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将棋界の二大ビッグタイトルである竜王と名人を両方もつ、
「竜王名人」という肩書の棋士が登場することは、
長い将棋界の歴史でもとてもレアケースです。
これまでにも4名しか「竜王名人」達成棋士は登場していません。
ここでは、竜王と名人の同時保持を達成したのはどの棋士であるか、
竜王・名人だった時代はいつ頃だったのか、みていきましょう!
新たな伝説の予感>>第34期竜王戦挑戦者決定三番勝負の日程・結果・戦型【永瀬VS藤井】
目次(もくじ)
竜王と名人は互いに双璧をなす将棋界の最高タイトルです。
そのため、どちらか一つでも獲得したことのある棋士は、
かなり少ないです。
竜王は、比較的歴史の浅いタイトルであることもありますし。
竜王経験者でありしかも名人経験者である棋士は、
次の通りです。
最初に竜王を奪取した年が早い順に並べました。
ほとんど羽生世代ですね。
竜王は、谷川九段の全盛期から羽生世代の台頭期に
移行するくらいの時代につくられたタイトルだと
理解していますが、まさにそのことを反映していますね。
このうち、佐藤康光九段を除く4名が、竜王と名人の座に同時に
ついていたことがあります。
つまり、歴代竜王名人は、次の通りです。
ちなみに佐藤康光先生も、竜王は1993年の第6期に獲得、
そして名人は1998年の第56期と1999年の第57期に獲得していますので、
結構、惜しいといえるのかもしれません。
谷川浩司九段は、竜王を4期獲得しています。
1996年の第9期には羽生善治竜王(当時)から奪取し、
翌1997年の第10期に真田圭一六段(当時)から防衛しましたが、
1998年、藤井猛六段(当時)から奪取されました。
一方、名人戦では、1997年の第55期に羽生善治名人(当時)から奪取しています。
羽生先生は、1996年に七冠独占を達成しています。
その後半年程度で失冠したとはいえ、将棋界の頂点に君臨していた羽生先生から、
ビッグタイトルである名人を奪取する谷川先生も、流石ですね。
その後、1998年には第56期には佐藤康光先生に奪取されました。
というわけで、谷川浩司九段の竜王名人時代は、1997年冬から1998年春ごろです。
森内俊之九段は、永世名人(十八世名人)の資格をもっていることから、
名人を何度もとっていることがわかります。
竜王も2期も獲得しています。
2013年の第26期には渡辺明竜王(当時)から奪取し、
2014年の第27期に糸谷哲郎七段(当時)から奪取されるまで竜王位についていました。
8期も獲得した名人については、2011年の第69期には
羽生善治名人(当時)に勝利、2012年の第70期、2013年の第71期も
羽生先生相手に防衛し、2014年の第72期、またして羽生先生の挑戦を受け、
今度は流石の森内先生も敗北し、名人を奪取されました。
というわけで、森内俊之九段の竜王名人時代は、2014年夏ごろから2014年冬ごろです。
羽生善治九段は、永世名人・永世竜王どちらの資格ももっているので、
それぞれの棋戦の獲得回数は多いです。
では、同時にもっていた時代となると、どうなるでしょうか?
これについては、膨大な情報を処理する必要があって大変なのですが、
幸い、以前に羽生善治九段の肩書(タイトル獲得歴)について調べたことがありました。
【こちらの記事ですー>】 羽生善治九段の肩書きが「○冠」だった時期をまとめます!
よくみると記入ミスもあったりするのですが・・・。時間をみつけて修正しておきます(_ _)
上記リンク先の記事の表を参考にして大雑把にいうと、
羽生善治九段が、竜王と名人を同時保持していた時代は、
1994年から1996年(七冠独占時代も含む)、
2003年、ということになるはずです。
豊島将之竜王は、2018年に、羽生棋聖(当時)に挑戦し、初タイトルの棋聖を獲得しました。
その後、王位を菅井王位(当時)から奪取して二冠に。
翌2019年には、名人戦で佐藤天彦名人(当時)に挑戦し、名人を奪取しました。
これで名人を含む三冠となりましたが、
棋聖戦では渡辺明二冠(当時)の、王位戦では木村一基九段の挑戦を受け、
どちらのタイトルも防衛に失敗し、棋聖と王位を失冠します。
その後、2019年の第32期竜王戦7番勝負で、
豊島将之名人(当時)が広瀬章人竜王(当時)に挑戦し、
広瀬竜王(当時)にとっては竜王2連覇と九段昇段、
豊島名人(当時)にとっては「竜王名人同時獲得」がかかった勝負を、
挑戦者・豊島名人(当時)が制しました。
これで豊島将之竜王名人の誕生となったのです。
しかし、翌2020年には名人戦で渡辺明三冠(当時)の挑戦を受け、
名人位を奪取されてしまいました。
その後、豊島竜王はその後、永瀬拓矢叡王(王座)に挑戦した叡王戦を制し、叡王を獲得しました。
(二冠ですが、竜王は優先されるので、肩書きは「豊島竜王」です。)
以上から、豊島将之竜王の竜王名人時代は、2019年冬から2020年夏といった期間でした。
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歴代の「竜王名人」について調べました。
レジェンドになるような棋士の先生たちばかりでしたね。
そして、将棋史の残るその棋士たちでさえも、
竜王と名人を同時に保持していた時期はむしろ少なく(短く)、
同時達成はそれだけ伝説的な偉業といえますね。
2019年の第32期竜王戦7番勝負は開幕後、豊島先生が3連勝で圧倒的優位に立ちました。
7番勝負の「3連敗の後の4連勝」というのは、まだ将棋界では
2回しか事例のない出来事なので、さすがの広瀬章人竜王(当時)でも、
逆転することはできませんでした。
広瀬先生も1勝を返して一矢を報いましたが、豊島先生が押し切り「4人目」の竜王名人となりました。
第32期竜王戦7番勝負は、伝説になる、すごいシリーズであったといえますね。