炎の七番勝負第一局の藤井-増田戦の対局時の様子を振り返る

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この記事は、藤井聡太四段が増田康宏四段に竜王戦本戦トーナメントで勝利して29連勝目を挙げた後、公式戦30戦目の佐々木勇気五段戦を心待ちにしながら書きました。当時は記事冒頭にあった文を本文に移動しました。記事全体を通して情報は当時のもので、段位も当時のものです。

 

 

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ごあいさつ (2017年6月26日執筆)

 

29連勝という新記録がかかった藤井聡太四段の対局、竜王戦本戦トーナメントの増田康宏四段戦が本日行われました。

藤井聡太四段が勝利し、新記録樹立となりました。

 

 

というわけで(?)今回は、炎の七番勝負の第一局、藤井四段と増田四段の初対局を振り返ります。

 

 

 

実はこの記事は対局が始まる前に執筆を始めました。

 

そういうタイミングでこのテーマで執筆する理由は、竜王戦の藤井-増田戦の結果が出た後だと、「炎の七番勝負の藤井-増田戦の記事を今更書く気になれない」と私が思ってしまうかもと思ったためです。

 

今回、将棋の内容、特に感想戦についても記事にしたかったのですが、今日中に投稿できなくなりそうですので、炎の七番勝負第一局のときの対局の様子について、書きます。

そうしておけば今後、今回の続きとして、「炎の七番勝負第一局の記事・将棋内容編」も書きたくなるはずですので^^

 

 

それでは前置きはこのくらいにして、本文をどうぞ^^

 

 

藤井聡太四段と増田康宏四段の対立構図

 

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現在2人しかいない10代棋士で、奨励会時代から注目されてきたという共通点あるお二人ですが、対局時の姿勢や様子など、藤井聡太四段と増田康宏四段は対照的な特徴があります。

 

炎の七番勝負の第一局では、藤井四段の師匠で増田四段とも対局したことがある杉本七段が解説者だったこともあり、両対局者のそういった特徴も解説されていました^^

 

動の藤井聡太vs静の増田康宏

 

このブログでもすっかりおなじみとなった師匠・杉本七段は、藤井四段を子供時代からみてきていますので、藤井四段の特徴をよく知っています。

 

例えば、対局中の藤井四段には、前傾姿勢で身体を前後に揺らすという特徴があります。

前にも書いたように、杉本師匠と藤井四段が研究会で対局すると、両者の頭がかなり近づくのだそうです。

おそらく、藤井四段の対局姿勢は師匠ゆずりなのですね^^

 

 

一方の増田四段の対局姿勢も、杉本七段が言われるには、やはり師匠ゆずりだそうです。

 

なんと、お二人にはこんなところにも共通点が!

 

でも同門ではないので師匠は当然違います(笑)。

増田四段の師匠は森下卓九段です。

同じ師匠ゆずりでも、師匠が森下九段である増田四段はあまり前傾姿勢はとらず、動きも少ないです。

 

増田四段からは、ゆったりとした印象を受けます。

 

 

このようにスタイルに違いはありますが、杉本先生が感心して言われたように、お二人とも10代ながら落ち着いていて、「タイトル戦のような雰囲気で」対局されていました。

 

個人的には、杉本師匠が藤井四段と増田四段の対照的な様子について、「動の藤井対静の増田」といった感じであるとおっしゃっていたのが印象深かったです。

 

扇子を手の中で回す藤井聡太vs小物を持ち込まない増田康宏

 

藤井四段は炎の七番勝負に出たころと、その後の公式棋戦での対局で、基本的なスタイルに変化はありません。

例えば対局時の藤井四段の席に、扇子とタオルが置かれている光景は今やおなじみですね^^

 

 

最近はどうか知りませんが、炎の七番勝負のときは、杉本師匠が前にプレゼントしてくれた扇子を持って対局に臨んだそうです。

 

師匠があげた扇子は1本ではなくて、杉本先生の揮毫入りのものと、他の棋士の揮毫入りのものがあったそうです。

杉本先生は、「私の(揮毫入りの)扇子は使ってくれない」と少し残念そうに話されていました^^

 

 

一方の増田四段ですが、炎の七番勝負のときは扇子を持ち込んでいませんでした。

増田四段と対局したことがある杉本七段は、増田四段は対局室に扇子などの小物を持ち込まない棋士なのかな、とおっしゃっていました。

 

 

 

さて、藤井四段の対局時の扇子の使い方は、どのようなものでしょうか?

 

 

前にも書きましたけれど、棋士の標準的(?)な扇子の使い方は3種類くらいあります。

 

 

1つは普通に仰ぐ使い方で、暑い季節なら普通ですね。

 

 

では炎の七番勝負のように、寒い季節に行われる対局では、扇子は使われないのでしょうか?

そんなことはありません^^

 

 

2つ目の使い方は、扇子を全開にするのではなく端の方を一部開いて、また閉じる、この動作を繰り返すというものです。

 

このとき、ぱちぱちと音が鳴るのですが、棋士はこの音でリズムをとって集中力を高めるらしいです。

 

 

3つ目の使い方は、閉じた状態の扇子の端をあごやひたいにあてるというものです。

以前に羽生先生が、この体勢(?)で指し手を考えておられる写真が、将棋世界にのっているのをみたことがあります。

 

 

藤井四段の扇子の使い方は、実はこのどれでもありません。

 

藤井四段による4つ目の新しい扇子の使い方は、手に持って回転させる、というものです。

 

回転させるといっても、ペン回しのような回し方ではなく、扇子の縦方向を軸にして回すのです。

 

 

その様子をみていると、なんとなくリズムをとっているのだな、と分かります。

 

 

扇子の使い方まで新しい方法を編み出してしまうあたりにも、藤井四段の天才性が現れていますね^^

 

まとめ

 

いかがでしたか?

 

今回は少し短めでしたが、炎の七番勝負の藤井-増田戦の「盤外編」的な記事をお届けしました。

 

 

棋士が対局のときに持ち込むものに注目すると、将棋を楽しむ幅が色々と広がって楽しいですよね^^

対局に持ち込む飲み物なども棋士によって様々です。それから、鞄や上着なども注目すれば楽しいでしょうね。

 

 

 

扇子にも色々種類があるみたいで、炎の七番勝負でも、藤井四段の扇子とはまた違ったタイプの扇子を持ち込む棋士もいました。

扇子は当然、将棋だけのものではないですし、また日本だけのものではないので、そこまで考えると実に色々あります。

 

 

棋士の持ち物観察は、対局時の姿勢や仕草とともに、盤面以外でも楽しめるポイントですね。

 

 

 

藤井四段は、今回の増田戦で勝ったことにより、竜王戦本戦トーナメントを一つ勝ち進みました。

藤井四段の次の対局、公式戦30戦目はまた竜王戦本戦トーナメントで、相手は佐々木勇気五段です。

 

藤井-佐々木戦の対局日は7月2日です。

 

 

瀬川五段-藤井四段戦でニコニコ生放送に解説者として出演した佐々木五段。

終盤の緊迫した局面で、解説用の大盤を使って凄い勢いで検討を行う、「ハイパー佐々木タイム」を披露していました。

佐々木先生の読みの速さには、私も驚きました。

 

 

佐々木五段の検討の結果では、藤井-瀬川戦の終盤は藤井四段が敗勢でした。

つまり同じ局面で佐々木五段が相手なら、藤井四段は負けていたかもしれません。

佐々木五段のこの終盤力なら、藤井四段との対局でも、読み負けしないかもしれません。

 

藤井四段の30連勝、果たして実現するのでしょうか?

藤井四段の記録はどこまで伸びていくか、注目ですね!

 

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