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2018年7月22日、NHK杯の谷川浩司九段と佐々木勇気六段の対局が放送されました。
結果は、谷川九段が勝ったそうです。
佐々木六段は現在、9連勝という連勝数で、2018年度の連勝数ランキング1位です。
同率1位に千葉幸生七段・宮田敦史七段がいます。
2018年7月15日のNHK杯放送後、藤井聡太七段の連勝数が9から7に減ってしまったのですが、佐々木六段の場合はどうなるのでしょうか?
結論からいってしまうと、佐々木六段の連勝数は9連勝のままで、谷川戦の結果によって減りはしません。
そのあたりの状況について今回は書きます。
ところで、ここまで読んできて「何のこと?」と疑問に思った方もいるかもしれませんね。簡単に説明しておきます。
テレビ棋戦の結果は、放送日までは公開されないので、連勝数などの記録への反映は遅れるのです。そのため、時間差で勝敗が記録に反映されて、連勝数に増減が生じることがあるのです。
佐々木六段の「9連勝」という数字は、今回のNHK杯の結果の反映によって、変動しません。
なぜなら、NHK杯谷川戦の対局が行われた日の時点で、すでに連勝はストップしていたからです。
佐々木六段の連勝は、前年度からの継続で、NHK杯の収録日よりも前にすでに止まっていました。
将棋連盟サイトの月間対局記録をみると、2018年1月22日(月)の中村太地との竜王戦ランキング戦3組での対局に勝ってから、王座2018年4月13日(金)の棋王戦予選・高野智史四段との対局に負けるまで、勝ち続けています。
月間対局記録からは「6連勝」と読み取れるのですが、それにNHK杯の予選(対局日が公開されない)の3勝を加えることで、「9連勝」となるわけですね。
ともかく、佐々木勇気先生の9連勝という記録は、2018年1月から4月までのものということになります。
さて、以前にも書いたように、NHK杯は対局日から放送日までの期間がだいたい1ヶ月程度のようです。
ですので、7月22日放送の対局は、6月の中ごろか下旬に収録されたものと考えられます。
その時期には、すでに佐々木勇気六段の連勝はストップしていたので、NHK杯本戦の結果によって連勝数が増減しない、ということになります。
B級1組所属棋士であり永世名人資格者である谷川九段との対局は、佐々木勇気六段にとって楽しみなものだったでしょう。
かなり気合が入っていたようです。放送を観た将棋ファンの方々のSNS上でのコメントをみると、佐々木六段は和服で本局に臨んだそうですし。
さらに気合いが入っていたことがわかるのが、web上で公開されている、佐々木勇気六段へのインタビューです。
ご存じの方も多いかもしれませんが、2018年5月に、観戦記者の方が若手20代棋士たちにインタビューする企画が行われていました。
数名の有力な若手棋士たちが取材され、棋士ごとにインタビュー記事が公開されています。
参考サイト(外部リンク): 自分の感覚を信じて。がむしゃらに将棋を。 棋士・佐々木勇気 23歳。
そのインタビューの際に佐々木六段は、当面の目標を聞かれ、NHK杯の谷川九段との対局に全力をだすこと、と答えていました。
さて、このインタビューですが、2018年5月31日に公開されています。
叡王になる前の高見六段(当時)にもインタビューが行われていて、そちらは取材日もわかっています。
2018年5月15日に取材され、5月24日に公開されています。
このことから、佐々木勇気六段の取材は、5月22日ごろだったと推定され、やはり、連勝ストップよりも後であることがわかります。
そしてやはり、NHK杯の収録日(対局日)はそれよりも後であることを考えると、「9連勝」への影響がないことは確実ですね^^
以上で「9連勝」は変わらないことについては説明し終えました。
残念ながらNHK杯敗退となってしまった佐々木勇気六段ですが、気合いが入っていただけに無念だと察します。
しかも、勝ちたかった理由は、単にトップレベルの棋士との対局だからというだけではなかったと思われます。
実は、NHK杯の予選では、佐々木勇気六段は高見六段(当時)に勝っています。
上記インタビューで、佐々木先生は高見先生のことをライバルとしてかなり意識していることがわかります。
同時に、仲の良い友人でもあるので、是非とも高見先生の分までNHK杯の舞台で活躍したかったと思います。
もちろん、すでに敗退してしまった盟友・永瀬七段の分も勝ちたかったと思います。
それだけに、佐々木勇気先生にとって非常に残念な結果となりましたが、これを糧にさらに上を目指していくことでしょう。
ちなみに、谷川九段の方は、B級1組なので予選免除で、本戦からの登場でした。
#谷川浩司 九段VS #佐々木勇気 六段 戦が10時30分からNHK Eテレで放送されます。谷川九段は順位戦B級1組在籍により、本戦からの登場です。佐々木六段は予選で、 #伊藤真吾 五段、 #高見泰地 叡王、 #田中悠一 五段に勝ち、本戦出場を決めました。
#NHK杯
もっとも、谷川九段なら、たとえB2以下に落ちてしまっても、永世称号棋士の枠ででられますが。
予選免除資格は、タイトルホルダーにも与えられます。
今回は開幕時点ではタイトルをもっていなかった高見叡王ですが、来期のNHK杯ではタイトル保持者として予選免除で本戦にでられます。
(ちなみに余談ですが、「叡王不在」のNHK杯は、今期で最後ですね。)
佐々木先生にしても、高見先生にしても、永瀬先生にしても、今期は無念でしたが、来期以降本戦に登場し、お茶の間を湧かせてくれることが大いに期待されます。楽しみです^^
いかがでしたか?
藤井聡太七段、佐々木勇気六段と、有望な若手棋士が相次いで敗退となったNHK杯。
将棋の現代化が著しい今の将棋界においても、40代やそれ以上の棋士たちが力を発揮していることは、特筆に値すると思います。
しかし敗退したとはいえ、他棋戦では佐々木六段は9連勝、藤井七段も7連勝という数字を残しています。
藤井七段、そして佐々木勇気六段らの来期の巻き返しが楽しみです。
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