西尾明六段は理系出身で知的な将棋棋士!英語や論文も読める?!

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今回は、将棋のプロ棋士、西尾明六段についての記事です。

ギターやロック音楽を趣味とされているということはよく知られていると思いますが、ここではそれ以外の一面についてご紹介します。

 

東京工業大学出身で、コンピュータ将棋にも詳しいという西尾六段は、とても知的で教養のある人物です。

実際、西尾先生の書いたものやSNSでの発信などをみると、知識の多さや頭のよさに驚かされます。

この記事では、そのあたりに焦点を当てていきたいと思います。
 

 

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2018年度は西尾明六段に注目?

 

今回は、将棋や棋戦とは関係のない話をメインにします。

でもやはりなんといっても、西尾六段に関して一番注目されたのは、藤井聡太七段との順位戦の対局ですね。

なのでまずは、それも含めて、プロ将棋界での西尾先生の活躍についても書いてみたいと思います。

 

順位戦C級1組3回戦の藤井聡太七段の相手

 

2018年7月末、順位戦C級1組の3回戦で藤井聡太七段と戦ったのが西尾明六段です。

西尾六段はなんと、C1順位戦の初戦では、あの増田康宏六段を下しています。

 

3回戦の藤井七段との将棋では、負けてしまいました。

その将棋は終盤で、藤井七段が解説のプロ棋士を関心させる手順で西尾六段の玉将を詰ましました。

 

藤井聡太七段は、終盤に入る前までに優勢になると、詰将棋チャンピオンとしての力、玉将を詰ます力を発揮するまでもなく勝ってしまうことがあります。

藤井七段の終盤力を引きだしたという意味では、西尾明六段はかなりの健闘であり、いい将棋だったのだと思います。

 

2018年度に4連勝(6月から7月)

 

西尾六段は、藤井七段に負ける前の対局までに、4連勝しています。

この4連勝の期間は、2018年度の6月から7月にかけてでした。

 

4連勝の相手は、杉本和陽四段、増田康宏六段、宮田敦史七段、小林裕士七段。

強い棋士ばかりです。

特に、増田六段は竜王戦本戦で藤井七段に勝って湧かせてくれましたし、小林裕士七段も昨年度の叡王戦で活躍しました。

 

このような強い棋士たちに勝つ西尾六段なので、順位戦を含む各棋戦で今後大きく活躍する可能性も期待されます。

 

西尾明六段の年代と学歴は?

 

さて、戦績についてのみ書いてきましたが、それだけでは西尾六段の人物像がみえてきませんね(汗)。

そこで、西尾先生の年代や学歴などを書いておきます。

 

西尾六段の年代や同世代棋士は?

 

西尾六段は1979年生まれの38歳です。

同世代が佐々木慎六段で、2つ上に佐藤紳哉七段、3つ下に阿久津主税八段、橋本崇載八段がいます。

 

確かに西尾先生は落ち着いた大人な雰囲気の解説が特徴的ですが、それは佐々木慎六段も同様です。

このお二人が同世代というのは、なるほど納得ですね。

 

東工大(東京工業大学)出身!

 

西尾先生のプロフィールの中でも特に目立つのは、やはり学歴ですね。

 

東京工業大学、略して東工大の出身です。

理系の大学の中では、医学部や東京大学(東大)、京都大学を除けば、トップレベルの大学ですね。

 

しかも、入試や入学の時点で西尾先生は奨励会員。

勉強と将棋の両立は、相当に大変だったと思います。

 

実際、西尾先生が四段昇段(つまりプロデビュー)したのは、23歳のときですが、その時点では大学は中退しています。

奨励会の三段リーグを抜けるために、大学を辞める決断をしたのだそうです。

参考サイト(外部リンク): 【夢のつかみ方】プロ棋士・西尾明さん(前編)~進路に迷ったら、自分はなにをしたいのかを優先する~

 

でもそれでも、現在の西尾六段の知的なトークや文章を見聞きすると、大学で勉強した経験をとてもよく活かしておられると思います。

素晴らしいキャリアだと思います。

 

西尾明六段はコンピュータ将棋に詳しい

 

西尾六段について調べると、コンピュータ将棋に詳しいという情報がでてきます。

 

将棋ソフトの強さを早い段階から知っていた

 

西尾六段は、早い段階でコンピュータ将棋の強さを知っていたようです。

プロ棋士がコンピュータに負けたとき、世間一般の人たちは大いに驚きました。

SNSやインターネットの掲示板などでも、かなり話題になったのだと思います。

 

しかしながら、西尾六段は、すでにコンピュータが人間を凌駕していることを理解していて、冷静なコメントを発信しています。

 

理系出身であることもあって、先入観なしにクールに物事を判断できていたのだと思います。

あるいは、新しいものを積極的に取り入れる気質があり、コンピュータ将棋も自身の研究にすでに利用していたのかもしれません。

だから、ソフトの強さもとっくにご存じだったのかもしれません。

 

人工知能(AI)とソフトの違いについても解説?

 

コンピュータ将棋を指す言葉には、色々あります。

 

  • 人工知能(AI)
  • 将棋ソフト
  • コンピュータ

 

「将棋ソフトが棋士に勝った」という代わりに、「AIが棋士に勝った」、「コンピュータが棋士に勝った」と表現したりもしますよね。

「棋士」のところを「人間」で置き換えてもいいですね^^

 

でも本当は、「ソフト」と「コンピュータ」、「AI」は、それぞれ全く別々な概念なのです。

 

西尾六段は以前、解説のときに、「何をもってAIと呼ぶか?」という疑問を提示しました。

AIというのは、自ら「学習」して進化していくものを指すのではないか、と指摘していました。

 

将棋のAIも、もちろん将棋ソフトの一種なのですが、普通のソフトの場合は、いつも同じプログラムによって動作しています。

これに対して、AI、人工知能には、「学習」という機能があって、新たに将棋の棋譜を読み込んだり、将棋を指したりして、その結果をもとに、自身のプログラムを進化させることができるのです。

そう考えると、確かに「AI」と「ソフト」という言葉は区別するのが正しいようにも思えてきます。

 

解説の際に、何気なくこのような見解がでてくるあたりに、西尾六段の知性が垣間みえてきますね^^

 

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西尾明六段は英語や論文も読める?

 

将棋ファンの間では、西尾明六段に関しては大盤解説のときの優しく丁寧なイメージが定着していると思います。

一方、西尾明先生が書いたものを読むと、その圧倒的な知力やアカデミックな雰囲気に驚きます。

個人的には、糸谷哲郎八段と双壁をなすと思っています。ただし糸谷先生の場合は大盤解説の時点でアカデミックですが^^

 

佐藤天彦名人vsポナンザの解説記事が学術的!?

 

私は以前、西尾六段が書いた雑誌「将棋世界」の記事を読んで驚いことがあります。

その記事とは、将棋世界2017年6月号に掲載された、佐藤名人と将棋ソフト・ポナンザが戦った電王戦のニ番勝負第一局の解説記事です。

 

将棋ソフトの指す手が「奇抜な手」と思われることに関する考察や、コンピュータ将棋によるプロ将棋の戦略面の変化に関する見解。

さらには、佐藤名人が、ソフトの強さを感じた手について、なぜその手が人間には指しにくいのか、という点についての考察などが書かれていました。

 

これだけでも十分すごいのですが、難しい言葉がどんどん出てきます。

たとえば、「奇抜さ」の話のところでは「認知容易性」という言葉が出てきました。

さらには、解説記事の途中には、「チャンク」という、「認知心理学」の用語も出てきます。

しかも、コンピュータ将棋研究者による「チャンク」の研究論文についても紹介されています。

学術論文までも読むことができてしまうというのが、流石としかいいようがありませんね!

 

専門的な知識を身につけつつも、独自の見解を述べることができる、アカデミックな姿勢に関心してしまいます。

 

なお、西尾先生の解説の文章には難しい面もありますが、それでもおすすめしたいです。

将棋や佐藤名人についての解説は、わかりやすく書かれています。

むしろ将棋の解説は、将棋世界の他の記事より理解しやすいくらいです。

 

英語の動画をシェア

 

西尾先生はツイッター上で、ある動画をシェアしています。

チェスのグランドマスターであるガルリ・カスパロフの講演動画です。

カスパロフによる英語の講演に、英語の字幕がついたもので、英語がわからなければ理解できません(汗)。

 

内容は、チェスを通して、得た人生観みたいなものですかね。

指しの膨大な可能性を読んで判断しなければならないチェスにおいては、読みだけでなく、「経験や本能」による判断が必要になるみたいです。

カスパロフは、チェスだけでなく、日常生活などにいても、「経験や本能」を活かしたらたらどうか、人々に提案しているようです。

 

 

西尾先生はこの講演に関心し、将棋界にもこのような人材がいたら、とコメントしています。

個人的には、今の将棋界の人材なら十分に可能だと思うのですが、どうでしょうか^^

 

ちなみにこのカスパロフは、ディープ・ブルーというチェスソフトと戦った人です。

ディープ・ブルーの勝利は、コンピュータの可能性を世に知らしめ、後の将棋ソフトの開発にもつながりました。

 

西尾明六段は数学にも興味がある?

 

当ブログでは、これまで数学雑誌や数学者のドラマについて話題にだしてきました。

なんと、嬉しいことに、西尾六段も数学に興味がありそう(?)なのです^^

 

Twitterのヘッダーがフィボナッチ?

 

西尾六段のツイッターのヘッダーをみると、謎の数式が書かれています。

数学の「ルート」の記号がみられます。

 

私も詳しいわけではにのですが、この数式は、「フィボナッチ数列」の「一般項」だと思います。

 

フィボナッチ数列とは、「1、1、2、3、5、8、・・・」と続く数の列です。

たとえば、4番目の数は、2番目の数「1」と3番目の数「2」を足した「3」になっています。

 

フィボナッチ数列に登場する数はすべて整数なのですが、それらの数を数式を使って表現するためには、ルート、別名「平方根」が必要になります。

これが、フィボナッチ数列の不思議なところで、こういうところに数学の面白さがあります。

 

理研の脳科学者と数学検定の授賞式で対談!

 

西尾六段と数学の関わりは、ヘッダー画像だけではありません。

 

なんと、「数学検定」の優秀者を表彰する式典に、西尾先生はゲストとして登場しています!

しかも、数学者で理研で脳科学を研究している甘利俊一先生と対談しています。

 

数学と将棋のつながりについて、「AI」をキーワードにお話したそうです。どんな話だったのか、非常に気になりますね!

私としては、普段中継で観るお馴染みの棋士が、学問の世界と将棋の世界をつなげていってくれているのは、とても嬉しいです^^

 

参考サイト(外部リンク): 「数検」グランプリ表彰式典を開催

 

定跡を将棋以外の専門用語で説明?

 

将棋について説明するとき、日常用いられる言葉で説明するなどの工夫がされるのが普通です。

 

しかし面白いことに、西尾六段は、他分野の専門用語を使った説明を試みたことがあります。

ツイッターで、「ブロックチェーン」という用語を使って将棋の「定跡」とはどのようなものかの説明をつぶやいていました。

 

ブロックチェーンというのは、私もよくは知らないのですが、仮想通貨とかビットコインに関係のある用語ですね。

 

結局、この説明は西尾先生ご自身、「わかりにくい」と評していましたが、他分野で学んだことを積極的に将棋に取り入れる姿勢は賞賛したいですね。

自身の深い、あるいは広い教養を活かして将棋と向き合おうとする、西尾六段の魅力がわかるエピソードだと思いますが、いかがでしょうか?
 

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まとめ

 

いかがでしたか?

 

今回は、将棋棋士・西尾明六段について書きました。

きっと読者の皆さまも驚かれたのではないでしょうか?

様々な分野の知識をもち、それらをバックグランドに怒涛のようにアウトプットする西尾明六段の一面が伝わったでしょうか?

 

すごい学歴をもち、本職である将棋も強く、知的で大人な雰囲気をもつ西尾明六段は、我々将棋ファンにとって誇るべき存在だと思います。

 

ちなみに西尾六段は、Abema TV将棋チャンネルのタイトル戦中継などに解説者としてよく登場します。

Abemaユーザーにはお馴染みの棋士ですね。個人的には、解説が丁寧で好感がもてる先生という印象があります。

西尾先生の解説は誠実、というようなコメントがみられることもあり、私以外の将棋ファンにも好かれているようです。

 

また、まじめな雰囲気の人ですが、ユーモアがあり、話が面白いです。そのギャップにも好感がもてるわけですね。

今回の記事から、西尾先生の知的でまじめな雰囲気がわかった方は、是非解説などで登場したときのユーモラスな一面も観てあげてくださいね^^

 

冒頭にギターやロック好きで知られていると書きましたが、私は逆にそちらの一面をあまり知りません。また、「ニコニコ」で将棋が中継されるようになったきっかけをつくった人物でもあるようなので、そのあたりの歴史(?)も、今後調べてみたいです。

 

 

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