【2019年末】将棋界の今年の重大ニュースは何だったか振り返る

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2019年も将棋界は劇的な出来事がたくさんでしたね。
終わってしまうのが惜しい年ですが(笑)、
感傷に浸ってばかりもいられません。
なぜなら、令和2年となる2020年も、きっとすごい展開が待っているに違いないのですから。

そこで、2019年の1年間を振り返ってみることにしたいと思います。
そうすることで、将棋界の次の1年間をより一層楽しむことができるのです。

以下、大急ぎで振り返ります(急がないと年が明けてしまう・・・!)。
 

 

【2019年版】今年の重大ニュースは?

 

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2019年の将棋界は、ビッグニュースが色々とあったわけですが、
正直、多過ぎて一度に全部は思い出せない、というのがおそらくは普通のはず。

NHKの将棋フォーカスで、将棋界の「10大ニュース」みたいな企画を
やっていたのを観たことがありますが、そういう企画を、
ここでもやってみたいと思います。

ただし、10個というのは難しいので、同じ読みの、
「重大ニュース」という言葉をここでは使うことにしました。

プロ将棋界で大きな話題といえばタイトル戦が中心になってきますが、
その他にも、将棋の枠を超えて広い層の人々に注目されるようなニュースがありましたね。

ここでは、個人的に印象が強かったものを中心に選び、簡単にまとめます。
 

復調の渡辺明、絶好調に!

 

新年が明けると、将棋界ではわりとすぐに話題性の大きな対局が行われます。

もちろん、新春の記念対局的なものもあって、それはそれで素晴らしいのですが、
ここで言っているのは、プロの公式戦のことです。

将棋界で新年最初に行われるタイトル戦が王将戦。
そして、棋王戦です。

その両方のタイトル戦に、それぞれ挑戦者、ディフェンディングチャンピオンとして、
出場したのが、渡辺明棋王です。

近年は、竜王位を羽生善治九段に奪取されて永世七冠誕生を許したり、
A級順位戦からB級1組に降級するなど、不調のようにみられていた渡辺棋王。

しかし、2019年の1月、2月の時点では、調子が戻り、むしろ絶好調だと言われていました。

実際、王将戦では、久保利明王将(当時)に、棋王戦では広瀬章人竜王(当時)に勝ち、
二冠に復帰。

順位戦でもA級に復帰し、棋聖戦では、豊島将之名人から規制位を奪い、
三冠に復帰となりました。

さらに、A級順位戦でも好調と
2020年も、王将戦、棋王戦、朝日杯、順位戦などで、スポットライトが当たることになります。
2019年度の勝率ランキングなども含めて、今後しばらくの間、
一番注目しておくべき棋士の一人であることは間違いないでしょう。
 

藤井聡太七段の活躍

 
ここ数年の将棋界で、常に話題の中心となっている棋士・藤井聡太七段。
2019年は、さらなる飛躍を見せてくれました。
 

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藤井七段、朝日杯2連覇

 
2019年の藤井七段の活躍といえば、やはり朝日杯での活躍は外せませんね。
なんと、初参加だった2018年に続き、2019年でも優勝。2連覇を達成しました。

復調により、圧倒的な強さをみせるようになり始めていた渡辺棋王。
その渡辺棋王相手に、圧勝しているようにさえ見えました。

2018年、羽生竜王(当時)を含む強敵相手に勝ち進み、
現役中学生が全棋士参加の将棋の公式戦で優勝した衝撃が、
再び蘇るかのような出来事でした。

2020年の朝日杯も強豪ぞろいですが、果たして3連覇達成なるかどうか。
今から楽しみですね。

 

藤井七段、B級2組への師弟同時昇級逃す

 

朝日杯連覇は当然、藤井聡太七段の単独の業績でした。

一方、藤井聡太七段には、杉本昌隆八段という素晴らしい師匠がいて、
師弟ともに将棋ファンの間では人気があります。
王将戦予選での師弟対決が、やはり大きな話題になったこともありました。

2018年度の順位戦では、師弟そろっての昇級の可能性があって、
その師弟同時昇級というのが将棋界でも非常に珍しいことだったというのだから、
これもすごいことでしたね。

結局、師弟同時での昇級はならず、藤井七段は勝ち星で言えばトップの成績でありながら、
順位の関係で昇級を逃すという「頭ハネ」の憂き目をみてしまったのでした。

順位戦の昇級ロード(?)は、名人への道でもあるため、
抜群の注目度があります。
そして、2019年度の順位戦では、藤井七段はここまで無敗であり、
順位もいいので、前期の無念を晴らすことができそうな流れです。
また将棋ファンを湧かせてくれるかもしれませんね。

その他、藤井七段がタイトル戦挑戦まで後一つに迫った王将戦リーグや、
リーグ入りを決めた王位戦予選、本戦入りまで後一つというところまで来ている棋聖戦2位予選など、
タイトルへの道という意味でも、中学生棋士時代に比べてもよりリアルな意味で関心の的となってきています。

公式戦だけでなく、詰将棋解答選手権や、AbemaTVのフィッシャールールのトーナメント、
ニコニコ超会議への出演(しかも「ひふみん」との対談!)
イベントでの詰将棋のスピード解答、藤井七段監修の将棋ゲームの登場などなど、
藤井七段だけでもこんなにも興味深い話題があることに驚きます。
ついでに言うと、藤井七段は、大学進学せず将棋に専念との考えでいるとのことですが、
これは棋士としてはごく自然な判断だと思うので、将棋ファンはわりとスルーしがちなニュースかもしれませんが、
将棋に詳しくない方たちの反応はどうなのか、ちょっと興味がありますね。

 

豊島将之竜王名人誕生!

 

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2019年将棋界は、藤井七段、渡辺三冠の活躍以上に、
インパクトが大きい歴史的な出来事がありました。

その一つ(!)が、豊島将之竜王名人の誕生です。
他にもあるというのだから、2019年の将棋界は、一体どうなっているのでしょう!?

2018年、「無冠の帝王」の汚名を返上し、初タイトルの棋聖を羽生九段から奪取、
さらに王位を菅井七段から奪い取りました。

こうして一気に二冠になり、2019年の名人戦では、永世名人に一番近い男とも言われる、
佐藤天彦九段に勝利して名人位を手に入れました。

一気に豊島時代が来るかと思われましたが、
棋聖戦では渡辺明二冠(当時)に、王位戦では木村一基九段に王位を取られてしまい、
名人一冠に後退。

しかし、ここで終わらないのが豊島名人のすごいところです。
竜王戦で広瀬章人竜王(当時)に挑戦し、将棋界の頂上対決を制して、
名人と竜王の同時保持という、将棋界でもわずかに3名しか前例のない偉業をやってのけました。
2019年の将棋界のニュースの中でも、屈指のビッグニュースであったことは間違いありません。
 

永瀬拓矢二冠誕生!八段に

 

「軍曹」の異名などなどで人気の棋士、永瀬拓矢二冠。

永瀬二冠の誕生も、将棋界で歴史的な出来事だったと言えます。

高見叡王(当時)に勝利して、タイトル戦になってからの二人目の叡王となった永瀬二冠。
4連勝のストレート勝ちという恐ろしい強さをみせまました。

叡王戦に挑戦中の時点では、王座のタイトルをもつ七段の棋士でした。
2つ目のタイトル・叡王の獲得によって、タイトル通算2期獲得となり、
八段に昇段しました。

これは、比較的最近になってできた八段昇段の追加規定によるもので、
いわば、新規定での初の八段昇段でした。
これも、将棋界の新たな歴史を刻んだ偉業といっていいかもしれませんね。

その他、木村一基王位の誕生も、タイトルの動きとしても、
また将棋ファンにとっての喜びという点でも、大きな出来事だったことは疑いの余地がありません。

それと、棋王戦のことも忘れてはいけませんね。
佐々木大地五段と、本田奎四段(当時)の、五段と四段の対決となった、
挑戦者決定戦、そして、四段にしてタイトル挑戦を決めるという快挙。
段だけでなく、年齢も若い本田五段(挑戦確定により昇段)が、
将棋界の世代間のパワーバランスを変えていくことになるのでしょうか?
 

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アマチュア強豪や女流棋界

 

プロ棋士の世界の出来事をみてきました。
他にもまだあったかもしれませんが、すぐに思いつくものを抑えてみました。

将棋の世界では、いわゆる「男性棋士」だけでなく、
女流棋士や女性奨励会員も、女流棋界(女性奨励会員の場合は奨励会でも)
において活躍されています。
また、男性棋士の公式棋戦に出場して、男性棋士相手に勝利することも珍しくなくなってきているようです。

棋士に勝つと言えば、アマチュア参加枠からの出場者もそうですね。
アマチュア強豪の活躍も、ニュースメディアなどで、これまで以上に取り上げられるようになってきた感があります。

女流棋界の出来事としては、やはり竹俣紅・元女流初段が引退(正確には退会)されたのは2019年の大きな出来事だったかもしれません。
もしかしたら、退会自体は、2018年の時点で公表されていたかもしれませんが、2019年の途中までは在籍していたはずです。

最後の方の対局はテレビ棋戦で、生放送・生中継などはなくて収録だったので、
いつの間にか引退試合を終えてた感じですが、それはともかく、将棋界の枠を超えて最も有名な女流棋士の一人だった
竹俣さんが退会されたのは、考えてみるととても大きなことだったように思います。
個人的には、決して悪い出来事ではなく、自立心ある生き方はリスペクトすべきだと思っています。

女流棋界で一番大きい出来事はやはり、西山朋佳女流三冠誕生により、里見香奈女流四冠とタイトルを分け合うことになったことでしょうか。
新タイトル・清麗は里見香奈女流がとったわけですね。
今後は、伊藤沙恵女流三段などが「二強」時代を崩していけるかどうか、といったあたりが気になります。

 

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アマチュアの活躍ですが、新人王戦で、赤旗名人として参加した早咲アマが素晴らしい活躍をされていました。
勝った相手がすごくて、アマチュア強豪は本当に強いな、と思ったものです。

そして、何よりも注目なのが折田翔吾アマですね。
銀河戦で勝ちまくってきた結果、アマチュアからプロ棋士を目指すための、
「プロ編入試験」の受験資格を満たすことができました。
この条件に関しては、(編入試験受験の意思はないものの)里見香奈女流も、満たせるかどうか注目されていましたね。
そして、ついに編入試験が始まった折田アマ。
5番勝負形式で行われる試験の第1局、黒田四段戦を見事な将棋で制したのをみて、すごいと思いました。
逆に、第2局に関しては、出口四段に完敗でしたが、気持ちを立て直して第3局の対策をされることでしょう。

 

まとめ

 

2019年の将棋界は、主にタイトル戦で、一部棋士目覚ましい活躍や、
歴史的な偉業が成し遂げられました。
2020年は、渡辺三冠や豊島竜王名人、永瀬二冠ら複数冠棋士が中心なのは間違いないとしても、
本田五段の棋王戦や、藤井七段の王位リーグや棋聖戦などに注目で、
彼らがどこまで行けるのかが、大きな関心事となります。
2020年序盤の王将戦・棋王戦と朝日杯や順位戦から、今後の将棋界の行方を想像するのは楽しいと思いますね(^^)。

また、女流棋界やアマチュア将棋界も、今後まずまず熱くなっていくことでしょう。
西山女流三冠に関しては、「女性棋士」誕生なるか、というのもあります。

でも個人的にやはり一番きになるのは、
今泉四段以来の「アマチュアからのプロ棋士」に、
折田アマがなれるかどうか、ということですね。
1勝1敗で苦しくなってしまいましたが、
アゲアゲさん(折田アマのこと)ならまだ十分に可能性があると思うので、
熱い想いで見守っていきたいところですね!
 

 

 

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