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羽生善治棋聖が渡辺明竜王に挑戦中の第30期竜王戦。
今日はその第3局の2日目ですね。
羽生先生が勝利して渡辺先生がカド番に追い込まれてしまうのか、
あるいは渡辺先生が一勝を返して踏みとどまるのか、注目です。
目次(もくじ)
ご存じのように、今回の竜王戦には歴史的な重みがあります。
今更になってしまうのですが、それを簡単にまとめておきましょう。
今回の記事は、将棋に詳しくないけれど興味のある方にも是非読んでいただければと思います^^
羽生先生は、竜王以外の6つのタイトルにおいて、「永世称号」をもっています。
永世称号とは、大雑把に言うと、あるタイトルを獲得しその翌年以降に防衛を続けたり、
何度もタイトルを獲得したりするともらえる称号です。
正確にいうと、引退後に永世●●を名乗る資格を得る、とか、色々とややこしいらしいのですが、その話は今回はやめておきましょう^^
永世称号資格をもらえる条件はタイトル戦ごとにことなりますが、一つでももらえれば相当な実績です。
渡辺先生は現在竜王と棋王のニ冠ですが、この二つのタイトルの永世称号をもっていますので、「永世ニ冠」でもあります。
永世称号資格獲得という途方もない実績を複数もっているもの同士という、
まさに将棋界の最高峰の戦いが今回行われているのです!
このような、永世六冠と永世ニ冠のタイトル戦での戦いというのは、当然史上初であることは間違いないでしょう。
今期の竜王戦が世間的に注目されている理由はこちらです。
羽生先生はすでに竜王位を何度も獲得しています。
通算6期獲得していて、あと一回とれれば永世竜王なのです。
つまり、今期勝利すれば、羽生先生は永世竜王資格を得て、その結果「永世七冠」となるわけです。
渡辺先生は、現在唯一の永世竜王資格保持者です。
実は、かつて羽生先生と渡辺先生は、初の永世竜王資格獲得を争ったことがありました。
パリで開幕戦が行われた第21期竜王戦がそれで、結果は渡辺先生が竜王5期連覇により永世称号を得ました。
最初の永世竜王誕生も大きな記録なのですが、もう一つ、将棋史上の記録がこのとき生まれました。
それは、7番勝負における、3連敗の後の3連勝です。
21期竜王戦は、羽生先生が相手の渡辺先生をカド番に追い込み、後一歩で永世竜王獲得となりそうだったにも関わらず、
逃してしまいました。
さらに羽生先生は、その2年後、2010年に行われた第23期竜王戦でも渡辺竜王に挑戦しますが、敗れています。
羽生先生にとっては、「3度目の正直」で今度こそ永世竜王資格を手に入れたいところですね。
羽生先生は、最近のタイトル戦、王位戦と王座戦で、若手棋士の菅井竜也先生と中村太一先生に
敗れ、タイトルを奪取されました。
その前の棋聖戦では、斎藤慎太郎先生の挑戦を退けましたので、現在羽生先生は棋聖位を保持しています。
そのため、現在羽生先生は、「羽生棋聖」と呼ばれています。
羽生先生は、王座を失うまでは、タイトルを複数もっていたので、タイトル数に応じて、
「羽生三冠」、「羽生ニ冠」と呼ばれていました。
それが、タイトル一つになってしまい、「羽生棋聖」といういくぶん馴染みの薄い呼び名になってしまいました。
因みに、渡辺先生はニ冠もっていますが、「竜王」は大きなタイトルですので、
タイトルを複数もっていても「竜王」と呼ばれています。
これと同じことは「名人」にも当てはまります。
ですので、羽生先生が今期竜王を奪取したら、「羽生ニ冠」でなく、「羽生竜王」となるはずです。
しかし、こちらの方は、比較的聞きなれた呼び名のように思います。
肩書きや呼ばれ方はともかくとして、羽生先生が「一冠」に後退するというのは、将棋界、すくなくとも将棋ファンに
とっては、ちょっとした事件なのです。
なんと2004年以来とのことです。
つまり羽生先生は10年以上もの間、複数のタイトルを保持し、「羽生三冠」であったり、「羽生名人」
であったりしたのですね。
ファンの印象では、羽生先生は、将棋界で一番タイトルを多くもっている男であるわけです。
この前の王座戦で羽生先生が奪取された時点で、将棋界でタイトルを複数もっているのは渡辺先生一人となりました。
今回の竜王戦は、羽生先生のニ冠への復帰戦(?)であるとともに、
羽生-渡辺による、「将棋界で一番タイトルを持っている男」の座を奪いあう戦いでもあります。
いかがでしたか?
今回の竜王戦は、実に様々な意義をもっていますね。
羽生先生と渡辺先生という、将棋界のトップに君臨してきた棋士同士の、戦いの歴史というものを
改めて感じます。
将棋界の頂点を決める勝負の行方に、興味がつきませんね。