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将棋界の8大タイトルの中で最大の賞金額を誇り、序列も名人と並ぶトップである竜王。
その竜王位に挑戦するための、いわば一次予選である竜王戦ランキング戦の賞金額について、ここではまとめておきたいと思います。
ランキング戦は、若手棋士たちが活躍している舞台でもあります。
藤井聡太七段やその他の若手人気棋士も活躍している夢のある舞台について、是非チェックしておきましょう^^
目次(もくじ)
竜王戦のランキング戦は1から6組まであります。
数字が小さい組ほど、本戦で有利だったり、アドバンテージがあるのですが、そのあたりの話は別なところに書きます。
ここではまず、各組の賞金をみておきましょう。
ランキング戦のトーナメントでは、優勝者と準優勝者に賞金がでます。
金額を表にまとめてみました。
以下の表で、賞金の単位は、「万円」です。たとえば、3組準優勝なら60万円の賞金になります。
組 | 優勝賞金 | 準優勝賞金 |
6 | 93 | 20 |
5 | 155 | 41 |
4 | 205 | 52 |
3 | 260 | 62 |
2 | 360 | 93 |
1 | 460 | 115 |
竜王戦ランキング戦の対局は、1日で終了します。
そして、優勝と準優勝の金額差は結構大きいです。
つまり、たった1日の勝敗の行方がこれほどの金額差を生むのですね。
将棋の世界における勝負というのは、なんだかすごいものですね。
ランキング戦の金額についての情報自体は以上となります。
なお、本戦の情報については別な記事に書く予定です。
さて、その本戦との関わりで、ランキング戦の優勝には重要な意味があるのでしたね。
竜王戦ランキング戦の成績上位者は竜王戦の決勝トーナメント(このブログでは「本戦」という表現も用いています)に進出できるのです。
本戦では、対局料がもらえます。
対局料は、勝ち負けに関係なしに払われます。
その意味で、ランキング戦の結果得られる金額は、優勝賞金のみにとどまらなかったりします。
ここではとりあえず、本戦への進出条件をまとめておきます。
組 | 決勝トーナメント進出条件 |
6 | ランキング戦優勝 |
5 | ランキング戦優勝 |
4 | ランキング戦優勝 |
3 | ランキング戦優勝 |
2 | ランキング戦優勝・準優勝 |
1 | ランキング戦優勝・準優勝
出場者決定戦勝者(3名) |
1組で行われる「出場者決定戦」の勝者3名は、1組の3位・4位・5位として、本戦進出します。
出場者決定戦の詳細についてはまたどこかで扱えたらと思います。
こうしてみると、3組までは、決勝トーナメントの対局料の観点からも、優勝と準優勝の差が大きいですね。
やはりどうしても気になってしまうのが、誰が賞金を手にしたか、ですよね。
以下、まとめてみます。
竜王戦のそれぞれの組には、様々な年代の棋士がいます。
現在の将棋界では、若手棋士が強いといわれていますが、竜王戦も例外ではなさそうです。
現状、若手棋士のほとんどは3組以下のクラスに在籍していますが、優勝や準優勝など大活躍しています。
以下の表の通りです。
年度 | 組 | 優勝棋士 | 準優勝棋士 |
2017 | 6 | 藤井聡太 | 近藤誠也 |
2017 | 5 | 増田康宏 | 伊藤真吾 |
2017 | 4 | 佐々木勇気 | 千葉幸生 |
2018 | 6 | 都成竜馬 | 大橋貴洸 |
2018 | 5 | 藤井聡太 | 石田直裕 |
2018 | 4 | 増田康宏 | 三枚堂達也 |
2018 | 3 | 千葉幸生 | 斎藤慎太郎 |
2017年度、2018年度と、年度で書きましたが、竜王戦の第30期と第31期とした方が正確ですね。
3組までなので、表の左側の棋士が決勝トーナメント進出した棋士になります。
優勝・準優勝ともに、ほとんどが20代以下の若手棋士になります。
この若さにして、1日の対局で20万円以上を手にしているという驚異!
藤井聡太七段、増田康宏六段の二年連続優勝がやはり際立っていますね。
そして、3組という上位クラスにおいて、高見叡王と同世代の若手有望棋士である斎藤慎太郎七段が準優勝という結果なのも、将棋界の若手が強いことを象徴していると思います。
また、2017年度の第76期順位戦C級2組で好成績をあげて昇級した都成五段、惜しくも昇級を逃した大橋四段など、大活躍の藤井七段にも匹敵する勢いのあるライバル若手棋士たちが6組で優勝を争ったことなども、ファンを熱くさせるものがありますね。
2017年度に惜しくも藤井四段(当時)に6組優勝で敗れた近藤誠也五段も、他棋戦で素晴らしい結果をだされていますし、若手同士の覇権争いは今後も見守っていきたいですね^^
将棋界では若手が強くて、しかも大きな賞金額を勝ちとっている、というのは、若者にとっては勇気づけられる事実だと思います。
将棋界では依然として「羽生世代」という世代の棋士たちがトップに君臨しています。
羽生世代の棋士は、すでに40代後半。
みなさん貫禄はあるものの、若々しくみえるので忘れてしまうのですが、もはやベテラン棋士というべきポジションにいます。
そんなベテランの先生たちは、竜王戦でも強いです!
先ほどのと同じのような表ですが、今度は1、2組についてのものを載せます。
年度 | 組 | 優勝棋士 | 準優勝棋士 |
2017 | 2 | 稲葉陽 | 佐藤康光 |
2017 | 1 | 松尾歩 | 羽生善治 |
2018 | 2 | 三浦弘行 | 深浦康市 |
2018 | 1 | 広瀬章人 | 豊島将之 |
若手の中でも、先ほど登場した棋士たちよりやや上の世代にあたる、稲葉八段、広瀬八段、豊島八段の台頭は目立ちます。
しかし、そんな中、羽生先生や佐藤康光先生、そして三浦先生と深浦先生が他棋戦同様に上位陣に入っています。
特に、羽生先生は2017年度の1組決勝で敗れた後、決勝トーナメントで優勝し、渡辺明竜王(当時)から竜王を奪取して永世7冠になっているという素晴らしい実績をだしました。
2018年度も、佐藤康光先生が「出場者決定戦」を勝ち上がって本戦進出していますし、羽生世代の隆盛はいまだに衰えていない印象です。
ここでだした、2組以上のランキング戦決勝の舞台にもなると、1局でなんと90万円以上の賞金がもらえます。
流石は竜王戦、という感嘆とともに、トップ棋士たちの争いの重みを感じます。
若手の躍進に目を奪われがちですが、ベテラン世代が結果を出し続けていることのすごさも忘れないようにしたいですね!
格好いい年の取り方をしている将棋界の40代以上の棋士たちは、同世代の大人たちにとっては、はげまされる存在であると思います。
賞金のことばかり書きましたが、得られるのは何もお金ばかりではありません。
特に若手棋士にとって、竜王戦ランキング戦決勝などの大きな舞台での対局で得られるものは大きいと思います。
勝てばタイトル挑戦への道が開けるかもしれない勝負で、しかも大きな賞金がかかっているとなると、プレッシャーもまた大きいでしょう。
どうしても勝ちたい気持から、かえって焦りが生まれたりして、いつもの自分の将棋が指せないかもしれません。
そうした状況で勝てれば大きな自信が生まれますし、たとえ負けたとしても、納得できる将棋が指せれば、きっとさらなる飛躍につながるでしょう
個人的には、大きな賞金というのは、そのような棋士の成長にもつながる要素でもあるのだと想像しています。
竜王戦の7番勝負が決着した後、後日、竜王就位式という式典が行われます。
竜王戦各組の優勝者はその際、メダルを贈呈されます。
単に賞金をもらえるのにとどまらず、格式ある式に参加し、ランキング戦優勝という大きな実績に対する名誉の証をもらえるという、非常に嬉しい経験ができるわけです。
これはベテランでも嬉しいことだと思いますが、特に若手にとっては貴重な体験となるでしょうね。
将来タイトル戦にでるときのために、このような式典の空気に慣れておくとよさそうですし。
藤井七段や増田六段は2年連続でそのような経験をすることになるわけで、やはり頼もしいですね。
【こちらも竜王戦の賞金額についての記事です】 => 竜王戦の賞金額や対局料まとめ【7番勝負から挑決T、ランキング戦まで】
今回は、竜王戦のランキング戦の優勝・準優勝の賞金を中心に書きました。
若手棋士が活躍し、ベテラン棋士も流石の結果を出す竜王戦ランキング戦。
下の方のクラスでもかなりの賞金額が設定されていて、さらに本戦で勝てばもっと多くを手に入れることができます。
金額だけでなく、大きな舞台での戦いの経験という点でも、棋士にとって一生ものの財産になります。
大変夢のある棋戦ですね。
賞金額が開示されていると、より感情移入しやすくなり、他の棋戦以上に力をいれて応援したくなるファンもいるかもしれませんね^^
若手、中堅、ベテランどの世代を応援するかは人それぞれですが、竜王戦で自分に近い世代の棋士たちが活躍している姿はファンにとってとても喜ばしく、勇気づけられるものであるに違いありません。