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女流棋士の男性棋戦での活躍が著しく、注目されるようになってきましたね。
プロ将棋の世界では、「女流棋士」と「棋士」は別であり、
女性の「棋士」が登場したことがないので、
棋士を女流棋士と区別して俗に「男性棋士」といったりします。
その男性棋士の公式棋戦、いわば「男性棋戦」で、
女流棋士たちが高勝率をだすようになってきて、
ホットな話題になることが増えてきました。
そこでここでは、女流棋士の参加枠がある(男性)棋士の公式棋戦について調べてまとめておきたいと思います。
目次(もくじ)
女流棋士の参加枠がある将棋のプロ公式棋戦は下記の通りです。
棋士の棋戦は大きくは、次のように分類することができます。
以下、この順番に説明していきます。
将棋の8大タイトルには全棋士が参加し、その頂点に立ったものがタイトル保持者となります。
棋士だけでなく、女流棋士や奨励会員、アマチュアの参加枠もある棋戦もあります。
8大タイトル棋戦のうち、女流には参加権利が与えられない棋戦もあります。
名人戦は、ざっくりいうと順位戦というリーグ方式の棋戦で頂点に立った者が名人への挑戦権を得て、名人のタイトルを争うというものです。
いわば、この順位戦というのが名人戦の予選なのですが、その順位戦に参加できるのは、
(フリークラスという特殊なクラス所属者を除く)棋士だけです。
つまり、アマやまだプロ棋士になっていない者、女流棋士は、いずれも名人戦への参加資格をもちません。
王将戦という棋戦も、「全棋士」で行う棋戦とのことで、
アマチュア・女流・奨励会、の参加枠は用意されていません。
名人戦と王将戦が、女流棋士の出られない8大タイトル棋戦です。
では、女流棋士が出場権を得ることのできる残りの6つのタイトル戦についてみていきましょう。
まず、8大タイトル戦の中で、名人と並ぶ最高峰である竜王戦。
「竜王戦ドリーム」という言葉があります。
アマチュアであっても勝ち続けさえすれば竜王のタイトルをとれるので、とても夢があるという意味です。
「ドリーム」はアマチュアだけのものでなく、女流棋士や奨励会員にもチャンスがあります。
もちろん、棋士たち全員にチャンスがあり、皆が竜王獲得を夢みていることでしょう。
名誉も賞金も最大級である竜王戦には、なんと、女流棋士4名分もの出場枠が用意されています。
さすが竜王戦、スケールの大きさを感じます。
時期的に、竜王戦より一つ早くタイトル戦番勝負が開催されるのが、王座戦です。
藤井聡太七段が準決勝まで進出した棋戦でもあります。
この王座戦も、女流棋士の参加枠が4名となっています。
奨励会員とアマチュアの枠はないのですが、王座戦は女流棋士にとっては夢のある棋戦といえるかもしれませんね。
王位戦と棋聖戦には、2名の女流棋士参加枠があります。
藤井聡太七段と里見香奈女流五冠が対局したのが、
棋聖戦の一次予選でしたね。
里見女流は、1回戦で棋士を破って勝ち上がり、藤井七段との対局を実現したのでした。
一方、王位戦では、渡辺愛(読み方は「わたなべまな」)女流王位(当時)が、
1回戦で棋士を破る活躍をみせました。
女流棋士の枠が1名の棋戦もあります。
これはこれで、女流棋士の代表という感じでいいですね。
棋王戦というタイトル戦に参加する女流棋士は、
「女流名人」という女流タイトルの保持者です。
ちなみに、棋王戦のアマチュア参加枠は、アマ名人。
棋王戦だけど、なぜか「名人」しばりが(笑)。
それはともかく、このように明確に出場者が決まるのはわかりやすくていいですね。
一番新しいタイトル戦である叡王戦も、女流棋士1名が出場します。
こちらは、「女流代表決定戦」というトーナメントによって、
4名の女流棋士の中から出場者を1名に絞ります。
対局によって決めることで、より女流棋士の「代表」という感じがでるので、
当事者たちもとても熱いものがあるのでは、と思っています(^^)。
8大タイトル戦については以上です。
ここから、一般棋戦について、女流枠をみていきましょう。
朝日杯将棋オープン戦というでは、
女流棋士は3名が出場します。
3名も参加できるというのは、さすが、優勝者に750万円もの賞金のでる朝日杯といったところでしょうか。
女流枠が誰になるかは、主催者側の推薦によって決まります。
だいたい、タイトル戦での活躍した方になる感じのようです。
録画した対局がテレビで放送される棋戦を、テレビ棋戦と読んでいます。
「棋士」のテレビ棋戦としては、NHK杯と銀河戦です。
これらテレビ棋戦においては、女流棋士の出場枠が用意されています。
なお、女流棋士の棋戦として「女流王将戦」というテレビ棋戦があります。
NHK杯の方ですが、番組のwebサイトがリニューアルされて、
以前は書かれていた情報がどこかにいってしまいました。
だから、公式の方で規定を明確には確認できないのですが、
実際のトーナメント表から、女流枠は1名であることがわかります。
銀河戦の方は、女流棋士枠は2名となっています。
銀河戦にはアマチュア参加枠も4つあって、
アマチュア強豪の方が連勝して活躍し注目されましたね。
女流は苦戦気味なようですが、今後、連勝することもあるかもしれないので期待大です。
新人王戦を中心とした若手向けの棋戦について、女流棋士参加枠の有無や年齢条件などを説明します。
新人王戦は現在では、六段以下かつ26歳以下の棋士が出場する棋戦です。
棋士の他に、女流棋士、アマチュア、奨励会員の参加枠があります。
女流棋士の枠は4名です。
ただし年齢制限があって26歳以下となっています。
これは、奨励会三段と同じ年齢ですね。
女流の新人王戦出場者は成績によって決まり、
これまでは女流のタイトルクラスの方たちは26歳の年齢制限内であることが多かったのですが、
奨励会退会済みの里見香奈女流五冠は、今期(第50期)がぎりぎり制限内での出場であるため、
第51期以降は、出場資格なしとなります。
里見女流不在の新人王戦で、若手女流棋士たちが男子相手にどこまで戦えるか、興味は尽きません。
なお、新人王戦のアマチュアの出場枠には、年齢制限がありません。
実際、45歳の早咲アマが大活躍していますね!
YAMADAチャレンジ杯は、五段以下の棋士でデビュー15年未満の人たちと、
アマチュア選抜枠1名で戦われる棋戦です。
こちらは、奨励会と女流棋士の参加枠はありません。
奨励会員の出場枠がない理由はわかりませんが、
女流に関しては、明確な理由がありそうです。
それは、YAMADAチャレンジ杯の他に、女流YAMADAチャレンジ杯という女流の棋戦が存在するからだと考えられます。
YAMADAチャレンジ杯と女流YAMADAチャレンジ杯は、準決勝と決勝を同じ日に行うので、
両方出場してしまっては困ることになる可能性があるからです。
もっとも、女流YAMADAチャレンジ杯の方にも段位の制限があるので、
男性棋戦の女流枠に選抜されるような女流棋士は、女流YAMADAチャレンジ杯の参加資格はないことが多いはずで、
ダブル出場にはならないと思われますが。
「加古川青流戦」については、女流棋士の参加枠があります。
2名の女流棋士が出場する棋戦です。
ちなみに加古川青流戦では、アマチュア強豪で、稲葉陽八段のお兄さんでもある稲葉聡氏が優勝したことがあります。
こちらは、新人王戦と違って年齢制限がありません。
なので、里見香奈女流五冠が今後もたくさん登場しそうですね。
ただ、出場したからといって必ずしも活躍できるとはかぎりません。
女流の他には、四段の棋士とアマチュア、奨励会員が参加する棋戦なのですが、
ここ数年の結果をみると、里見香奈女流を含む女流棋界のトップたちが、
四段の若手や奨励会三段相手に一回戦負けという結果になってしまっていますので。
勢いがあり研究熱心な若手棋士・奨励会員を倒すのは、やはりかなり大変なことなのでしょうね。
男性棋士たちの棋戦における女流棋士の参加枠についてまとめました。
棋戦によって参加できる人数や選ばれ方に違いがあったりして面白いですね。
個人的には、新人王戦で、女流は年齢制限ありだけど、アマチュアは年齢制限なし、
というのが興味深いと感じました。(アマに関しては、年齢制限を設けないのはとても賢明です。)
色々な発見があるので、将棋界の細かい規定を調べるのは実に楽しいです(^^)。