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いよいよ藤井聡太七段が、タイトル戦の挑戦者決定リーグ戦に出てくることになりました!
ここでは、他のリーグ出場者たちについてまとめてみましょう。手強い棋士ばかりのようです!
2019年も残り3か月くらいで、すぐに年が明けて2020年になってしまいそうですね(笑)。
明けて2020年になってから最初に開催されるタイトル戦が、第69期の大阪杯王将戦です。
その挑戦者を決定するリーグ戦である、「王将リーグ」に、高校生棋士・藤井聡太が進出したので、
初タイトルの可能性も含めて、大いに注目されることになりそうです。
2018年の王座戦挑戦者決定トーナメント戦で準決勝に進出したときのあの期待感の再現となるのでしょうか。
しかし、「王将リーグは難関」という説もあります。
それを裏付けるように、王将戦のリーグというのは、
例年、ほとんどの出場棋士が実績あるトップ棋士ばかりです。
しかも、今期は例年以上に、過去の実績と、最近の活躍・勢いを兼ね備えた棋士たちばかりが出そろったという印象です。
今一番強い棋士を集めたようなリーグになっているのではないか、と。
そこでここでは、藤井七段以外の王将リーグ参加棋士の情報について、みていくことにしましょう。
目次(もくじ)
2018年の王将戦の挑戦者を決めた、第67期の王将リーグでは、
渡辺明竜王と佐藤天彦名人が登場しました。
(肩書きは当時のもの)
つまりこのときは、将棋界の2トップが出場するリーグ戦だったわけですね。
そして、第69期においても、名人と竜王が登場します。
豊島将之名人と広瀬章人竜王です。
豊島将之名人は、渡辺明・現三冠に棋聖を奪取されるまでは、
タイトルを3つももつ三冠の棋士でした。
藤井七段にも数回、公式戦で痛い黒星を与えたことがあります。
王位戦では、挑戦者の木村九段と最終局までもつれるフルセットの戦いの末に敗れ、
王位を失冠したので、現在は名人一冠のみとなっています。
しかし、豊島名人は次の竜王戦の挑戦者になっており、竜王戦の結果次第では、
豊島将之名人は、名人・竜王のビッグタイトルを二つもつ二冠の棋士となる可能性もあります。
そうなればもはや、将棋界の歴史に残る大名人といって過言でないでしょう。
竜王の行方はともかく、豊島名人が
王将リーグを制して渡辺明三冠のもつ王将に挑戦できれば、
渡辺先生と再び、今後の将棋界の勢力図を巡る戦いをすることになります。
このように、実力・実績・勢いを兼ね備え、今後もさらに実績を伸ばす可能性もある棋士が、豊島将之名人なのです。
こう考えると、藤井聡太七段にとってもかなり手強い相手になりそうですね!
ちなみに、王将リーグの開催中に竜王戦の決着し、豊島名人の奪取となった場合、
「『竜王』と『名人』が参加するリーグ」から「『竜王・名人』が参加するリーグ」となりますが、
そうなる可能性はあるのでしょうか?
王将リーグの最終局は、第68期では11月の末頃でしたから、
第69期もそのくらいのタイミングになると考えられます。
一方、第32期竜王戦の日程的には、第4局が11月21・22日なので、
もしも名人のストレート勝ちとなった場合は、あり得ます。
ただ、広瀬竜王と豊島名人の竜王戦7番勝負は、
一進一退の展開になると予想されるので、王将リーグ決着の時点ではまだ竜王位の移動はないものと思います。
広瀬章人竜王は、竜王位獲得以前から、
王位のタイトル獲得経験もあり、A級順位戦でも高勝率を誇るなど、
将棋界のトップを走る棋士でした。
竜王を獲得した2018年度には、最多対局賞も受賞するなど、
名実ともに現在の将棋界の第一人者の一人といえそうです。
2019年2月、3月の開催された棋王戦では、
渡辺明棋王に挑戦しましたが、
「復調」して勢いを増していた渡辺棋王に防衛されてしまいました。
しかし、広瀬竜王も、将棋界最高のタイトルの一つである竜王位の保持者であり、
トップ棋士であることを証明するためにも、再び二冠に挑戦したいところですね。
王将リーグはそのチャンスであり、渡辺明王将への「リベンジ」のためにも、
是非とも挑戦権をつかみたいところでしょう。
そして、将棋界の第一人者といえば、この人、という人物も第69期王将リーグに進出しています。
羽生善治九段です。
将棋界のタイトルが全部で7つだった時代に、そのすべてを制すという伝説的な偉業をやってのけ、
その後もタイトルをとり続けてきました。
そうして、何度もタイトルをとらなければもらえない、「永世称号」を、
7つすべてのタイトルについて獲得し、「永世七冠」達成という信じられないような足跡を将棋界に残しました。
(8つ目のタイトル、「叡王」は永世称号の規定なし)
七冠制覇、永世七冠、ともに先人が誰も届いたことのない「前人未到」の業績です。
そんな羽生先生ですが、現在は、もう一つの偉業が目前となっています。
それは、「タイトル100期」です。
タイトルというには、挑戦権を得るだけでも大変で、
たとえ1回獲得しても次の年に防衛するのは簡単なことではありません。
それなのに、99回もタイトルをとってきたという、驚愕の実績です。
そんな羽生九段ですが、100期目のタイトル獲得をかけた名人戦や竜王戦に敗れ、
しかも竜王戦の方は27年振りに無冠になってしまうという結果となり、
挑戦者にならなければタイトル戦に出場することができない状況となっています。
しかし、現在でも、羽生善治九段の強さは健在です。
無冠になってからも、将棋界の歴代勝数の記録を塗り替えるなど、
素晴らしい活躍です。タイトル挑戦への、決して低くはないハードルも、越えていきそうな気もします。
王将リーグを制して渡辺明王将への挑戦、タイトル100期を決めてほしいファンも多いはずで、
声援に後押しされて、一気に100期目への挑戦を決めてしまうかもしれません。
ともあれ、朝日杯以来の羽生vs藤井の新・旧天才対決がまたみられると思うと、
結果やタイトル挑戦のことを抜きにしても楽しみですね・・・^^
藤井聡太七段にとって、王将リーグの最初の相手となるのが、
三浦弘行九段です。
三浦九段は棋聖のタイトルを獲得したことがあります。
そのときは、羽生善治七冠(当時)から奪取したので、
「七冠王の一角を崩した男」と呼ばれます。
名人挑戦の経験もあり、A級在位18期という実績も安定した実力を証明するものです。
近年でも、棋聖戦や棋王戦などで、後もう少しでタイトル挑戦、というところまで迫る活躍をみせました。
そろそろまたタイトル戦にでたいと闘志を燃やしているはずで、
三浦九段ファンも熱い想いで応援していることでしょう。
しかも、JT杯では、初出場の藤井聡太七段を一回戦で負かしたのが、この三浦九段です。
三浦九段との王将リーグ初戦は、藤井聡太七段の王将リーグでの戦いを占うであるといえそうで、
結果に注目しておきたいですね・・・!
前王将の久保利明九段も、将棋界でも屈指の実績をもつトップ棋士です。
王将戦では過去に2回、久保王将に対して豊島名人が挑戦したことがありますが、
どちらも挑戦を退けています。これだけでも、久保九段の強さがわかると思います。
(当時の肩書は、豊島六段、豊島八段でした)
久保利明九段は、あの羽生善治九段からタイトルを奪取したこともあり、
また、棋王と王将の二冠を保持していたこともあります。
将棋界では長く、羽生・森内・渡辺の3名がトップに君臨していましたが、
その時代に彼ら以外で複数冠をもっていた棋士というのはとても珍しいです。
久保利明九段は、ヒューリック杯棋聖戦2次予選決勝やNHK杯など、
藤井聡太七段に手痛い黒星を与えています。
しかも、そういう背景に加え、3回戦というリーグ真ん中での対戦になります。
なんとなくですが、久保戦が一つの正念場となるようにも思われるので、
個人的には今からとても結果が気になる対局です。
5名の棋士についてみてきました。
残る1名は、糸谷哲郎八段です。
将棋界最高のタイトルを、大学院在学中に獲得したという異例の活躍をした棋士です。
それも、森内俊之九段からの奪取でしたから、素晴らしい快挙でした。
2018年の第77期順位戦では、初参加となるA級順位戦でなんと6勝3敗という好成績。
王将リーグには、2015年の第65期から連続参戦していますが、
ほとんどが4勝2敗の勝ち越しであり、一度だけ3勝3敗の指しわけとのことで、
リーグとの相性がいいことがうかがえます。
そろそろ挑戦権を獲得したいところで、王将リーグに力を注いでくるかもしれません。
糸谷八段の将棋は独特な指し回しが特徴的で、
王様が中断に浮遊(?)していくという、プロでも中々真似できない世界観の将棋です。
本人のユニークなキャラとともに、人気があります。
藤井七段と相性のいい森信雄一門の棋士であり、
実際、朝日杯では藤井聡太七段に敗れていますが、
まったく油断のならない相手です。
事実、第2回のAbema TVトーナメントの決勝の糸谷vs藤井戦では、
3番勝負の第2局で、大胆に斬り合いを挑む将棋を指すことで、
藤井七段に一矢報いています。
王将リーグの糸谷vs藤井戦は、リーグ終盤の5局目、ラス前です。
果たしてその対局は、挑戦権をめぐる戦いになっているかどうか?
もしそうなっていたら、非常に盛り上がることは間違いないでしょうね。
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第69期の王将戦挑戦者決定リーグ戦で、
藤井聡太七段を持ちうける強敵たちについて私なりにまとめてみました。
近年の将棋界で一番強い棋士ばかりが集まったリーグであり、
出場者全員が本命視されているといって過言でないのではないでしょうか?
つまり、誰が挑戦してもおかしくありません。
それはもちろん、藤井七段にも当てはまることだと思います。
記事タイトルに「藤井七段に注目」みたいな言葉を入れたのは、
これだけの強敵が揃った「難関」王将リーグにおいて、
藤井聡太七段の力がどれだけ通用するのか、
とても興味深いところだからです。
相手にとって不足なさすぎる棋士たちが相手ですが、
どこまでいけるのか、それとも、つき抜けていってしまうのか、
天才高校生棋士の真価が問われるリーグ戦を、楽しく見守っていきましょう(^^)