A級順位戦のリーグ戦や挑決プレーオフの結果の次期順位への影響は?

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このブログでは、将棋の順位戦の仕組みについてまとめてきました。

この記事では、特にA級順位戦に注目します。

 

名人という権威あるタイトルへの挑戦者を決めるという点で、将棋界でも重要なポジションにあるA級順位戦

今回は、何が「順位」を決めるのかについて、焦点を当てます。

A級順位戦のリーグや、プレーオフになった場合の名人挑戦者決定トーナメントの結果は、次の年度の順位にどう関わってくるのでしょうか?

2017年度3月、A級順位戦最終局の結果は、史上最大の名人挑戦者決定プレーオフというドラマを起こしました。

この記事は、「最大のプレーオフ」のことを思い出して、A級順位戦の仕組みに興味が湧いてきた方を対象にしています。

すでに詳しい方には蛇足となるかもしれませんが、ご了承ください(_ _)
 

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名人戦挑戦者決定プレーオフは次期順位に影響なし

 

まず、プレーオフに関しては結論からいうと、基本的に次期順位への影響はありません。

ただし、下に書くように例外があります。

 

名人戦挑戦者決定プレーオフはあくまで挑戦者を決めるもの

 

次の年度の順位は、本来の順位戦であるリーグ戦の結果によって、決まります。

 

A級順位戦のプレーオフは、あくまでも名人への挑戦者を決めることを目的としたものです。

ですので、棋士の順位を決める「順位戦」としての意味は原則としてありません。

 

名人戦に負けた棋士は次のA級順位戦の第1位に

 

順位戦のプレーオフの結果は次期の順位に影響はなく、順位戦リーグの結果のみが影響すると書きました。

しかし、名人戦7番勝負の挑戦者になった棋士については、別です。

 

挑戦者になると、次の順位戦においては、次のような扱いになります。

 

7番勝負で挑戦者が勝ち名人になれば、次の1年間は順位戦を戦う必要はありません。

順位戦は、名人戦の挑戦者を決める棋戦ですからね。

 

また、もし名人に防衛されてしまい、奪取できなかった場合は、次の順位戦をA級1位で戦います。

名人が番勝負に負けた場合は、やはり次の1年をA級1位として戦います。

 

イメージしやすいように、2018年度の第77期順位戦の場合で説明します。

この記事の執筆時点では、佐藤(天)-羽生で第77期の名人の座を争っています。

第77期のA級在籍メンバーは、すでに1位以外決まっていて、1位については、「佐藤(天)か羽生」となっています。

お二人のうち、名人の番勝負で負けた方が、1位になります。

 

 

名人と挑戦者は、棋士たちの頂点に立つ存在です。

そのため、挑戦者と名人のうち、名人戦に勝った方は最高タイトルの一つ名人として挑戦者となるA級棋士をまつ立場、敗れた方は、次の年のA級第1位、という特別なポジションを占めることになるわけですね。

 

 

次の年のA級順位を決める要因は大きく分けて3つ

 

結局、次の年のA級順位戦のメンバーや順位を決める要因は、大きく分けると次のようになります。

 

  • 順位戦の総当たりリーグでの成績
  • 挑戦者決定プレーオフの決勝戦
  • 名人戦7番勝負の結果(奪取or防衛)

 

2番目の項目は、もちろん、プレーオフにならなかった場合は関係ありません。

 

 

3番目の項目については、すでに説明しました。

 

なお、1つ目の項目についてですが、下に書くように、B級1組のリーグ戦の結果も含みます。

 

A級順位戦の順位は前年のリーグ結果でどう決まる?

 

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さて、次の年の順位戦におけるA級棋士の順位を決める3つの要因の一つは、順位戦のリーグの成績である、と書きました。

今度は、この「リーグの成績」について、補足説明を書いておきますね^^

 

基本的には、「成績」は次の要因で決まります。

 

  • 今期順位戦リーグの勝ち数
  • 今期順位戦における順位

 

以下、よりくわしく説明します。

 

勝ち数が同じなら、順位が高い人の方が成績が上

 

次期A級リーグの順位は、成績順となります。

A級以外のクラスと同じなのですが、基本的に勝ち数が多い人ほど成績が上位となります。

 

A級の場合、勝ち数が最大の人が挑戦者になります。

そして、もしも勝ち数が一番の人が複数名いた場合、プレーオフとなるのでしたね。

挑戦者以外の人の来期順位は、2位以下となります。

 

次期の2位以下の棋士たちの中で、勝ち数が同数の棋士たちがいた場合はどうなるのでしょうか?

この場合は、今期の順位が高い方が成績上位者となります。

 

B級1組からの昇級者の順位は?

 

次の年のA級の順位に関わるのは、A級での戦いだけではありません。

B級1組からA級に昇級してくる棋士がいるためです。

つまり、B級1組のリーグ戦の結果も、次期のA級順位に影響してくるわけですね。

 

B1からAへの昇級者は2名で、B1の成績上位者です。

B1で2位の成績をとり昇級した棋士は次の年のA級で最下位、1位昇級だったらその一つ上の順位になります。

簡単ですね^^

第76期昇級者でいうと、阿久津先生が第77期のA級10位、そして糸谷先生が第77期A級9位ですね。

 

A級からB級1組への降級者の順位は?

 

A級で成績が下位になってしまった棋士は、A級の一つ下のクラス、B級1組へ陥落します。

A級から降級した棋士の、次期B級1組での順位はどうなるのでしょうか?

せっかくなので、ついでにみておきましょう。

 

といってもこちらも簡単です(笑)。

A級から降級した棋士のうち、成績が高い方から順に、次期B級1組の上位陣を占めます。

B1に残留した棋士たちの順位は、A級から陥落してきた棋士たちの下になります。

 

まとめ

 

いかがでしたか?

 

今回は、A級順位戦の順位を決めるものが何か、というテーマでした。

A級の場合は、名人挑戦がかかっている点で、他のクラスに比べて特別な要因がある、という点だけでもおぼえておくといいかもしれませんね^-^

 

「順位の重み」みたいなことは今回あまり書けませんでしたので、機をみてまたどこかで書きたいと思います。

 

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