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以前の記事で、テレビで放送される棋戦であるNHK杯や銀河戦について少し触れました。
なんとなくですが、NHK杯はなじみのある方も多いのではないかと思っています。
そこで今回は、より新鮮に感じる人も多いかもしれない銀河戦についてです。
銀河戦に登場するのは、予選で勝ち上がった棋士や予選免除のシード枠の棋士たち総勢96名です。
NHK杯よりも若干多くの棋士が登場しますね。
この銀河戦がどういう棋戦であるか、もっと詳しく、その仕組みなどについて説明します。
銀河戦は、早指しの棋戦です。
どのくらい早指しであるかを説明するために、持ち時間を書いておきす。
銀河戦の持ち時間は、一人15分です。(ただし予選はこれとは別です)
この15分の持ち時間を使い切ると、10分の考慮時間が与えられます。
さらに考慮時間も使い切ると、1手30秒で指さなけれいけません。
30秒将棋というのは、中々大変なのですが、それを公式戦の場で強いられるわけですね!
プロは大変ですね^^
ちなみにNHK杯もほとんど同様ですが、持ち時間が10分なので、実はNHK杯の方が短いのですね。
銀河戦本戦のトーナメント表をご覧になったことはありますか?
他の棋戦ではおそらくみられないような、独特のトーナメント表ですよね。
なんというか、左側の方程たくさん枝分かれしている、とでも表現すればよいのでしょうか(笑)。
銀河戦本戦は、「パラマス方式」という勝ち抜き方式のトーナメント戦です。
その特徴は、出番が早い人ほどたくさん勝たなければ上位になれないことです。
この方式で行われるのは、銀河戦の「本戦トーナメント」です。
そして、銀河戦には、もう一段階あります(笑)。
本戦の各ブロックで最終的に勝ち残った上位1名と最多勝者の1名ずつが、決勝トーナメントに進出し、優勝を争います。
この決勝トーナメントは、パラマス式でない、普通のトーナメント方式です。
持ち時間は、ブロックごとに行う本戦と同じです。
すでに書いたように、銀河戦は、早指し棋戦です。
将棋では、早指しというと、若手が有利とされる傾向があります。
このことから、「銀河戦は若手に有利な棋戦なのでは?」と考えるのは、自然なことです。
でも実は、銀河戦本戦のトーナメント表をみるとなんとなくわかるように、少なくともデビュー後間もない若手にはかなり不利です。
実際のトーナメント表をみると、アマチュア参加者と女流はトーナメントの下位にいますが、そのすぐ上にいるのは、若手でまだ段位が低い棋士が多いことに気づかれると思います。
正確には、銀河戦本戦のパラマストーナメントにおける棋士の順位は、順位戦に基づいて決められるそうなのですが。
若手で、特にデビュー後間もない棋士は、順位戦でも当然下位ですので、銀河戦本戦では下位に位置します。
本戦下位の若手にとって、これが有利な理由はありません。
しかし、下位から連勝してこの勝ち抜き式トーナメントを勝ち進む棋士が少なからずいます。
特に若手の勢いは凄く、第25期銀河戦などでは青嶋五段の4連勝や高見五段の7連勝(!)など活躍がみられます。
こうしてみるとやはり若手は早指しが強いのでしょうね。
もちろん、この方式だとやはり決勝トーナメントまで勝ち進むのは大変なようで、上位陣に止められてしまうことも多いです。
ですが、最終的に勝ち残れなくても、最多勝者の枠から決勝戦に進出できるので、若手にとってはやはりチャンスのある棋戦だといえそうですね。
順位戦や竜王戦など、他の棋戦でトップ棋士とあたる機会のない若手にとっても、銀河戦は貴重な棋戦でもあるのでしょう。
将棋ファンを続けていると、将棋のプロ棋戦はなんとなく季節感を感じさせてくれるものです。
竜王戦の番勝負が開催されると、もう冬が始まるなあ、とか(笑)。
さて、銀河戦はどのような年間日程で行われるのでしょうか?
その前にまずは、テレビ棋戦特有の気になることをチェックしておきましょう。
そう、実際の対局・収録と放送・結果公表までの期間です。
銀河戦の場合、対局日と放送日のずれは、1ヶ月から2ヶ月10日程度です。
これをもう少しだけ詳しくみてみましょう。
収録は1日に2局分行うのが普通です。
例えば同じブロックの1回戦と2回戦が同じ日に収録されます。
この場合もちろん、2局目では、1局目の勝者と2回戦から登場する人が勝負します。
一方、放送は、各ブロックの1回戦を順に放送し、すべてのブロックを放送したら最初のブロックの2回戦を放送する、という感じで行われます。
収録から放送までが1ヶ月の対局と、2ヶ月の対局があるのは、こういった背景によります。
銀河本戦は、8月の終わり頃から対局が始まります。
放送は9月の下旬から行われます。
各ブロックの最終局は、5月から6月に対局され、7月から8月の頭くらいに放送されます。
決勝トーナメントは、6月の終わりから8月の中旬に対局が行われ、放送は8月上旬から9月の終わり頃です。
1年間かけて対局・放送が行われる棋戦ですね。
どの棋戦もだいたいそういう感じでしょうけれど(笑)。
秋ごろに優勝者が決まるというあたりが、「銀河戦」という涼しげなネーミングと合っていて、ぴったりな気がするのは私だけでしょうか(笑)。
銀河戦はテレビ棋戦、と書きましたが、どの局で放送しているのでしょうか?
銀河戦は、J:COMM、ケーブルテレビ、スカパー!、ひかりTVの囲碁・将棋チャンネルというチャンネルで放送されています。
再放送なども充実していますし、良いチャンネルです。
銀河戦は、以前はAbemaTVでもよく過去の放送が流れていましたね。
最近はAbemaTVさん自身のコンテンツが増えてきて、銀河戦の再放送をみかけませんが。
いかがでしたか?
今回は銀河戦についての情報をまとめてみました。
最近の銀河戦優勝者は、藤井猛先生、久保利明先生と続きました。
振り飛車党の棋士が連続して勝ったことで、振り飛車党の将棋ファンを喜ばせたみたいですね。
銀河戦は9月に開始ということで、海外の学校みたいですね(笑)。
例えば「ハリーポッター」などでは、夏休み明けに新学年が始まりますよね。
そういう、秋から新しいことが始まる感じが好きな人には、銀河戦がおすすめかもですね^-^
銀河戦の勝敗実績のカウントタイミングについて伺います。対局から放映まで1~2か月かかり、結果の発表は放映後ということになっているようです。(NHK杯も似ていますがNHK杯は年度を跨ぎません。)年度毎の対局数、勝ち数、勝率、連勝数はどう数えるのでしょうか?3月末までに勝った(負けた)将棋でも未放送なら年度の勝敗にはカウントせずに翌年度に持ち越しですか?