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竜王戦の本戦とでもいうべき、決勝トーナメント。
そこでは、挑戦者として竜王戦7番勝負の舞台に出る権利を争う大きな勝負が行わます。
ここまでくると、一局で動く金額がすごいことになっています。
棋戦の中では、竜王戦は賞金や対局料についてかなり情報をオープンにしてくれています。
ここでは、公開されている情報をまとめて、色々計算してみたりします^^
目次(もくじ)
「竜王戦7番勝負への挑戦者を決める「竜王戦決勝トーナメント」に出場した棋士がもらえる収入は?」
将棋ファンであってもなくても、気になる人は多いと思います。
ここでは、竜王戦決勝トーナメントの対局料の情報についてまとめたいと思います。
竜王戦決勝トーナメントの予選にあたる、ランキング戦では、賞金が優勝者と準優勝者にでるのでしたね。
優勝者と準優勝者で賞金額が大きく異なるのでした。
勝つか負けるかで、もらえる額が違ってきてしまうのです。
これに対して、決勝トーナメントでは、「賞金」と呼べるものは存在しないようです。
その代わりに、勝っても負けてももらえる対局料(勝負の結果で金額が変化しない)があります。
勝てばまた次の勝負があり、また対局料をもらえるので、ある意味では次の勝負の対局料が賞金のようなもの、とみることもできます。
竜王戦の本戦、正式には決勝トーナメントは、大きくわけると左右2つのブロックにわかれています。
以下では、対局料を左右のブロックごとにわけてまとめたりもします。
一応簡単に左右のブロックについての説明もしておきます。
左側と右側でトーナメントの形が結構違っているんですよね。
左側は4から6組の優勝者がいるブロックになります。
こちらは、若手棋士が多く登場している印象です。
右側は3組や2組から進出の棋士たちがいます。
こちらはベテランや中堅棋士がいる印象があります。
あくまで印象で、年によって違うと思いますが。
1組から進出の棋士は結構たくさんいて、左右どちらのブロックにもいます。
ブロックごとに、本戦の対局料をみてみましょう。
まずは左側のブロックです。
左側のブロックは単純な勝ち抜き戦になっていて、優勝した組の番号の数字が大きい棋士ほど出番が早い、というイメージです。
対局者 | 1回戦 | 2回戦 | 3回戦 | 4回戦 | 5回戦 | 6回戦 |
6組優勝者 | 46 | 52 | 77 | 120 | 165 | 450 |
5組優勝者 | 52 | 52 | 77 | 120 | 165 | 450 |
4組優勝者 | – | 57 | 77 | 120 | 165 | 450 |
1組5位 | – | – | 103 | 120 | 165 | 450 |
1組4位 | – | – | – | 120 | 165 | 450 |
1組優勝者 | – | – | – | – | 195 | 450 |
続いて右側のブロックです。
実は、右のブロックは左側より少し複雑です(誰と誰が当たるかが)。
しかし、ここでは気にせず、とりあえ対局料だけ同じように示します。
対局者 | 1回戦 | 2回戦 | 3回戦 | 4回戦 |
3組優勝者 | 77 | 120 | 165 | 450 |
2組2位 | 103 | 120 | 165 | 450 |
2組優勝者 | – | 103 | 165 | 450 |
1組3位 | – | 120 | 165 | 450 |
1組2位 | – | 120 | 165 | 450 |
念のため書くと、「2組2位」とかは、「2組準優勝」と同じです。当り前ですね(笑)。
でてくる数字は、左右どちらのブロックも同じなのですね。
2つの表を比べると、3組以上、特に2組以上からは、最初のトーナメント最初の対局からもらえる金額が相当に大きいことがわかります。
このことからも、竜王戦が棋士の序列を決める、ということがわかりやすくみてとれるように感じます。
最後の勝負、つまり竜王戦決勝トーナメントの決勝戦(ややこしいですね^^)、まで勝ち進んだ場合、最後は対局料が450万円となりますが、これは1局あたりの金額でなないと思います。
なぜかというと、この決勝戦まで勝ち残った2名同士が戦う最後の勝負は、「挑戦者決定3番勝負」だからです。
3番勝負なので、全部で2局か3局対局が行われます。
つまり、決勝トーナメントの決勝は、1局あたり225万か150万円の対局料となるはずです。
竜王戦の本戦は、1局あたり最大で225万円の対局料となっている、といえますね。
竜王戦決勝トーナメントの対局料は、下の方の勝負でも、すでにものすごい数字になっていますが、勝ち進めばもっと増えていくわけです。
一体、挑戦者決定戦まで勝ち進むと、総額どのくらいになってしまうのでしょうか?
以下、ランキング戦の組と順位ごとに、決勝トーナメントの決勝まで進出した場合の対局料を示します。
ただし、対局料だけの比較では情報として不足なので、ランキング戦の賞金も加算した数値も付け加えました。
組・順位 | 対局料(最大値) | ランキング戦賞金加算後 |
6組1位 | 910 | 1003 |
5組1位 | 916 | 1071 |
4組1位 | 869 | 1074 |
3組1位 | 812 | 1072 |
2組2位 | 838 | 931 |
2組1位 | 718 | 1078 |
1組5位 | 838 | 838 |
1組4位 | 855 | 855 |
1組3位 | 735 | 735 |
1組2位 | 735 | 850 |
1組1位 | 645 | 1105 |
ここでは、各組の優勝者を「1位」と表記しています。
この表から、純粋に対局料だけならば、5組優勝者が一番高いことがわかります。
全部勝った場合の対局数が一番多いのは6組と5組の優勝者であり、5組の方が6組よりも上のランクであるためですね。
しかし、ランキング戦の賞金を合わせると、やはり1組の優勝者が一番ですね。圧倒的です!
他の組でも、ランキング戦で1位になっていれば、上位の組のランキング2位以下よりも数字が大きくなっていることがわかります。
竜王戦ランキング戦の「1位」というのはそれだけ大きい業績なのですね!
竜王への挑戦のしやすさ、対局料と賞金額の合計の点で、竜王戦ランキング戦1位は群を抜いています。
その次にいいのが、2組優勝者ですね。2回勝てば挑戦者決定戦に出られますし。その次は3組1位ですかね。
ただし、ランキング戦各組には、賞金だけではなく、対局料もあります。
上位の組ほど対局料がいいはずなので、その分だけ、たとえば2組1位と1組3位など金額差はある程度埋まる可能性があります。
このような詳細なことも、我々ファンはつい興味をもってしまいますね(笑)。
でも、挑戦者になってしまいさえすれば、たとえ竜王奪取できなかったとしても非常に大きな賞金が入るので、当事者である棋士の先生たちはあまり気にしていないのかもしれません。
藤井聡太七段は、まだ四段だった2017年度の竜王戦で、いくら稼いだのでしょうか?
また、ランキング戦で七段昇段を決めて、決勝トーナメントにも進出した2018年度は、勝ち進んだ場合最大でいくら手にすることになるのでしょうか?
これが一番人々の関心を集めるところかもしれません。
2017年度の竜王戦の決勝トーナメントでは、藤井聡太四段(当時)は、初戦の増田四段(当時)との対局に勝利し、次の佐々木勇気五段(当時)との対局で敗れました。
したがってそのときの対局料は、46万+52万で、98万円となります。
ランキング戦の賞金も足すと、93万+98万で、191万円となります。
2018年度では、どこまでいくでしょうか?
ランキング戦決勝の石田直裕五段戦や、王座戦本戦での深浦康市九段戦での、藤井七段の強さを考えると、2017年度よりも勝ち進む可能性も十分考えられます。
挑決戦まで進んで、10代にして1000万円を手にする、まさに「竜王戦ドリーム」を実現するような展開も期待してしまいますね!
【竜王戦の賞金のまとめ記事です】 => 竜王戦の賞金額や対局料まとめ【7番勝負から挑決T、ランキング戦まで】
今回は竜王戦の本戦の対局料についてでした。
竜王戦の決勝トーナメントの図は若干複雑というかいびつ(?)な形をしていて、個人的には、一目で把握するのが意外と難しいんですよね。
みているとゲシュタルト崩壊していきます(笑)。その原因は、左側がパラマス式で、右側が通常のシードありのトーナメントみたいになっていて、その2つかつながっているところに違和感を感じてしまうからだと思います。
そこで、ブロックをわけて考えたり、表にしたり私なりに工夫をしてみました。
これにより、いつもと視点を変えて新鮮な気持ちになっていただければ幸いです^^