましたね^^
まだ先月の「将棋世界」もほとんど読めていませんし、「数学セミナー」の今月号ももう出ているころです。
このブログも、毎回の記事執筆で精一杯で、あまり計画性はないのですが(笑)、将棋世界や数学セミナー連載「詰将棋の世界」のレビューも、シリーズ物(?)として続けていけたらとは思っています^^
さて今回は、前回に引き続き、杉本師匠シリーズ(?)です!
前回は、杉本昌隆先生の、愛弟子・藤井聡太四段の将棋の才能に対する非常に高い評価について書きました。
杉本先生の評価・期待は、中学生にとっては相当なプレッシャーになってもおかしくないほど高いものです。
でも藤井四段は期待に十分にこたえてきており、むしろ杉本先生に優れた先見の明があったことを証明していますね。
今回は将棋の能力とかの話からはいったん離れ、「盤外編」でいきたいと思います。
この「盤外編」というのは私の造語で、将棋盤の外の話、つまり将棋の勝負や技術以外の話をしよう、というような意味を込めています(笑)。
【関連記事: 将棋めし対決やカラオケ?ニコ生の盤外企画が面白い!対局もある?】
プロの将棋棋士としてのふるまいなどのについて、杉本先生がどのように藤井四段を指導・教育しているか、ということに関係した内容になります。
お読みくだされば幸いです(_ _)
将棋は日本文化と結びついている、というような話を以前このブログでよく書いていましたね。
タイトル戦などの中継をご覧になったことがある方は、将棋の真剣勝負の場の厳かな雰囲気に圧倒されたことと思います。
そうした場には、相応しい所作というものがあり、プロ棋士なら誰もがそれを身につけています。
プロとしてデビューした若い棋士たちは、少しずつそういうものを学んでいくらしいです。
炎の七番勝負第1・2局における師匠・杉本七段の発言から、デビュー以後に藤井聡太四段が棋士らしい振る舞いを身につけていった過程をたどることができます。
棋士としての所作について、杉本師匠はどのように弟子・藤井四段を指導したのでしょうか?
将棋の棋士は、対局に夢中になると、上半身を将棋盤に向けてかなり傾ける傾向があります。
テレビなどで、そういう棋士特有(?)の前傾姿勢をご覧になったことがある方もおられるでしょう。
藤井四段も、集中するとかなり体を前に傾けます。
これは師匠・杉本七段も同じらしく、研究会などで二人で対局すると、お互いの頭がかなり近づいてしまうこともあるみたいです(笑)。
研究会や、中継・放映のない対局であれば何の問題もありません。
しかし、中継される対局の場合、あまり前傾姿勢になりすぎると、困ったことになります。
モニター上に映し出される対局室の将棋盤の映像に、棋士の頭が映ってしまうのです。
ただ単に頭が画面に出るだけならいいのですが、頭が前に行き過ぎると、将棋盤上の駒が隠れてしまうのです。
ですので、過度な前傾は避ける必要があります。
藤井四段のデビュー戦、加藤一二三九段との対局のときは、藤井四段の頭が将棋盤の4、5段目くらいまで出てきてしまい、盤がかなり隠れてしまったそうです。
杉本先生は、その様子を見て、「しまった!予め言っておけばよかった」と後悔されたそうです。
そこで、炎の七番勝負の際には、杉本先生は藤井四段に「座布団を引いておくといいよ」というアドバイスしました。
そのおかげか、前傾姿勢は、かなり改善されていました。
少なくとも、炎の七番勝負前半の時点では、集中したときに、たまに2、3段目に頭が出てきてしまうことがあったくらいで、あまり気になるシーンはなかったように思います。
私の場合、対局内容や解説コメントが興味深すぎて、あまりそういうことを気にしていなかったというのもあります。
でも実際、将棋ファンの立場からすると、大盤解説で将棋の内容が分かれば特に不満はないのではないでしょうか?
その後、前傾姿勢はどうなっていったかも含め、炎の七番勝負や公式戦のAbemaTVでの再放送をチェックしていきたいですね^^
前傾姿勢に気をつけることの他にもう一つ、デビュー戦の後に藤井四段が新たにおぼえた棋士としての所作があります。
以前少し書いたように、プロ棋士は長時間対局するので、対局時には飲み物を飲むことができます。
AbemaTV「炎の七番勝負」ではなぜか、対局者も記録係・読み上げ係も、皆さん同じ色のペットボトルに入った飲み物を飲んでおられましたね。
おそらくAbemaTVさん側が用意してくださったのだと思います。
もうおわかりですね(笑)。
そう、藤井四段のデビュー戦の後に師匠がしたもう一つのアドバイスとは、ペットボトル飲料の飲み方に関することです。
加藤一二三先生とのデビュー戦では、藤井四段はペットボトルから直接飲んでいたそうです。
これに対して杉本七段は、「直接飲むよりも、紙コップなどについで飲む方が綺麗だよ」といったそうです。
こういう、杉本先生の優しい感じのアドバイスのしかたは、とても好印象ですよね^^
実際、炎の七番勝負では、師の教えを守り、ペットボトルからコップに注いで飲む藤井聡太四段がみられました。
そのときの藤井四段の所作には、確かに棋士らしい風格が感じられたように思います。
このように、杉本昌隆先生の助言は、効果絶大です!
これまで書いてきた以外にも興味深い師匠コメントはまだまだあったように思います。
でもまとめきれませんし(笑)、この記事もすでにかなり長くなってきました。
そこで、最後にもう一つだけ書いて終わりにしたいと思います。
棋士・杉本昌隆の弟子の教育方針的なことについてです。
これまで私が書いてきた内容からわかってしますかもしれないことなのですが。
基本的に杉本先生というのはおおらかで、あれこれうるさくいわない人です。
棋士としての所作に関しても、最低限のことだけ指導して、後は藤井四段本人に、先輩棋士たちをみながら学んでいってもらいたい、と述べておられました。
これから藤井四段がどの先輩棋士から棋士としての振る舞いを学んでいくか、隠れた注目ポイントですね!
ところで、鈴木大介先生の炎の7番勝負第3局解説でのコメントによると、藤井四段と斎藤慎太郎七段は、「お互いに認め合っている」とのことでしたね。
もともと所作が美しいことで知られる「西の王子」こと斎藤先生ですが、現在進行中の棋聖のタイトル挑戦によりさらに立ち振る舞いに磨きがかかると思います。
藤井四段は今後きっと、この斎藤慎太郎先生あたりから、棋士としての美しい所作(できれば仕草も?)を学んでいくのでしょうね。
目覚ましい実績と、それに相応しい空気感をもった、素晴らしい棋士に成長していかれることが予想され、非常に楽しみですね。
いかがでしたか?
杉本先生は藤井四段に大きな期待をする一方、非常に温かい目で見守ってもいます。
将棋の技術はトップ棋士も舌をまくレベルの藤井四段ですが、中学生らしい一面もみせるところが魅力です。
杉本先生の話からは、そうした藤井四段の魅力が一気に伝わってきます。
それと同時に、今後、さらに棋士としての風格を身につけていくことが大いに期待されます。
素晴らしい師匠の下で、技術面もそれ以外の作法などの面でもトップに立つに相応しい棋士へとさらなる進化をしていくでしょう。