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2018年3月2日は、「将棋界の一番長い日」、つまりA級順位戦最終局の日ですね。
どのあたりに注目しておけばよいか、考えてみました。
目次(もくじ)
A級順位戦最終局には、「名人戦第0局」という別名もあるそうです。
これはA級順位戦が名人戦の挑戦者を決める戦いでもあるためです。
首位を走っているのは、王将戦7番勝負でも戦っている久保王将と豊島八段です。
ラス前までの結果はどちらも6勝3敗。
もし最終局をどちらか一方だけが勝てば、挑戦権が決まります。
久保、豊島両名ともに勝てば後日、名人挑戦者決定のためのプレーオフが行われます。
久保・豊島ら首位の棋士たちがどちらも負けた場合は、他の棋士にもチャンスが巡ってきます。
羽生善治竜王は、最終局が手空きのため、ラス前の時点で順位戦を終了しています。
すでに6勝4敗で確定していて、豊島・久保がともに最終局を負ければ、すくなくとも羽生先生を含む3者以上のプレーオフになることがおわかりいただけると思います。
(実は、豊島八段が負けた場合は、相手の広瀬八段もプレーオフに参戦となりますので、4者以上です。
「以上」というのは、他の棋士の参戦の可能性もまだあるためです。)
今期2位という順位の羽生先生にとっては、有利なプレーオフとなります。
裏を返せば、「一番長い日」に羽生先生は登場しないのですね。少しさびしい気はしますが、挑戦争い2番手確定は嬉しいですね。
羽生先生以外に挑戦の目があるのは、5勝4敗の棋士たちになります。
稲葉八段、広瀬八段、佐藤康光九段が該当します。
現状挑戦者になる可能性のある棋士は、全部で6名ということになります!
このような状況は、前例がないのでは?今期の将棋界では色々と歴史的な出来事が多いですね。
挑戦の目のある棋士たちで、最終局でぶつかるのは、広瀬八段と豊島八段です。
4敗組同士の星のつぶし合いはないので、プレーオフは最大で6名の棋士たちで戦われる可能性があります。
さきほど、プレーオフでは順位が高い方が有利と書いたことから、お気づきの方もあれれるかもしれませんね。
A級順位戦のプレーオフは、あの「パラマス方式」で行われるのです!
パラマス方式とは、銀河戦でみられるような、左側の方が戦が多いトーナメント方式ですね。
順位が低い棋士ほど左側なので、挑戦権獲得のためには、多くの棋士に勝たなければなりません。
今期順位の低い豊島八段は、最初首位だったのに、一転して一番不利になってしまうわけですね。
ですので、豊島八段としては、きっちりと広瀬八段に勝って、プレーオフになったとしても久保王将との1対1ですむようにしたいところですね。
これは久保王将にも言えることですね。
いかがでしたか?
第76期のA級順位戦はすごいことになっていますね。
余談ですが、「パラマス式」に関しては面白い話があります。
藤井-畠山戦の放送のときだったか、AbemaTVで、佐藤和俊先生と橋本先生がA級順位戦最終局の話をしていたときに、プレーオフになったらすごいトーナメント表になるだろう、という話がでました。
そのときに、両先生が、「パラマス式」のことを「パノラマ式」と間違えていたのが面白かったです。
でも、6名のプレーオフともなれば、本当に壮大なパノラマというべき景色になりますね^^
挑戦争いの他にも開催地や降級争いなど、気になることはたくさんあります。
現地に行く方や、中継などで観る人は、是非楽しんでください!