将棋の持ち時間のチェスクロック方式とストップウォッチ方式の特徴比較

プロの将棋の対局では、持ち時間というものがあります。

自分の手番のときに次の手を考えるのに使っていい時間のことです。

 

持ち時間をどのくらい使ったか、つまり「消費時間」のカウントの仕方に、2種類の方式があるのをご存じでしょうか?

ストップウォッチ方式」と「チェスクロック方式」という2つのやり方があります。

この記事では、それぞれの特徴やどういう方式であるかについて説明します。
 

 

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持ち時間についての2つの方式の違い

 

いきなりですが、2つの方式の特徴比較について書きます。

 

終局が早いのはどっち?

 

大きな違いは、どちらが対局の終了(終局)が早いか、です。

 

チェスクロック方式の方が、持ち時間の減りが早いので、その分「秒読み」になる時刻が早いです。

そのため、ストップウォッチ方式に比べて、終局が早くなります。

 

行方八段によれば、体感で1時間違うそうです。また、糸谷八段によると、終局時間は1から2時間ほど違うようです。

(「将棋世界2017年7月号」掲載のイメージと読みの将棋観・Ⅱより)

 

 

たとえば順位戦では、B級2組以下ではチェスクロック、B級1組以上ではストップウォッチ方式で対局が行われます。

日付が変わるほどの深夜まで戦いが続く「夜戦」が観られるのは、B1以上ということになりますね。

 

棋士によって相性があるらしい

 

「対局が終わるのが早くても遅くても、どちらでもいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。

しかし、我々アマチュアの想像以上に、持ち時間の方式は将棋に影響があるみたいです。

 

棋士の中には、「夜戦」を得意とする方もいるようで、じっくり夜まで戦い、混戦にして勝とうとするスタイルもあるそうです。

持久戦というか、体力勝負というのでしょうか?そういう将棋を得意とする棋士は、持ち時間の長い棋戦では「ストップウォッチ式」の方がいいようです。

また、終局が早いスピーディーな勝負では、若手が有利という説もあります。

このあたりの話は、「イメージと読みの将棋観・Ⅱ」に詳しく書かれています。

 

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ストップウォッチ方式とは

 

ストップウォッチ方式とは、そもそも何なのかを説明します。

 

1分未満は切り捨て

 

ストップウォッチ方式では、記録係が消費時間を計測します。

たとえば、1分30秒考えた場合、30秒の部分は切り捨てとなり、消費時間としては、「1分」と記録されます。

1分未満の消費時間については、カウントされないわけです。

 

このように、本来は消費したけれども、カウントされない時間があるのがストップウォッチ方式の特徴です。

持ち時間を使いきって秒読みに入るのが遅くなるので、終局が遅くなります。

 

1分将棋でなくても「秒読み」が?

 

ストップウォッチ式の場合、対局者に消費時間がわかるようにするために、記録係の机に「早見表」というものが設置されています。

消費した時間について、早見表の対応する箇所を削るそうです。

これは持ち時間が残り少なくなってきてから使われるようで、早見表を削る音は心臓に悪い、という棋士もいるみたいです。

 

持ち時間が残り少なくなってくると、1分の重みが大きいです。

残り5分くらいの時点から、記録係が、1分ごとに秒読みをしてくれます。

棋士によって、どの時点から秒読みをしてもらうかは違うようです。

ストップウォッチ式の場合、残り5分のときに、毎回の消費時間を1分未満にすれば、ずっと持ち時間を5分のままでキープしておけるのです。

もしもこの「1分将棋でない秒読み」がなければ、うっかり1分以上考えてしまって持ち時間を消費していき、予定よりも早く本当の「秒読み」に入ってしまうこともありえます。

このように、ストップウォッチ方式では、記録係が大活躍します。この点も注目ですね。

 

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チェスクロック方式とは

 

チェスクロック方式についても説明します。

 

1分未満も消費時間に入る

 

対局時計(チェスクロック)では、持ち時間は秒単位で消費されていきます。

このことから、すでにお気づきかもしれませんね。

そう、「チェスクロック方式」というのは、「ストップウォッチ方式」のような「1分未満切り捨て」がない方式です。

 

実際に使った時間が消費時間としてカウントされるので、持ち時間の減りが早いので、その分対局が終わるのも早いわけですね。

 

対局時計ではなくタブレット?

 

チェスクロック方式というからには、棋士たちがチェスクロックを押しながら対局するのでしょうか?

残念ながら(?)、そうではありません。

 

記録係の机には、チェスクロックではなく、タブレットが置かれています。

チェスクロック機能のあるタブレットが使われているのですね。

そして、机の上に立てられたもう一つのタブレットに残りの持ち時間が表示されていて、棋士がそれをみて確認することもできます。

 

ちなみに、藤井聡太七段が優勝した2017年度朝日杯では、決勝で対局時計が登場しました。

このときは、タブレットの表示がおかしいというトラブルがあって、途中から代わりに通常の対局時計が置かれたらしいです。

 

まとめ

 

将棋の対局での持ち時間の方式について書きました。

チェスクロック方式とストップウォッチ方式、それぞれに特徴があり、興味深いですね。

 

普段何気なく観ている対局ですが、色々な側面に注意してみると、より楽しめるかもしれませんね。

 

 

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