羽生善治九段が「前竜王」だった前の無冠時代と九段昇段はいつだったか

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・「羽生善治九段」という肩書に違和感または新鮮さを感じる理由。
・今回は名乗らないけれど、「羽生善治前竜王」だった時代もあった。

 

この記事には、上記のようなことが書かれています。

 

 

2018年12月21日、将棋界最高のタイトル・竜王位をかけた戦いに決着がつきました。
結果は、広瀬章人挑戦者が、王者・羽生善治を見事に破り、新竜王の誕生となりました。
タイトル100期獲得の偉業をかけて戦った羽生善治先生でしたが、
竜王を失冠して、27年ぶりに「無冠」となってしまいました。
無冠、つまりタイトルを一つも保持していない状態となったわけです。

 

 

それにしても、27年という長きにわたって将棋界の
トップであり続けてきたというのは、驚異的な事実ですね。
これを機会に、大棋士である羽生善治先生の、これまでの棋士としての軌跡を
もっと知りたいと思えてくるのは、私だけではないのではないでしょうか?

 

以下では、前回の無冠時代や、九段昇段した時期やその背景について書きます。

 

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羽生善治竜王失冠による無冠について

 

第31期竜王戦7番勝負、劇的なシリーズでしたね。

 

竜王戦という最高の舞台で、「タイトル100期」という
偉業がかかった大勝負が行われたわけですが、
中継などでの棋士関係者の方々の様子から、それがどれほど重みをもったことであるかが
伝わってきた気がします。

 

羽生九段or羽生前竜王?今後の肩書が注目だった

 

さて、そろそろ本題に入りましょうか(^^;)

 

プロ将棋界に詳しい人であれば、羽生先生の今後の肩書が、
「羽生前竜王」となるのか「羽生九段」となるのか、気になる方もいると思います。

 

 

将棋界では、竜王や名人を失冠した棋士が、次の1年間に「前名人」や「前竜王」を
名乗っていた時代がありました。
いつのころからか、誰も名乗らなくったようで、忘れさられていたようですが。

 

 

さて、気になる「羽生善治九段or羽生善治前竜王?」問題ですが、
これについては、2018年12月25日に公表されました。
羽生先生は、「九段」を名乗ります。

 

 

前の無冠時代は「羽生善治前竜王」だった

 

でも、「羽生善治前竜王」って、なんとなくカッコいい響きがありますよね?
そう名乗ったら、それはそれで喜ぶファンもいるのではないかと。
そう思うのは私だけでしょうか(^^;)

 

実は、27年前、前回の「羽生無冠時代」の肩書が「羽生前竜王」でした。
そのときも、今回と同じで、竜王を失ったことによって、「無冠」になったのです。

 

 

ちなみにこのときの段位は、「九段」ではありませんでした。
羽生先生が九段昇段した時期などについては後述しますが、
この「前竜王」になったときの竜王戦の防衛戦の時点では、「六段」でした。

 

できたばかり(第2期)とはいえ、名人と並ぶ将棋界最大のタイトルである竜王の保持者が、なんと六段だったのです!
現在では制度上そのようなことはありませんが、かつての将棋界ではそういう、
段位と実績の大きなミスマッチみたいなことがあったのですね。

 

 

ちなみに、19歳で初タイトル竜王を獲得して、20歳で迎えた初のタイトル防衛戦でした。
羽生先生より上の世代のスター棋士の谷川浩司九段に奪取されてしまい、羽生前竜王誕生(?)、となったのです。

 

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羽生善治九段について

 

羽生善治九段って、なぜか違和感ありませんか?
あまり聞き慣れない響きですよね(笑)。
それもそのはず、一度もそう名乗っていた期間がなかったからです。

 

タイトルで段位が隠れていた

 

前回の無冠時代に、「羽生善治六段」ではなく、「羽生善治前竜王」という肩書だったと書きました。

 

前竜王となった20歳の羽生先生はその後、棋王のタイトルを獲得しました。
それによって、無冠時代は4ヶ月程度で終わり、その後の27年(プラス6ヶ月)にわたってタイトル保持者であり続けました。
もちろん、前人未到の七冠制覇や永世七冠達成もその期間に実現されたのでした。

 

 

つまり、羽生先生の肩書は、ずっと段位ではなく、タイトル名または「前竜王」だったわけですね。
それから、「羽生三冠」、「羽生四冠」など、複数タイトルをもっているときの肩書も、
ファンにとってはすっかり慣れ親しんだものとなっていました。

 

このように、羽生先生の段位は、タイトルに隠れて人々に意識されることがなかったのです。
どうりで、「羽生善治九段」という肩書に新鮮さを感じるわけですよ(笑)。

 

 

ちなみに、たまに羽生先生がまだ新人だったころの将棋を雑誌などでみることがありますが、
だいたい、四段か五段のころのものが多い気がします。
だから、「羽生六段」も、私にとっては新鮮な響きです。

 

ちなみに、「六段」に関しては、19歳での竜王獲得の前まで名乗っていたので、
羽生先生が一度も名乗ったことがない肩書は、「七段」と「八段」になります。

 

棋士・羽生善治が八段・九段に昇段した時期は?

 

これまでの内容から、羽生善治九段は、1989年の、初タイトルとしての竜王獲得から、
タイトル100期目をかけて戦って敗れて失冠した2018年までの約29年の間、
段位を名乗ったことがなかった、ということがおわかりいただけると思います。
(29年というのは、より正確には、27年6ヶ月プラス4ヶ月、となります。)

 

 

では、羽生先生の「九段」は、どのくらいの間タイトルで隠れていたのでしょうか?

 

 

羽生先生が八段に昇段したのは、1993年4月1日で、
九段に昇段したのは、その翌年の1994年4月1日です。

 

羽生先生は、1994年に名人戦に挑戦し、名人奪取しています。
ちなみにそのときの相手は故・米長邦雄永世棋聖でした。
前年に「悲願の名人」をついに獲得した米長先生でしたが、
羽生先生から名人奪取されてしまいます。

 

羽生先生は、名人挑戦の前年にA級昇級を決め、昇級から1期で名人挑戦を決めました。
1993年4月1日の八段昇段は、そのA級昇級によるものであると考えられます。

 

 

では、1994年4月1日の九段昇段の方はどうか?

 

以前の規定では、九段昇段の条件は、八段昇段後タイトル3期、というものだったと考えられます。
1993年のころの羽生先生は、1996年の七冠制覇に向けてタイトルを防衛・獲得しまくっている最中。
タイトル3期という条件は満たしているはずですので、それによって九段昇段となったものと思われます。

 

ただ、九段昇段の条件は、タイトル通算3期の実績プラス(A級または勝ち数規定による)八段、というものだったかもしれません。
つまり、タイトルを3回とるのは、八段になる前でもよかったのかもしれず、A級昇級した時点で翌年の九段昇段も確定していたのかも。
(少し話がわかりにくいかもしれませんね。後述の昇段スピードの話もご参照を。)
このあたりの正確なことはわかりませんが、まあ、規定が変更されて明確かされた現在、議論する意味はあまりないでしょう(笑)。

 

 

ちなみに、昇段の時期が4月1日となっていますが、これも昔の慣習で、
現在では、昇段は、条件が満たされたらすぐに反映されるようになっています。

 

棋士・羽生善治が六段・七段に昇段した時期は?

 

昇段制度が今と昔で異なる、ということを書きました。

 

実は、昇段が反映されるタイミングだけでなく、
昇段のスピードも昔と今では違います。

 

例えば、羽生先生が初タイトルを獲得した年の昇段について考えてみましょう。

 

 

羽生先生は、1989年10月1日に五段から六段に昇段しました。
これは、竜王戦の挑戦になったことによる昇段と考えられます。

 

そして翌年、1990年10月1日に、七段昇段しています。
これが、竜王獲得によるものでしょう。

 

昔の昇段制度では、年に1回しか昇段できないので、
このように後から昇段が反映されるようになっていたのだと思います。
七段昇段が1990年4月1日でなく1990年10月1日なのは不思議な感じもしますがね^^
きっと、昇段は「年度に1回まで」ではなく、「1年間に1回まで」だったということなのでしょうね。
六段昇段が1989年10月1日だから、その1年後、という感じで。

 

 

では、もしも当時から昇段規定が、現在と同じものであれば、
羽生先生は、どのように昇段していたか?
竜王挑戦を決めたことによって、その時点で六段昇段となります。
そして、竜王獲得によって、八段昇段(!)です。
ビッグタイトルである竜王は、1期で八段ですからね^^
このように、現在の制度であれば、羽生先生は19歳にして八段で、
その後の九段昇段ももっと早かったことになります。

 

このように、段位に関しては色々と複雑ですが、だからこそ面白いですね(笑)。
羽生先生のタイトル戦歴も、調べると興味深いですし、昔の将棋界のことをもっと知りたくなりました^^

 

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まとめ

 

竜王失冠によって、無冠となった羽生善治九段。

 

名乗る可能性もあった「前竜王」という肩書は、前回の無冠時代、20歳だったころには名乗っていました。
そのころはまだ羽生先生は六段で、九段に昇段するまでにはさらに3年くらいかかっています。
昔と今とでは、昇段についての決まりが違ったためで、現行の規定であればもっと早く九段になっていたものと考えられます。

 

前竜王やタイトルの肩書に隠れて、約29年ほど段位が表に出なかった羽生善治・現九段。
九段に昇段してから、約24年間経ってようやく、「羽生善治九段」と名乗ることになりました。

 

前回の無冠時代、「羽生善治前竜王」時代は約4ヶ月で終焉しました。
今回の無冠時代、「羽生善治九段」時代はそれよりは長く続くことが確定していますが、
いつまたタイトル戦に登場するか、楽しみですね!
そのときはまた、「タイトル100期」をかけた戦いが観られるわけで、熱い展開になるでしょうね。

 

 

コメント (2)
  1. アジア より:

    羽生前善治竜王 面白い肩書やなw

  2. ハルの父さん より:

    最初に羽生さんから竜王を奪ったのは谷川さんです

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