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将棋のタイトル戦といえば、やはり名人戦・竜王戦が代表的です。
これらは、「7番勝負」という方式で行われます。
7番勝負というのはどういうものなのか、
プロの将棋に詳しくない方にもなるべくわかりやすく
まとめてみましたので、参考にしていただければ幸いです(^-^)
目次(もくじ)
「番勝負」というのは、何回か対局をして、その結果で勝敗を決めるものです。
将棋や囲碁の世界で、タイトル戦などの大きな舞台で採用されている方式になります。
一局で決まらないのであれば、どうなったら勝ちになるのか?
このことについて、みていきましょう。
7番勝負の場合は、最大でも、対局数は7局です。
先に7の過半数(半分より大きな数)である、4回対局で勝った棋士が勝者となります。
なので、どちらかの棋士が4勝した時点で、勝負が決まり、番勝負終了となります。
8局以上指されることはありません。
なぜならば、7局指せば、どちらかの棋士は絶対に4勝はします。
(お互いの勝ち数が3勝以下ならば、対局数は6局以下であるはずですからね。)
7局よりも少ない対局数で決着することもありますが、
最大でも7局までということで、「7番勝負」という呼び方がされているのでしょうね。
7番勝負は最大で7局まで、という話をしました。
でも、「そうではない例があったような・・・?」と思った方もおられるかもしれません。
それは正しいです。
矛盾していますね(^^;)。以下、説明しますね(^-^)
実は、先ほどの議論は、ある条件付きでのみ正しいのです。
その条件とは、「引き分けがない」こと。
なので、引き分けが成立してしまった場合は、
その分対局数は増えます。
トータルで7局を越えてしまう事例も実際にありました。
さて、将棋の引き分けとは、何だったでしょうか?
同一局面が繰り返される「千日手」と、
お互いの王将がもう詰まない形になってしまっていて、
持っている駒の価値から計算した得点も互角となる「持将棋」です。
これらの引き分けはときどき将棋界で起こるので、
将棋ファンの間でも話題になることがありますね。
引き分けのために、7番勝負が7局で終わらなかったので一番有名なのは、
ひふみんの愛称で親しまれる、加藤一二三九段の例です。
当時名人だった中原誠16世名人に、名人戦で挑戦し、
名人を奪取し加藤一二三先生は、名人となりました。
そのときの名人戦は、千日手が2局、持将棋が1局の、計3局が引き分けで、
それ以外もフルに戦ったので、3足す7で10局、
そう、なんと、10番勝負となったのでした!
この中原vs加藤の名人戦10番勝負は、
今でも語り継がれる伝説的な戦いで、
加藤九段ご自身が最終局の劇的な勝利の思い出を色々なところで語っておられます。
10番勝負はさすがに珍しいと思いますが、千日手による引き分けであれば、
私自身、いつかの事例を思いつきますし、結構あるのかもしれません。
以上で、「7番勝負とは?」という疑問には一応答えることができたと思いますが、
せっかくなので、おまけとしてもう少し話をさせていただきたいと思います。
タイトル戦の7番勝負というと、個人的には、
じっくりとした長い戦いというイメージが強い気がします。
7番勝負にじっくりしているイメージがあるのは、
番勝負自体が長丁場であることもあるのですが、
多くの7番勝負が、二日間かけて行われるものだから、というのがありますね。
将棋の指し手自体は、スピード感あるものも少なくないと思いますが、
二日制は持ち時間が多いので、棋士たちも長考します。
そのため、観ている側もゆっくりと将棋を味わえるのです。
ちなみに長丁場であることも7番勝負の大きな魅力で、
5番勝負のタイトル戦だとあっという間に終わってしまって、
もっと観ていたいのに、と思ってしまうことも(^ ^;)。
一日目で中断して二日目に再開するまでの間、
観ている者たちは、次の手を知ることができません。
中断の局面の次の一手は、その局面で手番を握っていた側の対局者だけが知っています。
次の一手は、「封じ手」に記入され、厳重に保管され、
二日目の朝、封じ手開封の段階になって、初めて公開されるのです。
観戦している側からすると、翌朝までの間、どのような手を対局者が封じたのか、
予想したり想像したりするのが大きな楽しみになります。
封じ手は、7番勝負の特徴といってもよさそうな気もしますが、実は、
7番勝負のタイトル戦である叡王戦に関しては、封じ手はなしです。
叡王戦は、持ち時間の点でも、他のタイトル戦と違う変則的な面があります。
一番新しいタイトル戦であり、意欲的な試みがあって楽しいですね。
もちろんそれだけでなく、タイトルの序列は3番手と高いし、
タイトル戦に相応しい素晴らしい勝負が観られる棋戦となっています。
将棋界のタイトル戦で、7番勝負のものをリストしておきましょう。
8大タイトル戦の中の、5つまでが7番勝負というわけですね。
ちなみに順番は、開催時期順にしてみました。
年が明けてからわりとすぐに開催されるのが王将戦で、
春の叡王戦、名人戦、夏の王位戦、冬の竜王戦と続きます。
先ほども話にでましたが、叡王戦だけが一日制です。
他は二日制なので封じ手があります。
7番勝負についての基本的な知識を駆け足で簡単にまとめてみました。
以上のような内容を扱いました。
将棋をよりよく楽しむためにお役立てください(_ _)。