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ここでは、プロ将棋の将棋の舞台である「棋戦」について、
特に「タイトル戦」との関係を中心に情報を書いてみます。
さらに、プロの対局における「持ち時間」、
タイトル戦の「番勝負」や「封じ手」などといった用語の説明もします^^
将棋に興味を持ったばかりの人や、プロの将棋界についてまだあまり詳しくない方に、
役立てていただけたらと思います。
目次(もくじ)
将棋のプロ棋士たちの普段の戦いの舞台である、「棋戦」とはどのようなものか。
簡単に整理してみますね^^
将棋のプロの世界には、将棋に詳しくない人でも知っている、
「名人」や「竜王」などの称号がありますね。
これらの称号のことを「タイトル」と呼びます。
タイトルの保持者を決めるために行われるのが、「タイトル戦」です。
タイトル戦開催時点での保持者に、「挑戦者」が挑みます。
タイトル戦に勝った方の棋士は1年間タイトルを保持します。
その間、タイトル名を肩書として名乗ります。
タイトル戦は「番勝負」という形式で行われます。
後で詳しく書きますが、ここではざっくり説明します。
「番勝負」とは、2人の棋士が何回も戦う、という感じのものです。
タイトル戦の番勝負に出られるのはごく一部の頂点の棋士たちだけです。
プロの将棋の大部分は、トーナメントやリーグ戦の形式で行われます。
トーナメントであれば負ければ終わりです。
勝てれば別の相手との対局があります。
リーグ戦であれば勝っても負けても別な相手との対局が、
リーグの最後まで続きます。
つまり、トーナメントやリーグでは、
「番勝負」のように、同じ相手と何回も当たることはありません。
各タイトル戦には次の挑戦者を決めるための予選があります。
実は、棋士たちが普段行っている対局のほとんどは、この「予選」にあたるものなのです。
「王座戦1次予選」など、タイトル名と何次予選であるかが明記されている場合もあります。
一方、「竜王戦ランキング戦」のように、
予選であることが若干わかりにくい棋戦もあります。
「タイトル戦の予選」の大半は、トーナメント方式で行われます。
でも、リーグ形式のものも存在します。
リーグ形式で行われる棋戦は、次の通りです。
ちなみにトーナメント方式の棋戦はタイトル戦以外にも存在しますが、リーグ形式は順位戦と王将戦・王位戦のリーグのみです。
順位戦は、参加しているすべての棋士が、所属クラスでのリーグ戦を戦います。
順位戦は名人戦の予選ですが、名人戦の挑戦者争いは、トップのクラスであるA級の棋士たちのみの間で行われます。
王位戦や王将戦の挑戦者決定リーグのメンバーは、一部の上位棋士のみです。
リーグのメンバーは、前年のリーグのメンバーの上位陣とトーナメント形式による予選を勝ち上がった棋士、そして前年のタイトル保持者か挑戦者です。
挑戦者決定の方法は、タイトルによって違うので、ここで紹介した以外の棋戦では別の方式になります。
中には、挑戦候補が二人まで絞れた段階で、挑戦者決定戦を番勝負の形式で行うものもあります。
さて、色々書いてしまいましたね(汗)。
結局、「棋戦」とは、タイトルごとに行われる、番勝負や、挑戦者を決めるための予選のことを指すものである、といえそうですね。
でも、それだけではありません。
「タイトル保持者への挑戦」という形式をとらない棋戦もあります。
この場合は、前年の優勝者であっても、トーナメントで勝ち進まなければなりません。
もちろん、シードによって優先されるなど、前回優勝者が有利になるような配慮はありますが。
いかがでしょうか?
これで、プロ棋士たちが参加している「棋戦」というのがどういうものであるか、
なんとなく感じがつかめたでしょうか?
「番勝負」という言葉をもう少し説明します。
上にも書いたように、番勝負とは、簡単にいうと、一回の勝負で勝ち負けを決めてしまうのではなく、何回か対局を行うというものです。
より具体的にいうと、番勝負には、3番勝負、5番勝負、そして7番勝負があります。
そして、それぞれ先に2回、3回、4回先に対局を勝利した方が番勝負の勝者となります。
7番勝負の場合、最初の対局、第1局から、最大で第7局まで対局が行われる可能性があります。
タイトル戦は、5番勝負か7番勝負で行われます。
例えば、「名人戦」は7番勝負で行われます。
名人が4勝3敗とかなら「防衛」、翌年も名人です。
逆に挑戦者が4勝1敗などで番勝負に勝てば「奪取」で、翌年は挑戦者が名人位に就きます。
タイトル戦の番勝負での1局の将棋は、1日で終わるものと、2日制で行うものがあります。
後者では、後で説明する「封じ手」が実施されます。
タイトル戦は、全国各地の旅館などで行われます。
例えば、将棋の駒の産地の天童で行われることもあります。
海外で行われることもあります。また、都内のホテルで行うこともあります。
もしもお住まいの地域の近くで行われる場合は、チャンスですので、お時間があれば是非見学に行ってみましょう。
プロ将棋の対局は厳粛な勝負であり、決められた時間内に勝負をつけるためや、
公平を期するために、色々な仕組みが存在します。
色々な約束事や慣習があるのですが、とりあえず知っておきたい用語・ルールについて説明しておきます。
まずは、やはりなんといっても持ち時間という概念を知っておきましょう。
実は将棋には、たとえプロ棋士でもいくら考えても中々結論が出せない局面というのがあるようなのです。
つまり、難解な場面では、いくらでも考えつづけることができてしまい、何日でも勝負がつづいてしまうこともあり得るわけです。
実際、現在のようなプロ将棋のシステムが確立する前の時代には、そういうこともあったようです。
そのような事態を避けるために、「持ち時間」という制度があるのです。
持ち時間とは、各対局者に平等に与えられた、指し手を決めるための考慮時間のです。
アマチュアの大会の場合、持ち時間がなくなったら即負け、という「切れ負け」という恐ろしいルールが採用される場合もあります。
プロの対局の場合は、持ち時間が切れたら、それ以降は一手を一分で指します。
これがいわゆる「秒読み」ですね。「一分将棋」ともいわれます。
秒読みに入ると、プロでも間違えることがありますので、
一局の将棋の最終盤では、何が起こるかわかりません。
観戦しているこちらも、対局者の集中している姿や検討陣の様子に熱気と緊張感を感じ、
独特の臨場感とスリルが味わえます。
このあたりは将棋観戦の醍醐味の一つですね。
将棋観戦初心者の方も、「持ち時間」や「秒読み」、「一分将棋」などの言葉を是非おぼえておきましょう。
そして、「この前観た将棋は、秒読みに入ってからが面白かったです」、とか、強い人に話してみましょう。
きっと熱い会話が楽しめますよ。
2日制の将棋の場合、対局者も関係者も睡眠をとらなければいけませんから、当然途中で対局を中断します。
対局は1日目の夕食前に中断されます。
中断した時点で、自分が手番を握っている対局者は、
翌日の朝対局が再開されるまでの間、ずっと考えることができるのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。それではあまりに不公平ですものね^^
そこで行われるのが「封じ手」です。
中断前に自分の手番だった対局者は、その場で次の一手を決めなければなりません。
そして、その一手を紙に書きます。
ここで書いた手は、誰にも教えずに秘密にしておきます。
そして、翌朝の再開のときに、対戦相手も関係者も視聴者も、初めて封じ手に書かれた手を知ることになります。
ちなみに、封じ手を開封するのは「立会人」の仕事です。
観戦していると、解説の棋士達が色々と封じ手を予想している様子が見られます。
2日目の時点で、封じ手が開封されたときに、
検討陣の予想が的中したり、あるいは逆に予想外の手だったりします。
2日制の対局は、こうした1日目の余韻が残る感じや、2日連続で楽しめるお得感が魅力ですね。
個人的には、インターネットの配信でも十分に楽しいのですが、やはり一度は現地に足を運んでその場の空気を味わってみたいな、と思っています。
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将棋のタイトルは、番勝負の形式で挑戦者とタイトル保持者の間で戦われます。
将棋界の棋戦の多くは、この番勝負の挑戦者を決定するための予選となっています。
棋戦には、それ以外の、「タイトル戦番勝負」という仕組みがないものもあります。
プロ将棋の対局には「持ち時間」などの、公平な勝負ができるようにするためのルールが存在します。
2日制のタイトル戦の場合は1日目の中断の時に「封じ手」が記入され、翌朝に開封されます。
封じ手を予想するなどの、2日制ならではの楽しみ方がありますので、知っておいて損はないでしょう。