【当サイトの記事はPRを含む場合があります。】
今期のNHK杯将棋トーナメントも、いよいよベスト8をかけた戦いが放送され始めていますね。
12月3日に放送の、NHK杯将棋トーナメントには、前回準優勝者の佐藤和俊六段が登場します。
対戦相手は、最近大活躍中で注目の豊島将之八段です。
豊島八段については、最近このブログでも取り上げましたので、今回は佐藤六段に焦点を当てましょう。
今後注目していきたい棋士であることが伝われば幸いです。
佐藤という苗字の棋士はたくさんいます。
我らが連盟会長・佐藤康光九段、佐藤天彦名人はいわずとしれたビッグネームですね。
この2人の人柄や将棋の凄さは、言わずと知れています。
そして、面白いキャラの佐藤紳哉七段もパフォーマンスなどで有名です。
「魂の7番勝負」の解説で佐藤紳哉先生が出た回は、佐藤先生のあるパフォーマンスに私も驚きました^^
佐藤慎一五段も、AbemaTV将棋チャンネルですっかりおなじみですね。
優しい雰囲気の解説で、初心者講座からタイトル戦の難解な将棋まで、分かりやすく説明してくれます。
今回注目する佐藤和俊六段も、AbemaTVの解説で登場することもありますね。
順位戦の藤井四段と瀬川五段の対局を、藤井猛九段と一緒に解説しておられました。
藤井九段の楽しそうな解説を、佐藤和俊六段が要点をおさえて要約してくれるのでテンポよく話が進んでいく、という印象でした。
そういうわけで、スターである康光九段と天彦名人だけでなく、他の佐藤先生たちがいることも忘れないでおきたいですね^^
佐藤和俊六段は、「キング」というニックネームで呼ばれているそうです。
サッカーの三浦知良さんの愛称に由来するとされています。
もともと才能を評価されている棋士だったそうですが、「あきらめそうになった」こともあるそうです。
それでもどんなときでも将棋の勉強は続けていたので、最近の活躍という形で成果が出たそうです。
あきらめずに継続することの大切さを教えてくれるエピソードですね。
私が佐藤和俊先生に注目し、応援したいと思ったのは、その話がきっかけです。
キング先生を、皆で応援しましょう^^
なお、ここで書いたことは、将棋世界2017年7月号にもとづいています。
書かれていたのは「公式棋戦の動き」というコーナーで、毎回中々興味深いです。
それでは次に、ごく簡単にではありますが、前回のNHK杯での活躍に関して、まとめておきます。
面白いことに、前回のNHK杯は、ベスト4のうちの3名が佐藤姓の棋士でした。
康光九段、天彦名人、そして和俊六段でした。
残る1名は橋本八段でした。
康光九段は天彦名人を、和俊六段は橋本八段に勝ちました。
決勝は康光九段と和俊六段の佐藤対決になり、佐藤康光九段が優勝しました。
第66回NHK杯の佐藤和俊六段は決勝こそ敗れたものの、それまでに下してきた相手は凄い顔ぶれでした。
初戦で加藤桃子女流に勝った後、A級棋士の屋敷伸之九段と羽生善治先生に勝ちました。
さらに第65回NHK杯優勝の村山慈明七段を下しています。
そこからさらにA級経験者でもある、「実力者の中の実力者」橋本八段に勝っての決勝進出だったわけです。
予選では鈴木大介九段にも勝っていることもあわせて考えると、まさに大活躍というしかありません。
佐藤和俊六段の活躍は、前回のNHK杯だけではありません。
棋王戦では、本戦トーナメント出場まで後一歩というところまで行きました。
棋王戦予選で勝った相手には、加藤一二三先生の棒銀戦法をリスペクトする高野秀行六段がいました。
その対局は、佐藤六段の中飛車に対して、高野秀行六段が居飛車穴熊でした。
棒銀ではなくて残念(笑)。
穴熊相手にやや薄い玉形(金銀2枚の銀冠)で挑んで、佐藤六段が勝利しました。
棋王戦予選では、新人王戦優勝経験のある阿部健治郎七段にも勝っています。
予選の決勝で負けた相手は、天才といわれる増田四段でした。
佐藤和俊六段は王将戦の1次予選でも増田四段に敗れてしまっています。
このあたりは、流石はトップ棋士をも負かす増田四段といったところですね。
今期のNHK杯でも、佐藤和俊六段は上位に入れるでしょうか?
いよいよ放送目前となった今、簡単にコメントを書いておきたいと思います。
今期は前回準優勝の佐藤和俊六段はシード枠での参加になります。
今期のNHK杯最初の相手は、宮田敦史六段でした。
「スーパーあつし君」の愛称や、「終盤は宮田に聞け」というフレーズがあり、終盤力に定評があります。
詰将棋選手権でも、良い成績を出されていましたね。
佐藤和俊六段は、宮田敦史六段が終盤力を発揮する暇もないくらいに、厳しく攻めて勝ちました。
見たところ、圧勝という印象です。
こうなると、豊島戦も期待してしまいますよね!
佐藤和俊六段の将棋をいくつか見たところ、すべて振り飛車の将棋でした。
その中では中飛車や三間飛車の将棋が多く見られました。
宮田六段戦の将棋などは、自分から動いていき、駒がどんどん前にでていく感じでした。
銀がよく使えているのが印象的でしたね。
最初中飛車だった飛車を向い飛車にしたり、柔軟というか軽快な指し方もします。
途中まで振り飛車だった、第66回NHK杯戦の対橋本八段戦は、飛車を振り戻して雁木にするなど、面白い工夫をしていました。
ともかく、佐藤和俊六段の将棋は見ていて楽しい将棋だと思います。
さて、豊島八段戦の戦形を予想してみましょう^^
豊島八段は居飛車党で、今期のNHK杯では矢倉と角換りを指していました。
佐藤和俊六段は振り飛車を指すので、また違った将棋になるでしょう。
そこで、参考になりそうなのが、第66回NHK杯の豊島-久保戦です。
豊島七段(当時)は、久保九段(当時)の、中飛車に対して、金銀を使っておさえこもうとしました。
結局久保先生が反発し、うまく暴れられてしまいました。
私の勝手な印象では、佐藤和俊六段がよく指すノーマル三間飛車では、豊島八段のような隙のないタイプは力を出しやすいと思います。
そこで、久保九段が採用したような、攻撃的な中飛車から、さばきに行こうとする方がさばきに行こうとする方がより勝てる可能性が高いと思います。
そのような攻撃的な中飛車で挑んだ場合、豊島八段も抑え込みではなく反撃を試みるでしょう。
結局、私の予想では、居飛車対中飛車の急戦の将棋が見られるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?
まったくの見当違いかもしれませんが(笑)。
いかがでしたか?
今回は佐藤和俊六段にスポットライトを当てて記事を書いてみました。
NHK杯で対戦相手となる豊島八段の活躍には目覚ましいものがあります。
豊島八段は今後将棋界の勢力図を大きくかえるかもしれません。
一方の佐藤和俊六段も、もともと高く評価されていた才能がいよいよ開花してきた棋士です。
見ていて楽しい将棋を指す棋士でもあります。
両者ともに期待したい棋士ですが、ベスト8に進めるのは勝者のみ。
どのような結果が待っているのか、楽しみです^^
(追記) 残念ながら、佐藤和俊六段は負けてしまったそうです。
参照ツイート (外部リンク)
豊島八段は準々決勝で三浦-中村(修)の勝者と対局。
ベテラン相手に準決勝進出をかけて戦います。