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独自のランキングシステムを採用している竜王戦。
この記事は、竜王戦におけるランキングの仕組みはわかるけれど、もっと色々な面を知りたいという人向けに書いてみました。
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たとえば、次のような疑問をもったことがありませんか?
実はこれは、私自身が知りたいと思ったことでもあります。
今回は、このあたりに関わることを調べて考察を行ってみた感じです。
以下の内容は、「竜王戦と順位戦の比較」を軸にしています。
目次(もくじ)
竜王戦では、組ごとのランキング戦が行われます。
なんとなくですが、この竜王戦の「組」は、順位戦の「クラス」と似ていますよね。
お互いの似ている点や違う点をみることで、両方についての理解が鮮明になるかもしれません。
順位戦のどの「クラス」に属すかは、我々将棋ファンがプロ棋士の将棋界での活躍度を判断するときの目安になります。
同様に、竜王戦のどの「組」に属すかも、棋士がどれくらい強いのかの一つの判断材料になります。
このように、竜王戦の組と順位戦のクラスは、どちらも棋士の「格」を番付しているものであるといえます。
また、当然といえば当然ですが、竜王戦・順位戦、どちらも昇級・降級の制度があります。
この点では竜王戦と順位戦は似た面もある、といえますね。
ただし、竜王戦の場合、一番下の組である6組から落ちて竜王戦に出られなくなることはありません。
順位戦は一番下のC級2組からフリークラスに陥落して、順位戦に参加できなくなることがあるのと対照的です。
フリークラスは、棋士の引退にも関わりますので、この意味では順位戦の方が重い戦いといえます。
ただ、竜王戦は賞金額が大きい棋戦であり、対局料は賞金額に比例するといわれています。
つまり、竜王戦でたくさん勝てれば、他の棋戦で同数勝った場合以上に収入が増えるわけです。
そう考えると、順位戦だけでなく竜王戦も棋士にとって非常に重要な棋戦であることは間違いないと思います。
順位戦と竜王戦の一番の違いは、「順位」があるかないかです。
順位戦のシステムにおいて、棋士の番付を行っているのは、、所属クラスだけはありません。
「C級2組からA級までのどこに在籍しているか」だけでなくそれぞれのクラスの中にも、「順位」による棋士たちの序列があるのが、順位戦の特徴なのです。
リーグ戦である順位戦では、勝ち星が同数の棋士が複数でるのが普通なので、順位を使って半ば無理やり(?)成績の順序をつける必要があるのですね。
もっとも、この「順位」の概念が、昇級・降級争いにおけるドラマを起こしたりするところが、順位戦の醍醐味なわけですが。
A級における名人挑戦者決定の場合は、さすがに勝ち星同数の場合に順位だけで挑戦者を決めることはせず、トーナメント式のプレーオフになる、というのも面白いポイントですね。さらにいうと、プレーオフの場合でも、「パラマス方式」という、「順位」の概念が適用できる方式になっている、というのも見逃せない点ですね。
竜王戦の場合は、昇級者はトーナメント(ランキング戦と昇級者決定戦)の成績上位者、そして降級者は「残留決定戦」の敗者という形で明確に決まるので、「順位」みたいな序列を必要としません。
ですので、基本的に竜王戦ランキング戦の組が同じ棋士同士は、竜王戦の枠組みの中では対等、といってよさそうです。
ただし、竜王戦ランキング戦にも、棋士の序列が必要になる場合があります。
ランキング戦は、1組から5組までは定員も決まっていて、シードが存在しません。
一方、一番下のクラスである6組は、定員が決まっておらず、トーナメント表の一部にシード(一回戦免除)が生じています。
このシード枠を決めるためには、当然、なんらかの意味で6組の棋士の中でも「序列が高い棋士」を決める必要がありますね。
結論からいうと、このシード権は基本的に、前期に5組に所属していて、残留決定戦に敗れて6組に降級してきた棋士たちに与えられるようです。
それ以外の棋士でシードを与えられているのは、前期の6組の昇級者決定戦で、昇級こそできなかったものの、上位の成績だった棋士のようです。
つまり、ランキング戦6組においては、前期5組だった棋士と前期の昇級者決定戦上位者に関しては、他の棋士よりも格上扱いになることがある、といえそうですね。
今回は、竜王戦の仕組みを順位戦との比較からみてみました。
将棋界で重要なこの二つの棋戦には、棋士のランクづけを行う仕組みが存在します。
竜王戦の「組」と順位戦の「クラス」。
それぞれについて、共通点や相違点をみてみました。
比較を行うことで、なんとなく楽しくなる、今回の話はその程度のものでしたが、いかがだったでしょうか?