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杉本昌隆先生が、七段昇段後190勝という「勝ち数規定」をクリアし、
八段に昇段しました。2019年2月22日(金)の出来事です。
杉本昌隆・新八段、おめでとうございます!
今回は、この嬉しいニュースに関して、
深堀りした記事になります。
興味ある人に是非読んでほしいです(^^)
目次(もくじ)
杉本昌隆先生の八段昇段、
単に藤井聡太の師匠としてだけでなく、
師匠の人柄にひかれているファンとしては、
詳しく知りたくなりますよね。
勝ったのは、テレビ棋戦ということで、
「杉本師匠はテレビにでるの?」
「しかも杉本師匠が勝った対局が観られるの?」
と、興味をもった方もいるでしょう。
でも実は、現時点ではまだ、
師匠が勝った対局が放送されるかはわかりません。
「どういうことなの?」と、気になってきますよね。
実は、ちょっと事情が複雑なのです。
そのあたりのことを、筋道たてて説明をしてみたい、
というのが今回の趣旨です。
日本将棋連盟のサイトに、「昇段・キリ数までの勝数」
というページがあります。
「キリ数」というのは、「きりのいい数」という意味です。
通算100勝とか500とかetc.
今回の内容と関係あるのはもちろん、
「昇段までの勝数」の方ですね(^^)
2019年2月21日までの時点では、
杉本昌隆先生は、八段昇段まであと2勝、
となっていました。
正直にいうと私は、あと2勝なので、
昇段はまだ少し先だろう、と油断していました(笑)。
しかし、今回杉本先生が昇段を決めた舞台である、
「テレビ棋戦」の場合、1日に2局対局、というのがあるんですねー。
プロ将棋の対局の結果は、結果がでたら、
少なくとも翌日には公開されますし、
その日のうちに公開されることも多いです。
その場合、誰と誰が対局し、勝敗はどうだった、というのが、
すぐわかるようになっています。
でも、テレビで放送される棋戦(テレビ棋戦)の場合は、
原則、対局がテレビ放送されるまで、結果は秘密です。
未公開のテレビ棋戦の結果は秘密、というルールがあるためです。
今回の場合、杉本七段が勝った、という結果の方が
公開されてしまっているので、代わりに、
「どの棋戦の対局だったか」が秘密にされているようです。
なので当然、昇段のときの対戦相手が誰なのかとかもわかりません。
時期的に、銀河戦の本戦とNHK杯の予選のどちらかです。
この2つには、1日に複数対局が行われるという共通点があります。
どちらかの棋戦が、22日に行われ、
杉本昌隆七段(当時)が出場し2勝したと考えられます。
銀河戦は1日に2局分収録が行われることがあります。
(1局だけのこともあります。)
収録日の最初の対局に勝った棋士は、
勝ち進んで次の対戦相手と当たります。
銀河戦はパラマス式トーナメントでの勝ち抜き戦なので、
「次の相手」は予め決まっています。
もしも、2019年2月22日に行われた対局が銀河戦だった場合、
杉本七段の出番である7回戦と8回戦の計2局が指され、
杉本七段が両方勝ったことになります。
ちなみに銀河戦の7、8回戦の対局日程ですが、
前期のものを調べると、年末から3月までと、
かなり幅があります。
今期、杉本昌隆先生のいるGブロックについては、
3月に入ってからでした。
NHK杯の予選についてですが、
将棋の棋戦の中で、一番謎かもしれません。
NHK杯予選は、1日に一気に行われ、出場者が決まるようです。
これはウィキペディア情報なのですが、後述の藤井四段(当時)の
棋譜データベースからも裏付けがとれています。
トーナメント表は、後になって公開されます。
勝ち進んだ棋士は、最大3局の対局となります。
予選でシードされていると、最大2局になります。
それと、やはりウィキの情報ですが、予選は東西に分かれて行うのが普通のようです。
つまり、関西の棋士は、大阪で対局します。
一方、対局日については、いつの間にか行われてる印象で、
日程を一般の人が知るすべはほとんどないように思います。
でも、2017年の藤井聡太四段(当時)の対局は、
なぜかデータベースに棋譜があり、
対局日までわかるようになっています。
その日付は、2017年2月23日となっています。
藤井四段(当時)は予選で計3局戦いましたが、
3局とも同じ日付でした。
杉本七段(当時)も藤井聡太四段(当時)と同じブロックにしたので、
2017年2月23日に予選を戦ったはずです。
日付的に、かなり2月22日に近いですし、
杉本・新八段誕生となったのが、NHK杯予選である可能性も十分ありそうですね。
この場合、昇段局の対戦相手については、まだ不明です。
ちなみに、藤井聡太七段は、2年目は朝日杯優勝によってNHK杯は予選免除となったため、
1年目しか予選に出場したことはありません。
これまでは、2月21日までの時点で、杉本七段(当時)が、
七段昇段後、188勝だったことを前提としています。
でも実はもう一つ、可能性があるのです。
2月21日の時点で、八段昇段まであと2勝、というのは、
「未放送のテレビ棋戦を除いた」カウントにもとづいているのです。
実際、テレビ棋戦の結果は反映されていないので、
杉本先生の昇段が報じられ、
2月22日のデータが反映された2月23日現在でも、
「昇段・キリ数までの勝数」はまだ「2」となっています。
なので、例えば、銀河戦で2月21日以前に一勝(した後に一敗)していて、
「七段昇段後188勝」の状態になっていて、
NHK杯予選でもう一勝した、という可能性も否定はできませんね。
もちろん逆の順番もあり得ます。
可能性が色々あり過ぎて、シミュレーションするのが大変です(笑)。
まあ、とりあえず、銀河戦の8回戦ではなく、一つ前の7回戦の時点で
昇段した可能性も否定できない、というのをおさえておければいいかな、と。
結局、杉本昌隆七段の八段昇段の対局が放送される可能性は、
どのくらいありそうなのでしょうか?
昇段の一局が、銀河戦であれば放送されるわけですので、
問題は、その可能性がどのくらいありそうか、ということですね。
個人的には、放送される可能性は、半々くらいではないかな、と思います。
ただ、少なくとも、銀河戦の8回戦での昇段ではなかったのでは、と思います。
その根拠の一つは、日程です。
2月22日に銀河戦Gブロックの7、8回戦が両方行われたとすると、
前期の日程と比べると、少し早い感じがします。
それと、対局が行われた場所です。
杉本先生の八段昇段の将棋は、大阪の関西将棋会館で行われました。
通常、東西どちらの将棋会館で対局を行うかは、
格上の棋士の所属がどちらであるかによって決まります。
(たまに例外もあるようですが。)
銀河戦7回戦の対戦相手は、高橋九段と増田康宏六段の勝者なので、
段位が下の増田六段であれば、杉本先生所属の関西での対局になります。
しかし、8回戦の時点で杉本先生がまだ七段だとすると、
松尾八段との対局は、格上が相手ということになりますから、
日を改めて、関東で行われるはずですので。
(なお、先ほど書いたように、NHKの予選の方は、杉本先生の場合は関西所属なので大阪で指します。)
すると、考えられるのは、次の3通りです。
NHK杯予選で杉本先生が2勝して、2勝目の時点で八段昇段した可能性。
銀河戦で増田六段か高橋九段に勝った杉本七段が、NHK杯予選でも1勝して昇段した可能性。
NHK杯予選で杉本先生が1勝したあと2回戦で敗退し、その後、増田六段に勝って八段昇段した可能性。
どれも十分にありそうですね。
ここでポイントとなりそうなのは、ニュースサイトで昇段の記事が公開された時間です。
八段昇段のことを(私がみた限りで)一番早く公開していた記事は、
配信時刻が、15時過ぎごろとなっていました。
最初の可能性についてですが、取材が行われたのが、
3局の対局すべてが終わった後だとすると、その取材直後に
急いでニュース記事をアップロードしたら、
ちょうど15時過ぎごろになることも十分あるかな、と。
杉本先生への取材は、動画にもなっていました。
そして、多くのニュース記事に記載されている杉本八段のコメントは、
その動画取材にもとづいています。
最初のニュース記事もです。
しかし、この動画は、それほど長いものではないので、
3局の将棋と取材の後でも、15時過ぎのニュース配信は十分可能だと想像します。
仮に、1局目を午前に指し、2局目、3局目を午後に指したとしても、
持ち時間20分で考慮時間もないNHK予選なら、
対局があまりにも長引かなければ、15時前の終了は普通にありそうです。
逆に、2局目終了後の取材だとすると、15時代での投稿はむしろ遅いような気もします。
最近はニュースになるのがあっという間という印象がありますから。
ただ、それも十分にあり得ますね。
八段昇段を決めた直後の感想の方が、実感あるコメントをもらえそうですし。
一つ気になるのは、藤井七段の杉本八段へのお祝いのコメントを
いつもらったかですが、これは事前にもらっておいたのだと思います。
藤井七段は現役の高校生ですから、平日にいきなりお祝いコメントを
求められて、すぐ対応できるとは限りませんからね。
もっとも、藤井七段なら平然と対応してしまうかもしれませんが。
朝日杯の取材のときにでも、もらっておいたのだろうと想像します。
二つ目と三つ目の可能性ですが、これらの場合、
午前中の対局で昇段を決めたことになると思うので、
15時の配信は少し遅いかもしれません。
とはいえ、確認作業などもありますから、
それだけ時間が必要であっても全然不思議はありませんね。
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勝って八段昇段条件をクリアした対局は、
テレビ棋戦の対局です。
銀河戦の本戦かNHK杯の予選のどちらかです。
どちらであるのかは、まだ公表されていません。
4月になれば、NHK杯の本戦開始とともに予選のトーナメント表が公表されますし、
杉本先生登場の銀河戦Gブロック7回戦も放送されます。
どんなに長くとも、銀河戦Gブロック8回戦の放送まで終了するころには、
すべてが明らかになります。
八段昇段を決めたのが銀河戦だった場合、
杉本七段が八段に昇段する瞬間がテレビで放送されることになります。
一方、八段昇段を決めたのがNHK杯予選だった場合は、
予選ですので、残念ながら放送はされません。
また、現時点の情報では、予選を通過しているかどうかもわかりません。
現状、少なくとも、銀河戦に杉本昌隆先生が登場することは
わかっているので、ケーブルテレビなどで銀河戦を視聴できる方は、
杉本師匠のかっこいい対局姿をご覧になってはいかがでしょうか(^^)