杉本・藤井両七段、勝てば32年振りの師弟順位戦昇級!前回はどの師弟?

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2019/02/05(火)、将棋のC級1組順位戦が行われますが、
歴史的な出来事が起こるかもしれません。

あの有名な師弟が、同時に昇級を決める可能性があるのです。
 

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第77期C級1組順位戦ラス前の状況

 
まずは、状況を整理したいところですが、
その前に「順位戦」自体がわからない方のために説明もしておきます。
(必要ない方は読み飛ばしてください!)
 

「そもそも順位戦って?」という方のために

 
【参考記事: 順位戦の各組には何段の人がいる?段位とクラスの関係について
 
順位戦というのは、ざっくりというと、
AからC2までの5つのクラスにわかれたリーグで、
1年間かけて、1人10回くらいの対局が行われます。
名人を目指すためには、一つ一つクラスを上げていく
必要があります。
 
どのクラスに属すかで、プロ棋士としての格付けが
決まるという意味もあるので、必死に戦われます。
特に、一つ上のクラスへ上がる「昇級」や、
一つ下がってしまう「降級」をかけた戦いは熾烈です。
 
【参考記事: 順位戦の降級点とは?何点で降級?消滅させるための条件は?
 

第77期C1ラス前の状況。昇級候補は誰?

 
2019/02/05(火)に行われるのは、
第77期順位戦C級1組の第10回戦です。
最終局が第11回戦なので、02/05のは、
最終の一つ前、いわゆる「ラス前」です。
 
 
そのラス前の対局を前にして、
どのような状況になっているのでしょうか?
 
 
C級1組から昇級できるのは、2名です。
39名も参加している中で、上に上がれるのは
たったの2名!
 
リーグの星取り表から、昇級の可能性がある
棋士たちは、以下の7名の模様です。
 

  • 高崎一生六段 6勝2敗
  • 近藤誠也五段 7勝1敗
  • 杉本昌隆七段 8勝0敗
  • 阿部健治郎七段 7勝2敗
  • 青嶋未来五段 6勝2敗
  • 船江恒平六段 7勝1敗
  • 藤井聡太七段 8勝0敗

 
 
阿部健治郎七段のみ、すでに9局指していて、
ラス前で全局消化となります。
他の棋士は、ラス前と最終局の、計2局、残っています。
 
全勝組の杉本昌隆七段と藤井聡太七段がラス前で
二人とも勝てば、もう他の棋士は追いつけません。
 
というのは、この二人の相手はそれぞれ、
船江恒平六段と近藤誠也五段だからです。
1敗組はこのお二人だけなので、負ければ
2敗となり、杉本・藤井師弟は最終局でもし
負けたとしても、1敗だけなので、誰も
追随できないことになるわけです。
 
そうなれば、お二人のB級2組への同時昇級が決まります。
 

杉本・藤井師弟の同時昇級がかかる

 

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というわけで、第10回戦、ラス前の対局には、
杉本・藤井両七段のB級2組への昇級が
かかっているのです。
 
もしも第10回戦で同時昇級が実現すれば、
第77期順位戦で師弟そろって9連勝した
ことになるわけですね。
 
普段は弟子の藤井聡太七段の方が話題になる
ことが多いですが、杉本師匠も、お弟子さんに
負けまいと、好調を維持してきている
みたいなんですよね。
藤井七段がまだ四段のころから、そんな感じの
傾向があったように感じていました。
 

負けると昇級は他力に

 
一方で、杉本七段、藤井七段のどちらか一方が
負けてしまうと、師弟同時昇級は、自力ではなく
他力になってしまいます。
 
杉本師匠が船江六段に負けて藤井七段が近藤誠也五段に勝った場合、
藤井七段は最終局で全勝を守れば昇級ですが、杉本七段は、
近藤五段よりも順位が低いので、近藤五段が最終局で負けなければ
昇級はありません。
 
一方、藤井七段が近藤誠也五段に負けた場合、
順位の低い藤井七段には不利な条件になります。
特に、杉本七段が船江六段に負けた場合は、
藤井七段と並ぶ1敗組が近藤五段と船江六段の2名、
しかもどちらも藤井七段よりも順位が上、
となって、藤井七段側は、1敗を守った上で、
近藤五段と船江六段が最終局に負けなければ
昇級できません。
 
 
ですので、やはりラス前で師弟ともに
きっちりと勝って、
昇級を決めてしまいたいところですね。
 
もちろん、
本人たちがそこまで気にしているかは
わかりませんが。
 

師弟同時昇級実現なら32年ぶりの快挙

 

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それにしても、順位戦で師匠と弟子が同時に昇級って、
あまり聞いたことがありませんよね。
前例はあるのでしょうか?
 
 
ありがたいことに、下記の記事に、答えが書かれていました。
 
【参考ページ(外部リンク): 藤井聡太七段と師匠の杉本七段、同時昇級なるか 将棋順位戦
 
 
前例は、昭和61年度の順位戦、つまり、
1987年(の2,3月ごろのはずですね)で、
32年前です。
 
しかもそれが、唯一の前例だそうです。
 
 
もしも今回実現したら、杉本・藤井師弟による
歴史に残る偉業、といって過言でないでしょう。
 
これまでの藤井聡太七段の単独の業績・記録とは
また少し別の種類のすごみを感じるのですが、
いかがでしょうか?
 

昭和61年度の大内・塚田師弟のB1昇級が前例

 
32年前に、将棋史上初の、師匠・弟子同時順位戦昇級を決めたのは
誰と誰だったのでしょうか?
 
答えは先ほど引用した記事に書かれていて、
大内延介九段と塚田泰明九段でした。
 
 
塚田九段は、塚田恵梨花女流1級の父親であり師匠であることでも
知られていますね。
第3期叡王戦7番勝負最終局の中継で親子で登場し、
とても仲のいい師弟・親子だな、と印象に残りました。
 
塚田九段の師匠、大内延介九段はすでに故人ですが、
やはり、とてもお優しい方だったようです。
 
人間的に魅力的な師弟が、素晴らしい記録を
もっているというのは、嬉しいことですね!
 

大内・塚田師弟は順位戦で対戦した!

 
ところで、大内・塚田師弟って、前にもどこかで
話題になったような、と思ったんですよね。
 
 
同時昇級先が、B級1組であることから、
ピンときた方は、とても鋭いです。
 
 
順位戦で師弟といえば、「師弟対決」もとても珍しいことが知られていると思います。
以前に、「将棋情報局」さんが、素晴らしい記事を公開してくれていましたね。
 
【参考ページ(外部リンク): 師弟戦にまつわるエトセトラ ~ 3/8 杉本昌隆七段―藤井聡太六段 注目の一戦を前に
 
 
師弟対決といえば、「恩返し」と思ってしまいますが、
なんと、大内-塚田戦は、師匠である大内先生が勝たれたそうです。
 
そういえば、そもそも、将棋情報局」さんの記事は、
順位戦B級1組で実現が決定した畠山(鎮)-斎藤戦(これも師弟戦)に
関連する情報として書かれたものでした。
その畠山-斎藤戦も、結果は、師匠である畠山先生の勝利となりましたね。
 
 
杉本-藤井師弟も、第77期でB2昇級を決めれば、さらにB級1組に昇級し、
順位戦での師弟対決が実現する可能性も否定できませんね。
 
また、畠山鎮七段と斎藤慎太郎王座の、第78期での再びの師弟対決はあるのか、
(斎藤王座がA級昇級しそうですが)
師弟戦関係も、興味がつきませんね!
 

まとめ

 

>>こちらの記事もおすすめです

鬼のすみかB級1組。順位戦で師弟対決ができるのはこのクラスから!

 

大内・塚田師弟以来、史上2度目の師匠・弟子の同時順位戦昇級を、
杉本昌隆七段、藤井聡太七段が実現するかもしれません。
 
大内九段と塚田九段は、師弟対決が可能なクラスである、
「鬼のすみか」B級1組への昇級だったので、
とても珍しい、順位戦での師弟戦をも実現しました。
 
 
杉本昌隆七段も、竜王戦1組に8期いたことがあり、
現在でも竜王戦3組にいるなど、実績ある棋士ですので、
藤井七段とともにB級2組昇級し、さらにB級1組にもともに
あがって、師弟戦を実現する可能性も、あるかもしれませんね。
 
それはそれとして、
藤井聡太七段が順位戦を最速で駆け上がって名人を目指すことも
期待されていると思いますが、師匠の杉本先生の活躍にも
注目していきたいですね!

 

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