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将棋YouTuberの折田翔吾・元奨励会三段の、
プロ棋士編入試験の第二局で試験官をつとめるのが、
出口若武四段です。
第一局で黒田四段に快勝した折田翔吾アマの前に
立ちはだかる二人目の相手・出口四段とは、
どのような棋士なのでしょうか?実績などにせまります。
目次(もくじ)
出口若武四段は、1995年4月28日生まれの24歳の若手です。
出口四段の師匠は、谷川浩司九段の弟弟子である井上慶太九段で、
同門には、稲葉陽八段、船江恒平六段、菅井竜也七段、井出隼平四段らがいます。
井上九段自身も含め、上記の井上一門の棋士は藤井聡太七段に公式戦で勝っている棋士が多く、
そのため、「キラー一門」と呼ばれています。
「キラー」とは、「天敵」というような意味です。
ここでの使われ方は、「藤井キラー」の略で、かつて羽生九段がまだ若手だった時代に、
「羽生キラー」と呼ばれる棋士がいたのですが、その呼び名を踏襲したものになります。
出口四段の話に戻すと、出身は兵庫県明石市です。
「明石焼き」という食べ物がありますが、その「明石」みたいですね。
完全に余談ですが、以前、糸谷哲郎八段がイベントで、
お好み焼きの話をしていた記憶がありますが、
明石焼きに対する糸谷八段の評価を聞きたくなってきました(笑)。
出口四段と同世代棋士は、同じく24歳の青島未来五段(ただし学年は2月生まれの青島五段の方が一つ上)、
1995年8月20日生まれで24歳で同学年の古森悠太四段がいます。
*どれも2019年12月現在の年齢です。
出口四段の四段昇段は2019年4月1日で、23歳の黒田尭之四段(折田アマの編入試験番勝負の最初の相手でした)と同期。
四段昇段(プロ入り)を決めた奨励会三段リーグでの成績は、
出口三段(当時)が14勝4敗、黒田三段(当時)が13勝5敗で、
成績がよかった出口四段の方が棋士番号が一つ若い、317番となったようですね。
出口若武四段の実績といえばなんといっても、
新人王戦準優勝経験があることです!
「プロになったばかりなのにすごいね」と思いましたか?
でも実はこの準優勝の実績は、それどころではなくすごいのです(^^)。
というのは、この準優勝は、棋士デビュー前の三段時代に成し遂げた業績だからです。
新人王戦はトーナメント方式で行われる棋戦ですが、
決勝では3番勝負が行われます。
番勝負というのは、タイトル戦という、将棋界の一番トップでの戦いで用いられている方式です。
しかも、新人王戦の優勝者というのは、将来タイトルをとることになったりした棋士が多いこともあり、
若手のトップが決まる勝負である新人王戦決勝というのは、中々に大きくて厳かな舞台といえます。
「3月のライオン」の実写映画で、新人王戦をモデルにした棋戦(新人戦)がありましたが、
映画全体の雰囲気と合わせてとても重い戦いであるという雰囲気が伝わってきました。
大げさな演出のようにも感じましたが、現実の新人王戦を観てみると、
それに負けないくらいの空気感があるような気がして、映画に納得できる気がしましたね。
出口若武三段(当時)が決勝で当たった相手は、あの藤井聡太七段でした。
このときは藤井七段が3番勝負で2連勝して勝利、
早過ぎる昇段のために「最後の新人王戦」でしたが、
見事に優勝して新人棋戦を卒業していきました。
このときは斬られ役となってしまった出口三段(当時)でしたが、
胸を張っていい内容だったようです。
実際その後に、三段リーグを抜けて棋士デビューしていますからね。
将棋連盟公式サイトの記載によれば、出口若武四段は
2019年度公式戦8連勝しています。
8連勝というのは簡単ではなく、2019年度13位の記録となっています。
では、その8連勝の相手は、誰なのでしょうか?
実はこの8連勝の影には、テレビ棋戦における活躍が
隠されているのではないか、という予感(?)がしています。
出口若武四段の公開されている公式戦結果によれば、
2019年9月12日から10月24日までの期間に、
次の相手に連続して勝っています。
(時期が早い順に並べています。)
強い棋士ばかりですね。
小林七段に2回勝っているというのもすごいと思います。
でも、5つしかありませんね。これでは、5連勝ですね・・・?
他の時期だと、ここまで勝っていないのですが。。。
こういうときは、テレビ棋戦の勝敗がまだ公開されていない(未放映のため)
けれど記録の上では反映されている可能性が高いです。
上記の5連勝と同じ時期に、未放映のテレビ棋戦で3連勝していると考えるならば、
合わせて8連勝となるわけなので説明がつきます。
出口四段が出場中のテレビ棋戦は、銀河戦になります。
Cブロック本戦の一回戦で西山朋佳女王、二回戦で田中悠一五段を破っています。
しかし、これら二局の対局は、2019年9月1日が対局日であり、
出口四段は2019年9月9日に高野四段に負けているので、時期的に無関係です。
ということは、銀河戦の三回戦以降の対局で、すでに3連勝していて、
上記の5勝と合わせて8連勝ということなのかもしれません。
実際、2018年の銀河戦Cブロックの第3回戦と第4回戦は、
10月の初旬ごろに行われています。
ただ、第4回戦に関しては、2018年は12月の対局でしたが。
たまたまスケジュールが早めに組めたのか、
出口四段が12月に編入試験の試験官をつとめるので
銀河戦の日程を繰り上げるように配慮がなされたのか、
そのどちらかなのかな、と思っています。
結果的に連勝数を伸ばせたので、出口四段としてはよかったのかもしれませんね。
銀河戦の放送が終わるころに、答え合わせをしてみたいと思います。
ちなみに、もしこの仮説が正しいとすると、出口四段の8連勝の際の対戦相手は、
先ほどの5名に加えて、次の3名が追加されます。
もしも本当に5回戦の高野六段に勝っていたら、
次の6回戦の相手は藤井聡太七段ということになります。
これは熱い展開ですね!
実は、銀河戦の結果に関わらず、出口若武四段の
藤井聡太七段へのリベンジマッチが近く行われることは、
すでに確定しています。
王位戦というタイトル棋戦の予選の第7ブロックの準決勝で、藤井-出口戦が実現しているからです。
この対局に勝って次も勝てば、王位戦挑戦者決定リーグ戦に出場する資格を得ます。
つまり、リーグ入りまで後2勝というところに、出口四段と藤井七段はきていて、
そのタイミングで両者がぶつかりあうのです。
奨励会三段時代は新人王戦決勝で2連敗と苦杯をなめた出口四段ですが、
プロ入り1年目にして、藤井七段へのリベンジマッチというチャンスがやってきました。
藤井七段にしても2019年度は、王将戦で後1回勝てばタイトル挑戦というところでを逃すという
悔しい思いをしているので、是非とも王位リーグ入りしたいところですね!
【ここの節は、2019年12月18日に追加しました。】
出口四段の、折田アマの編入試験の前の対局は、誰との対局なのでしょうか?
2018年12月17日、王位戦予選の準決勝で、出口四段は藤井聡太七段と対局しました。
勝った方が、王位戦の挑戦者決定リーグ戦に進出となる大きな舞台でしたが、
結果は、藤井聡太七段が勝ちました。
出口四段にとっては残念な結果ではありますが、
大きな舞台で藤井七段と再戦できたのは大きな経験になるに違いありませんね。
2019年12月23日に、折田アマのプロ編入試験の第二局の相手をつとめる出口四段。
しかし実は、出口若武四段の対・折田アマ戦の直前の将棋は、17日の対・藤井七段戦ではありません。
棋王戦予選の1回戦、星野良生四段との対局が、2019年12月20日(金)にあるので。
棋王戦といえば、第45期棋王戦で本田四段が活躍していますが、
その次の第46期も、もう予選がスタートするのですね・・・!
この対局に勝った方が、藤井聡太七段vs今泉健司四段の勝者と2回戦で当たります。
藤井vs今泉戦も、話題性があるカードですね!
そして、出口若武四段は藤井七段とまたしても再戦する可能性があるという。
以前は都成竜馬六段や大橋貴洸六段が藤井聡太七段とよく対戦していましたが、
出口四段がそのポジションをとるようになっていくのでしょうか(笑)。
一方の星野四段も、対・ゴキゲン中飛車の「超速」戦法の生みの親という話もあり、
勝ってほしいファンも多いのではないでしょうか。
アゲアゲさん(折田翔吾アマ)の編入試験の相手としても注目の、
若手棋士・出口若武四段についてのお話でした。
キラー一門こと井上慶太門下であり奨励会三段時代に新人王戦決勝で
藤井聡太七段の相手であったこと、その後、四段昇段して、
折田アマの編入試験の試験官となるなど、新人ながらスポットライトの当たることが多い棋士という印象ですね。
今泉四段によれば才能ある棋士という話で、実際、強い棋士に勝っていますので、今後の活躍が期待されます。
将棋連盟が公表している8連勝の内訳がまだ謎ですが、
おそらく銀河戦というテレビ棋戦でかなり勝ち進んでいることによるものと思われます。
この仮説が当たっていれば、藤井聡太七段と銀河戦で再戦の可能性もあります。
それだけでなく、王位戦では藤井七段との対局が予定されています。
このように、今後ますます話題になり将棋界を盛り上げてくれる可能性のある棋士なので、
出口四段が気になるファンの方は、是非チェックしておくといいでしょう。