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2018年2月17日、藤井聡太五段が六段に昇段しました。四段から五段に昇段したばかりだというのに、もう六段!
この大活躍により、棋士の昇段の条件について興味を持つようになった方が増えているかと思います。
実は、私もその一人です^^
というわけで今回の記事は、将棋界における棋士の昇段のルールについて書きます。
また、藤井六段との対局やAbemaTVでの登場で有名になった棋士を中心に、最近昇段した棋士とその昇段理由についても合わせて書きます。
目次(もくじ)
まずは、棋士が昇段するのはどういうときか、ということについてです。
棋士がいつ段があがるかについては、将棋連盟によって規定が定められています。
プロの棋士が昇段する方法は何種類かあります。大きく分けると次の通りです。
色々ありますが、棋戦で活躍して実績ができると昇段するシステムになっていると言えますね。
以下では、各項目をもう少し詳しくみてみましょう。
勝ち数によって昇段する、と書きましたが、具体的には、どの期間の勝ち星をカウントするのでしょうか?
昇段のための勝ち数とは、現在の段位に昇段してからの公式戦の対局のうち、勝った対局の数です。
それぞれの段位で必要な勝ち数は、次のようになっています。
昇段後の段位 | 昇段前の段位 | 昇段に必要な勝ち数 |
九段 | 八段 | 250勝 |
八段 | 七段 | 190勝 |
七段 | 六段 | 150勝 |
六段 | 五段 | 120勝 |
五段 | 四段 | 100勝 |
勝ち数の規定だけで九段になるためには、通算で810勝する必要があります。
仮に勝ち数が年間30局だとすると、なんと27年もかかります!
年間30勝はかなり多い方だと思われますので、実際はもっとかかる計算になります。
こうして考えると、九段という段位の重みがわかる気がしてきますね。
増田康弘五段は、勝ち数規定により四段から五段に昇段しました。
デビュー後の公式戦100勝(したがって通算100勝)を達成しての昇段でした。
炎の7番勝負や公式戦で藤井聡太四段(当時)と対戦したことでも知られる増田五段。
新人王戦の連覇などで確実に実績を積み重ねておられ、今後の大きな活躍が期待されます。
鈴木大介九段と木村一基九段は、勝ち数規定により八段から九段に昇段しました。
どちらも解説に定評のある人気棋士ですので、ファンにとっては彼らの昇段は嬉しいニュースでした。
ちなみに、炎の7番勝負の時点では、時期的に鈴木先生は八段でした。
両先生の昇段は、我々ファンにとって身近に感じられる先生たちが、対局でも活躍し実績をあげ続けていることが目に見える形でわかる出来事でした。
実際、昇段後も、木村先生は魂の7番勝負で活躍されましたし、鈴木大介先生もAbemaTVで棋聖戦の対・深浦九段戦が放送されました。
順位戦の昇級による昇段は下記の条件によります。
シンプルですね^^
昇段後の段位 | 昇段前の段位 | 順位戦での昇段条件 |
八段 | 七段 | A級昇級 |
七段 | 六段 | B級1組昇級 |
六段 | 五段 | B級2組昇級 |
五段 | 四段 | C級1組昇級 |
竜王戦ランキングの方は、順位戦よりも複雑で、やや厳しめ(?)ですかね。
やはり順位戦で棋士の順位(段位)を決める、というのが基本なのでしょうね。
昇段後の段位 | 昇段前の段位 | 竜王戦ランキング戦での昇段条件 |
七段 | 六段 | ・竜王戦1組昇級
・六段昇段後竜王ランキング戦連続昇級または通算3回優勝 |
六段 | 五段 | ・竜王戦2組昇級
・五段昇段後竜王ランキング戦連続2回昇級または通算3回優勝 |
五段 | 四段 | ・竜王ランキング戦連続2回昇級または通算3回優勝 |
C級2組順位戦でのラス前まで全勝という結果により、藤井聡太四段(当時)が五段に昇段したのは、記憶に新しいような、もう昔の出来事のような(笑)。
炎の7番勝負で藤井四段(当時)と対局した斎藤慎太郎六段(当時)は、その後順位戦でB級1組に昇級し、七段昇段を果たしました。
竜王戦のランキングを上げて昇段した棋士もいます。
最近では、三枚堂達也六段です。五段から昇段しました。
藤井四段(当時)に公式戦で勝利した棋士である三枚堂六段もまた、勢いのある棋士であることがわかります。
全棋士参加棋戦で優勝すると、一つ昇段します。わかりやすいですね。
ただ、この方法で昇段できるのは七段までです。
昇段後の段位 | 昇段前の段位 | 全棋士参加棋戦での昇段条件 |
七段 | 六段 | 六段昇段後全棋士参加棋戦優勝 |
六段 | 五段 | 五段昇段後全棋士参加棋戦優勝 |
五段 | 四段 | 全棋士参加棋戦優勝 |
藤井聡太五段(当時)が朝日杯で優勝して、中学生六段誕生となりました。
その朝日杯の決勝で羽生先生と対局した八代弥六段は、前回優勝者です。
藤井六段と同じように、八代六段は、朝日杯の優勝によって昇段したのでした。
タイトル戦での昇段は、タイトルによって異なります。
簡単に言うと、将棋界の最高タイトルである名人と竜王は別格扱いです。
昇段後の段位 | 昇段前の段位 | 条件 |
九段 | 八段 | ・名人位1期獲得
・竜王位2期獲得 ・タイトル3期獲得 |
八段 | 七段 | ・竜王位1期獲得 |
七段 | 六段 | ・竜王挑戦
・タイトル1期獲得 |
六段 | 五段 | ・五段昇段後タイトル挑戦 |
五段 | 四段 | ・タイトル挑戦 |
竜王以外のタイトルでは、挑戦で昇段できるのは六段までです。
(名人戦に関しては、挑戦の時点ですでにA級棋士なので八段です。)
七段は順位戦での昇級規定の場合、A級の一つしたのB級1組にあたります。
「鬼の住処」の棋士たちと同格扱いされるためには、タイトルを1つくらいとらなければならない、ということなのでしょうね。
高見泰地六段が、叡王のタイトルを決める番勝負への進出を決めています。
叡王は新しいタイトルなので、タイトルホルダーへの挑戦というわけではありませんが、「タイトル挑戦」扱いになります。
これにより、高見泰地五段から高見泰地六段へのレベルアップが決まりました^^
おめでとうございます!このブログでも注目してきた棋士なので、私も嬉しいです!
千田翔太六段は、棋王戦で渡辺明棋王に挑戦しました。
惜しくも敗れ、渡辺永世棋王誕生となったわけですが、番勝負は熱戦でした。
千田先生は、この棋王戦挑戦を決めたことにより、五段から六段に昇段したのでした。
中村太地王座は、羽生先生から王座を奪取しました。
炎の7番勝負の時点では六段だった中村先生は、このタイトル獲得の実績によって段位を一つ上げ、七段となりました。
防衛を続け、タイトル3期によって九段に昇段したいところです。
いかがでしたか?
昇段には色々な条件があるので、棋士によって昇段理由が違ったりして面白いですね。
藤井聡太六段と対局したことのある棋士たちが、次々と昇段を決めていっているのが、嬉しいですね。