深浦九段が豊島八段と自力挑戦を懸けて戦う王将リーグ最終局

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2017年度の王将戦リーグ最終局直前に書かれた記事です。

 

第67期王将戦挑戦者決定リーグの最終局が今日、一斉に行われます。

 

現時点でリーグ表を見てみると、この今期の王将戦リーグは、非常に熱い戦いであることが分かります。

 

今回この熱さを皆さまと共有するため、リーグ最終局を控えた時点での状況をまとめてみます。

 

 

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久保王将への挑戦者は豊島八段か深浦九段か斎藤七段

 

まずは、一番気になる、久保王将への挑戦者が誰になるかです。

 

対しては、豊島将之八段、深浦康市九段、斎藤慎太郎七段の誰かが挑戦します。

しかも今日で決まるとは限りません。

 

今日の最終局では、豊島将之八段と深浦康市九段の直接対決が行われます。

 

リーグ成績では、1敗の豊島先生の方が2敗の深浦先生と斎藤先生を上回っています。

 

ですので、豊島八段が勝利して深浦に勝って1敗を守れれば、そのまま挑戦決定です。

逆にもしも深浦九段が勝てば、挑戦者はまだ決まりません。

 

もしも豊島八段が負けて2敗となった場合、相手の深浦九段も当然2敗。

その状況で斎藤七段に3敗目がついたとしましょう。

 

その場合は、深浦九段と豊島八段のプレーオフとなります。

 

王将リーグでのプレーオフは、次のようなルールがあります。

リーグ戦で同率首位の棋士が複数出た場合は、原則として順位上位2名の棋士によるプレーオフとなります。

この記述は、日本将棋連盟のサイトの、王将戦のページから見ることができます。

 

さて、ここでちょっと気になることが出てきます。

 

豊島・深浦ともに2敗となったとして、斎藤七段も2敗をキープしたとします。

 

深浦九段と斎藤七段はとも2次予選を勝ち上がった組で、順位は二人とも「5」です。

 

同率首位のうち、上位1名は順位が「3」の豊島八段で、その下に順位「5」が二人続くことになります。

 

この場合の扱いは、おそらく「原則」と少しだけ変わって、3名でのプレーオフになると思われます。

 

順位の高い豊島八段がシードになるのでしょうね。

 

2000年以降の王将戦挑決リーグの結果については、連盟のサイトで見ることができます。

その中には、3名でのプレーオフが行われた例はありませんでした。

 

もしも実現したら、王将戦史上初、という状況が生まれるのかもしれません。

 

第67期王将戦リーグは各世代の代表者たちの戦い

 

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67期王将戦リーグのリーグ表を見ると、それぞれの世代を代表する棋士が出場していることがわかります。

 

まず、羽生世代の郷田九段。

 

そして羽生世代よりも一つだけ下の深浦九段。

一つしか違いませんが、「羽生世代」は基本的に皆学年が同じなので、深浦九段は含みません。

ただし佐藤康光九段だけは学年が一つ上ですが、「羽生世代」にカウントされていると思います。

深浦九段はむしろ、久保王将と同じで羽生世代よりも少しだけ下の世代、というイメージですね。

 

そして渡辺竜王。

羽生世代よりも一回り下の世代ですが、渡辺先生はすでに将棋界の第一人者です。

 

その次が、佐藤天彦名人と糸谷哲郎八段、そして豊島八段です。

27から29歳くらいの年代ですね。

渡辺竜王に続く世代で、すでにタイトル戦で活躍している棋士もいます。

 

最後は、24歳の斎藤七段です。

現在勢いのある若手は、23歳くらいの世代で、羽生世代をはじめとする上の世代に挑んでいます。

 

さらに若い世代に、藤井四段を含む10代世代がいます。

まだ藤井四段と増田四段、そして斎藤明日斗新四段しかいない世代ですので、今期の王将リーグには出ていません。

 

郷田-斎藤戦は、トップ棋士世代対若手世代

 

リーグ最終局、注目の斎藤七段の対戦相手は、郷田九段です。

 

面白いことに、この二人はどちらも渡辺竜王と糸谷八段に勝っています。

さらに斎藤七段は佐藤名人にも勝っています。

 

渡辺竜王に勝ち、若手世代と渡辺世代の間にいる中間世代と互角に戦えている郷田九段と斎藤七段。

 

郷田九段は魂の7番勝負に登場したトップ棋士の一人で、斎藤七段は若手棋士の側に近い世代です。

最終局でのこの二人の勝負は、トップ棋士世代と若手世代の対決としてもみることができますね。

郷田先生がトップ棋士の意地をみせるのか、斎藤七段が若手世代の強さをみせつけるのか、注目です。

 

名人と竜王の頂上対決も

 

今期の王将リーグには、佐藤名人と渡辺竜王がいます。

 

なんと名人と竜王が二人そろって負け越しているという意外な展開です。

それだけ今期のリーグは激しい戦いなのでしょう。

 

その名人と竜王が、最終局でぶつかります。

挑戦争いに関わっていないとはいえ、将棋界の最高位にあるもの同士の対局が最終局で行われるという点でも、今期の王将リーグはドラマティックですね。

 

糸谷哲郎八段は3勝3敗の好成績ですでにリーグ終了

 

糸谷八段は最終局は手空きで、すでにリーグを終了されています。

トップの豊島八段と、深浦九段に対して土をつけています。

 

最終局まで挑戦争いが続いたのはラス前に糸谷八段が豊島八段に勝ったためです。

3勝3敗の好成績でリーグを終え、来期が楽しみなところです。

 

まとめ

 

いかがでしたか?

 

王将戦に限らず、最近の将棋界では世代間争いが複雑になってきていますね^^

魂の7番勝負の、若手対トップ棋士の構図はかなり単純でしたが、実際は入り乱れていますね。

 

先日のJT杯決勝で惜しくも山崎先生に敗れた豊島先生ですが、王将リーグこそはきっちり勝って数年ぶりのタイトル挑戦を決めたいところですね。

そしてその勢いでA級順位戦を勝ち抜き、名人挑戦も決めたいところです。

 

一方の深浦九段も、お弟子さんの最近の活躍に負けないように、自身もトップ棋士として活躍したところ。

以前紹介したように、10年くらいおきに大活躍する棋士ですので、ひょっとするとそろそろ出番がくるのではないでしょうか?

 

斎藤七段も、棋聖戦は惜しい結果となってしまったので、プレーオフに挑戦の望みをかけ、2敗を保ちたいところです。

 

王将戦挑戦者決定争いの結果が楽しみです。

 

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