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「羽生○冠」の肩書きだった時代が印象的だと思う人も多いことでしょう。
(○のところには、二から五までの漢字数字が入ります。)
今回のテーマは、そのような肩書きだった時代が、いつだったか、です。
豊島将之新名人が誕生し、すでにもっていた棋聖・王位のニ冠と合わせて
「三冠」になりましたね。
将棋史上九人目の三冠ということで、快挙ですね!
ところで、三冠の肩書きといえば、「炎の7番勝負」で
藤井聡太四段(当時)と対局したときの、羽生善治九段も、
当時は「三冠」でしたよね。
今でこそ無冠の羽生善治九段ですが、
わりと最近まではタイトルを複数もっていて、
もっているタイトルが棋聖の一冠だけになったときは、
結構話題になりました。
その当時は、「羽生棋聖」の呼び名に違和感を感じる人もいたと思います。
その後、27年振りに無冠になって「九段」になったときも同じような感じでした。
今回は、親しまれた呼称である、「羽生善治○冠」についてです。
羽生がそのような肩書きで呼ばれていた時期は、いつだったのか?
考察を行って、まとめてみたいと思います。
目次(もくじ)
羽生善治九段は、七冠独占をしていた時代もあることからもわかるように、
8大タイトルのうち、叡王を除くどのタイトルも保持したことがあります。
獲得回数があまりにも多すぎて、また、同時にもっていたことも非常に多いので、
まずは、タイトルごとに、いつごろもっていたのか、保持した時期・期間をまとめておきたいと思います。
羽生九段の初タイトルは、19歳のときに獲得した竜王でした。
2018年に無冠になる前に最後にもっていたタイトルも竜王。
合計で7期保持した竜王をもっていた時代は、下記の通りです。
竜王戦の決着は例年、12月頃のはずなので、タイトル保持期間はおよそ上記のようになると考えました。
ちなみに、竜王をもっていたときは、
他のタイトルをもっていても通常は、
肩書きは「羽生竜王」となっていたはずです。
ただし、名人ももっていると、「羽生竜王・名人」となるようです。
七冠独占のときも、やはり、竜王・名人だったのでしょうか?「羽生七冠」という呼び名でもよさそうな気がしますが。。
続いて名人です。
名人戦は例年4月に開催され、5月頃に決着しますので、だいたい上記のような期間になるはずです。
竜王よりは獲得回数は、多いのですが、後述の他の棋戦と比べると、少ないですね。
羽生善治九段でさえも、竜王や名人のタイトルをとるのは大変なことであることが数字で実感されます。
竜王と同じで、名人をもっていると、肩書きは「羽生善治名人」となり他のタイトルは隠れてしまいます。
ただし竜王ももっているときは「竜王・名人」になることは、すでに述べた通りです。
続いて、王位です。
王位戦の開催時期は、例年、夏頃ですね。
7番勝負であることもあって開催期間が長いイメージがあります。
難しいところなのですが、とりあえず、だいたいで考えて、7月頃としておきました。
続いて、王将戦。七冠独占の際に、最後の一つだったタイトルです。
王将戦は例年、新年が明けてからの開催になります。
決着は、2月頃としておきました。
これで(叡王戦以外の)7番勝負のタイトルはすべてでてきました。
ここからは、5番勝負のタイトル戦になります。
羽生先生は、5番勝負のタイトルの連覇、つまり連続獲得の数字がすごいです。
まずは、棋王からです。
羽生先生は、初タイトルの竜王失陥後、すぐに復冠しましたが、
そのときに獲得したタイトルが、棋王でした。
そこから、10年くらいもの期間、連覇を続けたのですね!
続いて、王座。
羽生先生の王座の連覇数、通算獲得回数は、ともに圧倒的です。
以前に羽生先生が複数冠でなくなったときに、王座一冠となったこともありました。
王座戦の番勝負は、例年、竜王戦の少し前の時期に行われます。
決着はだいたい、11月頃だと思って上記のような期間としました。
続いて、棋聖です。
棋聖といえば、羽生先生が七冠の一角を崩された際に失冠したタイトルです。
そのとき奪取したのは三浦先生でした。
棋聖戦は、年に2回行われていた時期がありましたので、他の棋戦よりもややこしいですね(^^;)。
棋聖も10年くらいもの間、連覇していますね・・・!
以上のデータを踏まえた上で、まとめると、次のような感じです。
年 | 肩書き | 内訳 |
1989 | 竜王 | 竜王 |
1990 | 前竜王 | 無冠(六段) |
1991 | 棋王 | 棋王 |
1992 | ニ冠 | 棋王・王座 (ニ冠) |
1992 | 竜王 | 竜王・棋王・王座 (三冠) |
1993 | 竜王 | 竜王・棋聖・棋王・王座 (四冠) |
1993 | 竜王 | 竜王・王位・棋聖・棋王・王座 (五冠) |
1993 | 四冠 | 王位・棋聖・棋王・王座 (四冠) |
1994 | 名人 | 名人・王位・棋聖・棋王・王座 (五冠) |
1994 | 竜王・名人 | 名人・竜王・王位・棋聖・棋王・王座 (六冠) |
1995 | 竜王・名人 | 名人・竜王・王位・棋聖・棋王・王座 (六冠) |
1996 | 竜王・名人 | 名人・竜王・王将・王位・棋聖・棋王・王座 (七冠) |
1996 | 竜王・名人 | 名人・竜王・王将・王位・棋王・王座 (六冠) |
1996 | 名人 | 名人・王将・王位・棋王・王座 (五冠) |
1997 | 四冠 | 王将・王位・棋王・王座 (四冠) |
1996 | 竜王・名人 | 名人・竜王・王将・王位・棋王・王座 (六冠) |
1997 | 四冠 | 王将・王位・棋王・王座 (四冠) |
1998 | 四冠 | 王将・王位・棋王・王座 (四冠) |
1999 | 四冠 | 王将・王位・棋王・王座 (四冠) |
2000 | 五冠 | 王将・王位・棋王・王座・棋聖 (五冠) |
2001 | 四冠 | 王将・王位・王座・棋聖 (四冠) |
2001 | 三冠 | 王将・王位・王座 (三冠) |
2001 | 竜王 | 竜王・王将・王位・王座 (四冠) |
2002 | 竜王 | 竜王・王位・王座 (三冠) |
2002 | 竜王 | 竜王・王座(ニ冠) |
2003 | 竜王 | 竜王・王将・王座(三冠) |
2003 | 竜王・名人 | 名人・竜王・王将・王座 (四冠) |
2003 | 名人 | 名人・王将・王座 (三冠) |
2004 | 名人 | 名人・王座 (ニ冠) |
2004 | 王座 | 王座 |
2004 | ニ冠 | 王位・王座 (ニ冠) |
2005 | 三冠 | 王将・王位・王座 (三冠) |
2005 | 四冠 | 王将・王位・棋王・王座 (四冠) |
2006 | 三冠 | 王将・王位・王座 (三冠) |
2007 | 三冠 | 王将・王位・王座 (三冠) |
2007 | ニ冠 | 王将・王座 (ニ冠) |
2008 | 名人 | 名人・王将・王座 (三冠) |
2008 | 名人 | 名人・王将・王座 ・棋聖 (四冠) |
2009 | 名人 | 名人・王将・王座 ・棋聖 (四冠) |
2010 | 名人 | 名人・王座 ・棋聖 (三冠) |
2011 | 名人 | 名人・王座 ・棋聖 (三冠) |
2011 | ニ冠 | 王座 ・棋聖 (ニ冠) |
2011 | 三冠 | 王位・王座 ・棋聖 (三冠) |
2011 | ニ冠 | 王位・棋聖 (ニ冠) |
2012 | ニ冠 | 王位・棋聖 (ニ冠) |
2012 | 三冠 | 王位・王座・棋聖 (三冠) |
2013 | 三冠 | 王位・王座・棋聖 (三冠) |
2014 | 名人 | 名人・王位・王座・棋聖 (四冠) |
2015 | 名人 | 名人・王位・王座・棋聖 (四冠) |
2016 | 名人 | 名人・王位・王座・棋聖 (四冠) |
2016 | 三冠 | 王位・王座・棋聖 (三冠) |
2017 | 三冠 | 王位・王座・棋聖 (三冠) |
2017 | ニ冠 | 王座・棋聖 (ニ冠) |
2017 | 棋聖 | 棋聖 |
2017 | 竜王 | 竜王・棋聖 (ニ冠) |
2018 | 竜王 | 竜王 |
2018 | 九段 | 無冠(九段) |
2019 | 九段 | 無冠(九段) |
改めてみると、本当に驚くべき業績ですね・・・!
そして確かに、竜王も名人も含まない、二冠や三冠の肩書きは、
比較的最近も含む、広い範囲に出現していますね(^^)。
「羽生善治○冠」という肩書きだった時代について調べてみました。
数学が好きな人なら、「羽生n冠」という表現もありですね(^^)。
具体的にやったこととしては、
ビッグタイトルの竜王・名人をもっていないときで、
複数のタイトルを保持していたのがいつかを調べ、
タイトルの保持数や肩書きを調べてまとめた感じです。
なお、今回のはさすがにハードすぎる作業で、間違っている箇所がないか心配ですが、、、多分大丈夫な気がしています!
なお、個人的には、「羽生善治九段」という呼び方も、
漢字で書くととても美しいし、「九段」という段位が前面にでたことで
ベテランオーラ(?)のようなものも感じられて、結構好きですね(笑)。
でももちろん、通算100期目のタイトルをかけてまたタイトル挑戦をして将棋界を盛り上げてほしいと思っています!
羽生九段が唯一とったことがないタイトルである叡王にも、挑戦してほしい気がしますねー。