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将棋の聖地・天童での開催などで有名な「人間将棋」についてです。
以前に当ブログでは、人間将棋の開催地と年間日程に関する情報を簡単にまとめてみました。
そのときは、人間将棋とは何か、という話は省略してしまっていましたね。
今回は、人間将棋という競技(?)の特徴について、上記のような疑問への答えという形で説明してみようと思います。
目次(もくじ)
人間将棋は、将棋の催し物の中で将棋のプロ棋士の先生たちが、
将棋の公開対局を行うという点では、普通の席上対局などと変わりありません。
しかし、使う盤と駒が、普通の将棋と違います。
人間将棋で使われる駒は、「人間」です。
飛車とか、金とか銀とか、将棋の駒は普通は指で動かすのですが、
人間将棋の場合は、どう駒を動かすか(どの手を指すか)を、
対局者が「符号」でいいます。
その符号の通りに、駒役の人は動くわけです。
一方、将棋盤の方はどうかというと・・・。
地面に敷いてあるシートみたいなのに、巨大な将棋盤が描かれている感じですね。
ともかく、これで「人間将棋」どのあたりが「人間」なのか、という疑問が解消しましたね(笑)。
人間将棋で駒の役を演じる人のことを、「駒武者」といいます。
駒たちは、鎧甲(よろいかぶと)を身につけて武装した武者の格好をしているのです。
人間将棋は将棋の勝負を、昔の武将同士の戦(いくさ)である合戦(かっせん)に見立てているわけです。
将棋を指す棋士の先生たちは、武将の格好で登場してきます。
そして、対局者の棋士は、昔風の「武将言葉」でトークをするという(^^)。
私も詳しいことは知らないのですが、
相手のことを「おぬし」とか「そなた」とか呼んだり、
語尾が「~じゃ」とか「~ござる」になったりする、という感じのはずです。
実際にイベントに出かけた方が、SNSのタイムラインなどで共有されたりしているので、なんとなく程度なら知っているのです。
将棋棋士たちは、普段はとても丁寧な言葉使いで温厚な雰囲気ですが、
武将風の言葉使いになることで、普段よりも闘士をあらにするのだとしたら、
とても興味深いですね。
人間将棋は、基本的には普通の将棋です。
特に変なルールとかがあったりはしません。
ただ、1点だけ、ある「暗黙のルール」というものが存在します。
漫画「3月のライオン」の、天童でのエピソードの回で説明がでてきたので、
その回を読んだ人は知っているかもしれません。
人間将棋の対局では、すべての駒を一度は動かすことが、
暗黙のルールというか、紳士協定となっています。
ではそのようなルールの理由とは何か?
「駒武者」は、一般の人たちから募集されるので、
駒役の人たちは、盤の上で動くのをとても楽しみにしてきているのです。
だから、一度も動かさないまま放置してしまうと、
とても残念な思いをさせてしまうことになってしまいます。
普段私たちが将棋を指していると、最後まで一回も動かさなかった駒がある将棋はわりとよくあります。
たとえば、香車とか端の歩を、一度も触れることなく勝負が終わってしまう、というのはむしろ普通です。
展開によっては、動かして有効な働きをしなそうな駒を動かしている暇がなかったりしますからね。
人間将棋はプロ同士が指すので、一手のすきもつくりたくないというのが対局者の心理です。
でも、全部の駒を動かすというルールを破ることも、プロであるからには許されません。
そこで、なるべく形勢に影響を与えないようにしつつ、自分のすべての駒を動かせるタイミングを確保する、
というのが、人間将棋における棋士の腕のみせ所となるのです。
このあたりの微妙なところが、観ている方としては、緊張感があってとても楽しいですねー。
指す方は内心かなり苦心しているのではないかと想像しますが(^^)。
今回は、人間将棋について、どういうものなのか、何か特別なルールはあるのか、という観点からまとめました。
人間将棋は色々と面白い点がありますが、やはりなんといっても、武将や武者の格好というのが、お祭りみたいな感じで魅力的ですね!
現地で観戦する人たちからすると、巨大な将棋盤の上で、プロたちの将棋の戦いが繰り広げられていく様子が、とても迫力があって心を打つことでしょう。
一度は間近で観てみたい行事ですね・・・!