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前回は、将棋のリーグ表に、白星・黒星で勝敗を表示することに関して書いてみました。
今回はまた少し違った話をします。
タイトルにある通り、雑誌「数学セミナー」で詰将棋関係の連載記事がスタートしました。
読者の皆さんは、数学セミナーという雑誌をご存知でしょうか?
大学生や大学関係者なら、大学生協の書籍部で見たことがあるでしょう。
一般の方でも、本屋の科学系の雑誌のコーナーに行く人であれば見たことがあるかも知れません。
「ニュートン」や「日経サイエンス」といった一般向けの科学雑誌の近くに、「数学セミナー」や「数理科学」といった雑誌があったりします。
数学セミナーは、主に大学以上の数学、それも数学を専門とする人向けの数学の記事が掲載されています。
執筆陣の先生方のほとんどは現役の数学者で、数学の様々な分野の理論がそれぞれの先生の独自の切り口で解説されます。
「エレガントな解答を求む」というコーナーでは、読者に問題が出題されます。
解いて回答を送ると、正解した場合名前が掲載されます。
この「エレガントな解答を求む」は、高校生でも取り組むことのできる問題も出題されます。
多分このコーナーのおかげで、数学セミナーは広く読まれているのだと思います。
基本的には、数学を専門とする人か数学の問題を解くのが好きな人にしか縁のなさそうな数学セミナー誌ですが、今回始まった連載は、それ以外の人にも読めるものです。
見出しに書いたように、始まった連載のタイトルは、「詰将棋の世界」で、第一回の掲載された号は4月号です。
今は3月ですが、発売月は雑誌の号よりも1つ早いのが普通です。つまり、すでに店頭で売られています。
通販でも買えます。
さて、数学の専門色の強い雑誌にしては異色に思える詰将棋の連載。
詰将棋の数学理論などが書かれるのでしょうか?
もしそうなら、とんでもなく難しそうですね。
連載第一回を読んだ感じだと、そういうことはなく、普通に将棋や詰将棋が好きなら楽しめる内容という印象でした。
以下、だいたいの雰囲気をまとめてみます。
まず、詰将棋というのは、このブログでも前にちょっと書いたように、将棋の上達に有益なものです。
しかし、単に将棋の練習のための問題という以上の、深い世界があります。
いうなれば、実戦の将棋、いわゆる「指し将棋」の上達のためのものという脇役ではなく、「詰将棋」それ自身が主役をはれるものである、というわけです。
連載の著者の先生によれば詰将棋の深さは、「芸術的な価値」を持つと認められる程である、とのことです。
初回の記事では、将棋に詳しくない人にも配慮して、詰将棋とはどういうものかをまずは簡単に説明しています。
説明用に、5手詰めの問題の図と正解手順も出てきます。私も解いてみました。
数学の雑誌なので、十分に将棋モードに成りきらない状態で解くことを強いられました(笑)。
いつもよりは少しだけ時間がかかった気がします。
おかげでなんだか初心に戻れた気がしました^^
詰将棋の説明の後は、詰将棋の歴史が説明されました。
江戸時代、詰将棋が生まれた時代からその後の偉大な作品集の登場、その後現代に至るまでの流れが簡単に手際よく解説されています。
江戸時代につくられた長編詰将棋2作品と、現代の史上最長手数の詰将棋の問題図が載せられています。
以上が本文の内容で、それとは別に「問題」のコーナーが設けられています。
短い手数の奥深い名作を選んで紹介するという趣旨だそうです。
問題のコーナーでは2題出題されていて、初回はどちらも3手詰めです。
3手詰めだからといって決して簡単なわけではありません。
将棋で「筋の良い手」というのを分かっている必要があったりとか、少し経験や知識が必要だったりすると思います。
個人的には、数学が得意だけど将棋は駒の動かし方しか知らない人が、これらを解けるかどうかに興味があります。
数学の専門的な雑誌に詰将棋の連載が始まったことについて書きました。
将棋好きとしては、色々な人に将棋のことを知ってもらえるのは嬉しいので、このような素晴らしい企画が数学雑誌上で始まったことは素晴らしいことであると感じます。
次回の連載も楽しみです!