将棋の振り飛車とは?初心者におすすめの戦法です!【特長や種類も】

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今回は、基本ルールをおぼえ、これから将棋を上達していきたい人向けの解説をしていきます。
将棋の序盤では、思いつくままに駒を動かすというよりは、
すでによく知られている動かし方をしていくのが普通で、
その知られたやり方のことを、定跡とか戦法といいます。

 

 

将棋の戦法には、大きく分けると、
「居飛車戦法」と「振り飛車戦法」があります。

 

アマチュアに人気で熱狂的なファン(?)もいる、
振り飛車戦法について、ここでは大雑把にみていきます。
最後に、参考になりそうな書籍も紹介するので、チェックしてみてください!

 

 

 

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振り飛車とは?居飛車との違い

 

将棋の2大戦法、「居飛車」と「振り飛車」。

 

この2つの戦法の違いは、飛車の場所です。

 

振り飛車では飛車を左側に「振る」

 

将棋では、最初、自分の飛車は、自分からみて右側にありますね。

 

その飛車を、そのまま初めにあった場所に置いておくのが、
「居飛車」です。
もとに位置に「居る」から居飛車、なのでしょうね。
飛車が将棋盤の右側にいる戦法、ということになります。

 

 

一方、飛車を、将棋盤の左側の方に動かすのが、
「振り飛車」です。
そのような動きを飛車を「振る」と表現するので
「振り飛車」です。
飛車が将棋盤の左側にいる戦法、ですね。

 

振り飛車では王将は右側へ

 

ちなみに将棋では、「玉飛接近すべからず」という格言があって、
普通は王様は飛車の反対側にいきます。
居飛車なら左、振り飛車なら右に王が移動し、「囲い」をつくります。

 

このように、飛車の位置が決まれば、
将棋で一番大事な駒である王将の場所も自然と決まってくるので、
将棋の戦法を「居飛車」と「振り飛車」に
分けて考えるのはとても妥当な考え方なのです。

 

振り飛車戦法のよさと初心者におすすめの理由

 

振り飛車戦法を指すことには、メリットが色々あります。

 

王様の守りが強い、簡単に負けない将棋!

 

王将の守りのことを、専門的には、「(玉の)囲い」と
表現したりします。

 

基本的には、囲いが堅い、つまり守りが強い方が、
しぶとい将棋が指せるので、負けにくいと考えられます。
将棋は相手の王を先に詰ました方が勝つゲームですから。

 

 

振り飛車戦法では、以下のような囲いが使われることが多いです。

 

  • 美濃囲い
  • 銀冠
  • 穴熊囲い(振り飛車穴熊)

 

3つとも、居飛車が使う「舟囲い」とかに比べたら、かなり堅い囲いになります。
だから、振り飛車戦法を使えば、すぐに簡単に負けたりしにくいというわけですね。

 

ちなみにこの中でも、振り飛車というと、美濃囲いが一番代表的です。
美しい囲いなので、棋士やアマチュアの間でも
とても人気があると思います。

 

もっと詳しいことはまた別なところで紹介できたらと思います。

 

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じっくりした将棋が指せる

 

振り飛車戦法にもかなり色々と種類があって、
一概にはいえないのですが、
振り飛車の将棋はいきなり戦いになることは
少ないのが普通です。

 

お互いが居飛車の将棋(専門的には相居飛車といいます)だと、
囲いも完成できてもいないのにいきなり戦いになったり、
ミスをすると一気に敗勢になってしまうような危険な変化が
あったりすることもあったりします。

 

 

そういう将棋が好きなら、どんどんやってもらっていいのですが、
少なくとも初心者のうちは、やらない方がいいと思います。

 

自分が振り飛車を指せば、序盤からそこまで
激しい将棋になってしまうことは少ないです。

 

 

中には、激しい変化になる振り飛車もありますが、
そういう定跡を自分が選択しなければいいだけのことです。

 

初心者が上達しやすい戦法

 

ほんの一部だけですが、振り飛車という戦法のいいところを
紹介してきました。これらの特長から、振り飛車戦法は、
初心者の方が将棋を上達するためにとてもいい戦法だと
いえると思っています。

 

なぜかというと。。
理由はいくつかありますが、とりあえず以下のような感じです。

 

 

まず、すでに書いたように、簡単には負けにくい戦法なので、
あっという間に勝負がついてしまってつまらない、
という感じにはならない、という理由があります。

 

相手の方が強くて一方的な将棋になったとしても、
多少は粘ることはできるので、将棋を指している実感があるはずです。

 

相居飛車の急戦の将棋だと、よくわからないうちに負けてしまった、
みたいなこともありますから。

 

結果的に、振り飛車なら、実力がつくまでの間の
将棋へのモチベーションが維持しやすいと思います。
もちろん、定跡の勉強や「次の一手問題」や「詰将棋」での訓練は
しなければなりませんが。

 

 

次に、振り飛車を指せば、飛車角が交換になるなどの激しい変化が
現れ、しかも中盤で一気に悪くなったりしないので一方的な展開になりにくいので、
その分得るものが大きいと考えられます。
(この背景にあるのは、将棋では、いい勝負の場面を多く経験するほど力がつく、という理屈です。)

 

 

「簡単には負けない」、「粘りが効く」というと、
ちょっと消極的で地味な戦法なのかな、と思ってしまったかもしれませんが、
私は、振り飛車の将棋って、結構派手で楽しいというイメージをもっています。

 

 

一方が振り飛車を指す場合、相手は居飛車を指す、
いわゆる「対抗形」の将棋になることが多いと思います。

 

その場合、居飛車が攻めてきて、
振り飛車側がカウンターを仕掛ける展開になることが多いですが、
飛車や角などの「大駒」の交換が行われるなど、激しい変化になります。
お互いに飛車をもちあって、敵陣に打ち合うなど、
攻め合いになります。

 

そのような派手な戦いの中では、単純に一直線に攻め合うだけでなく、
色々に手を尽くすことになります。
知恵を絞って勝利を掴みにいくことで、実力がついていきます。
それなら居飛車でも同じでは、と思うかもしれませんが、
居飛車だとどうしても自分から動かなければいけないので、
どうしても無理な攻め方をしてしまって失敗することがあるんですよね。
そして、一方的な展開になってしまうと得るものが少ないんです、

 

なので、初段くらいまでだったら、振り飛車を指す方が、
安定していい経験になる将棋が指せて、上達につながりやすいのでは、
と思っています。

 

飛車の位置によって戦法名が異なる

 

振り飛車戦法のより細かい分類は、飛車の位置によります。
飛車の場所ごとの戦法の呼び方をおぼえておくといいでしょう。

 

数学的な表現方法になって恐縮ですが、
振り飛車は、飛車が左端からn番目にあるときは、
「n間飛車」と呼ばれます。
ただ、そうでない場合もあるので、全部みていきましょう。
(しかも、nのところには算用数字ではなく漢字数字が入ります^^;)

 

 

飛車を振る位置だけでは、戦法・定跡は決まりません。
たとえば、同じ「三間飛車」でも、全然別の指し方も
あったりします。
ここでは、戦法名だけですが、書いておきます。
ここに書いてあるものよりも色々な種類があるので、
興味をもたれた場合は、色々調べてみるといいでしょう(^-^)

 

左から2筋目なら向飛車

 

飛車が左から2番目、最初に角がいたところにいくのが、
向飛車(むかいびしゃ)です。
ちなみに、将棋では、盤の縦の並びを「筋」と呼びます。
先手が向飛車を指すときは、飛車を2筋に振ることになります。
後手の場合、飛車を8筋に振ると向飛車です。

 

 

向飛車はプロの将棋の中では珍しいように思いますが、
有力な戦法だと思います。
以下、向飛車に分類される戦法の名前です。

 

  • ノーマル向飛車
  • ダイレクト向飛車
  • 阪田流向飛車

 

「ノーマル」という言葉の意味については、
後で説明します。

 

左から3筋目なら三間飛車

 

飛車を左から3番目にもっていったら、
三間飛車(しけんびしゃ)になります。

 

三間飛車戦法は、かなり色々な指し方がある印象です。

 

  • ノーマル三間飛車
  • 石田流三間飛車
  • コーヤン流三間飛車

 

中でも、「石田流」は面白い陣形を組む戦法で、
飛車が4段目にあるのが特徴です。
その上、角を端から使っていくので、かなり独特といえます。

 

左から4筋目なら四間飛車

 

飛車を左から4番目に振れば、
四間飛車(しけんびしゃ)です。

 

もっとも人気のある振り飛車の一つです。
初心者に一番おすすめしたいのも、
この四間飛車戦法です。

 

  • ノーマル四間飛車
  • 藤井システム
  • 角交換四間飛車

 

「藤井システム」は一応、
ノーマル四間飛車に属すると思いますが、
従来の振り飛車と違って、
囲いに王将がおさまっていない状態で一気に
戦いになってしまうという、
激しい(?)特徴があります。

 

ど真ん中なら中飛車

 

飛車を5筋、つまり中央に振るのが、「中飛車」です。
真ん中に行くから「中」飛車なのでしょうね。わかりやすい(笑)。

 

 

中飛車の分類ですが、次の2つをおさえておけば十分だと思います。

 

  • ノーマル中飛車
  • ゴキゲン中飛車

 

プロ将棋界で主流になっているのは、ゴキゲン中飛車です。
アマチュアにも人気ですね。
四間飛車が人気と書きましたが、
ゴキゲン中飛車も指す人が多いと思います。

 

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ノーマル振り飛車って?角道を止める!

 

さて、「ノーマル四間飛車」のような言葉が
たくさんでてきましたね。
「ノーマル振り飛車」とは何なのか、
説明しておいた方がいいですね。

 

 

先手で振り飛車を指す場合で説明しますね。

 

「ノーマル振り飛車」は、「角道を止める」振り飛車のことです。
では「角道」とは何なのか?
以下、これについても説明します。

 

まず、第一手目、つまり「初手」で、「7六歩」と指します。
次に、後手が第ニ手目を指します。「8四歩」や「3四歩」が普通です。
そこで再び先手番になったときに、「6六歩」とします。

 

 

最初の「7六歩」は、先手の角を使えるようにした手です。
角は斜めにどこまでも行ける駒ですが、途中に自分の駒がいたら
飛び越せません。
初期配置の時点では、7七の歩が邪魔になっているので、この歩を
どける必要があるのです。
このような手は「角道を開ける」手と表現されます。

 

一方、次の「6六歩」では、自ら角の効きを遮断しています。
このような手を「角道を止める」手といいます。

 

 

角道を止める理由について説明します。
後手も「3四歩」と角道を開けた場合に、
お互いの角がぶつかり合っていて、
いつでも「角交換」ができる状態になります。
伝統的な振り飛車戦法は角交換を嫌うので、
それを避けるために、角道を止めて交換を防ぐのです。

 

 

角交換振り飛車や、
ゴキゲン中飛車やダイレクト向飛車などの戦法では、
6六歩は指さずに飛車を振ります。
「ゴキゲン」も「ダイレクト」も、将棋の定跡の中では
結構新しい方で、角道を止める振り飛車の方が、
昔ながらの振り飛車戦法なのです。
だから、最近でてきた角交換を辞さないタイプの振り飛車との区別のために、
「普通の振り飛車」というような意味で、「ノーマル」という言葉がつけられるわけですね。

 

まとめ

 

今回は、振り飛車という戦法の紹介と、
将棋初心者におすすめできる理由についてでした。

 

実は、私はずっと居飛車をメインでやってきたのですが、
振り飛車も指すようになり、その魅力を実感するようになりました。

 

ここでの内容は、居飛車党側で振り飛車をみてきた経験から書いたものですので、
例えばお互いが振り飛車を指す「相振り飛車」の将棋のことが
書かれていなかったりしますが、それ以外の部分は、十分に参考になるかと思います。

 

最後に、居飛車対振り飛車の定跡を解説した本で、よさそうだと思う書籍を紹介します。

 

 

はじめの方を読みましたが、本当に初歩から丁寧に解説しています。
また、通常の四間飛車の他に、藤井システムや角交換四間飛車、
さらにはゴキゲン中飛車の章までまであるというのは、とても魅力的です、
しかも、NHK将棋講座で解説した当時と、見解が変わって修正した部分さえあるということで、
単なる初心者向け解説以上の、プロが真剣に考えた将棋の序盤の定跡を解説した本でもあるようです。

 

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