深浦九段が羽生竜王に勝利!藤井聡太七段と2度目の公式戦へ【王座戦】

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第66期(2018年度)王座戦本戦トーナメントで、深浦康市九段と羽生善治竜王が対局しました。

深浦九段が、見事な勝利をおさめました。

この結果により、深浦九段は次戦で藤井聡太七段と対局します。

 

深浦-羽生戦は、終盤、深浦九段からすごい技が飛び出し、勝ちを引き寄せました。

今回は、この素晴らしい対局の終盤戦の感想を、まとめておきたいと思います。

チェックして損のない一局ですので、興味をもつきっかけになれば幸いです^^
 

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羽生竜王優勢で終盤戦に突入

 

AbemaTVで解説として出演した郷田九段によると、羽生竜王は序盤で失敗して不利だったそうです。

 

しかし、終盤の入り口あたり(?)での指しまわしが上手くて、羽生竜王に有利な流れになっていったそうです。

ここでは、深浦九段の勝負手による逆転の序章としての、羽生竜王が優勢になったとされる場面のポイントをメモしておきます。

 

なお、本局は先手番が羽生竜王、後手番が深浦九段です。

 

後手88歩の手筋

 

先手の玉の守りは、左美濃から銀が抜けたような格好をしていました。

先手玉の位置は79でした。

 

そこに、後手から「88歩」という手筋が飛び出しました。

この歩をとってしまうのは、盤面右側の中段にいる後手の飛車が成りこんできて、先手がもたないそうです。

 

と金をよける指し回し

 

先手の羽生竜王は、後手の深浦九段の88歩に手抜きました。

 

後手は当然の継続手の89歩成。

この「と金」をとってしまうのは、やはり龍をつくられて先手がまずいです。

 

困ったかにみえた先手ですが、なんと「78玉」と、「と金」をかわす手が出ました!

 

 

これで後手は意外に手段がないので、先手がペースとなりました。

郷田九段も感心する羽生先生の指し回しでした。

 

後手の74桂馬が終盤のドラマにつながる

 

先手の玉型ですが、66に銀、67には歩がいました。

この状態で、さきほどの羽生先生の見事な玉さばきの直後に、後手深浦九段は「74桂」と打ちました。

 

次に王手で先手の銀を取れますので、自然な手です。

 

しかし、このとき後手は「居玉」。

しかも63地点には先手の成銀がいて、64地点には先手の飛車がいました。

次に「53成銀」と寄る手が、かなりの迫力があります。

攻め合いでは先手に分がありそうで、後手困ったかにもみました。

 

 

深浦九段から渾身の勝負手が!

 

後手「74桂」の場面では、後手玉も相当危なかったのですが、先手もこわい形でした。

なにしろ、玉が78にいるのに、相手の「と金」が89地点にいるのですから。

しかも、後手の角が2枚、95地点と33地点にいて、先手陣ににらみを利かせています。

これらの駒と、46地点の中段飛車とが力を合わせて、「大技」を実現させました。

 

深浦九段の勝負手「66飛車」

 

後手「74桂」に対して、先手は53成銀。

後手玉を寄せに行く自然な手にみえました。

 

 

対する深浦九段は、「77銀」。

以下、「89玉」、「88銀成(!)」と進みました。

 

 

後手からただのところに銀を成り捨てる手がでましたね!

これに対して先手の羽生竜王が「同玉」と応じた直後の、後手深浦九段の「66飛車(!)」が派手な手でした。

 

 

この局面で、部分的には、先手「61飛車成」から後手玉が詰む格好をしています。

しかし、そうは指せません。

 

まるで双玉詰将棋?逆王手の筋が生じていた

 

もしも先手が「61飛車成」と指してしまうと、後手の同飛車の一手が、「逆王手」になってしまうのです。

その理由は、先手には後手の角がにらんでいて、後手が飛車をどかす手が「空き王手」になるからです。

 

しかもこの逆王手から、先手の方が詰まされてしまうのです。

 

水面下の攻防?王手ラッシュ

 

先手「61飛車成」では、逆王手がかかって「とん死」してしまいます。

かといって、「66飛車」に同飛車ととるのでは、角で取り返される手が王手になっていかにもこわいです。

 

 

でも、先手にも「王手ラッシュ」うまくで飛車を抜く方法がありました。

解説の郷田九段の説では、非常に難解になるものの、この展開なら先手に分があったそうです。

 

その手段とは、次のような感じです。

王手王手で後手玉を追って行き、55に銀を打ちます。

上部の方で桂馬を29から跳ねたり打ったりして、形を決めておきます。

 

その状態で、後手の飛車を銀で外します。

この後も難しい終盤戦となりますが、先手に勝ちがありそうだというのが、郷田先生の見解でした。

 

 

この「王手ラッシュ」は、本譜では実現しなかった変化なのですが、両対局者ともに水面下では、この手順を必死に読んでいたのだと想像されます。

 

羽生竜王踏み込めず?深浦九段勝ちきる

 

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結局、羽生先生は上記の手順で勝負することを見送り、後手の66の飛車を先手の飛車で取る展開になりました。

 

王手成銀取りがかかる

 

後手は先手の飛車を角の王手で取り返した後、73に飛車を打って「王手成銀取り」をかけました。

先手も、「78桂馬」の合駒を打ち、飛車が横に動けば角を取り返せる形になりました。

 

以降も難しい終盤が続きました。

 

後手の41玉から31玉の玉さばきが冷静

 

先手から「63桂」と打つ手がでました。

この手は王手ですが、「同飛」と取ると66の角を78の桂でとられてしまいます。

 

そこで後手は「41玉」。

これにより、先手が「46飛」と打って、後手の66の角を抜く手が生じました。

 

しかし、この飛車はすぐに後手から「馬」で取り返されてしまいます。

ちなみに、この「46飛」に対して後手が「31玉」とかわした手もいい手だったらしく、郷田先生がほめていました。

ここまでくると、達人の領域過ぎてついていけませんが(汗)。

 

先手も角を攻防に使って頑張る

 

先手の羽生竜王も、とった角を54地点に設置するなど、頑張りますが、後手の深浦九段の「49飛車」がまたいい手でした。

 

徐々に寄せの包囲網がせまってくる先手陣ですが、羽生竜王も打った角を攻防に使うなど、懸命に戦います。

後手陣で駒を清算して、「46飛車」と「王手馬取り」をかけました。

またしても派手な手ですね!

 

冷静な44角、確実な88銀

 

王手馬取りをかけられた後手ですが、そこでの「44角」と打った手がまた冷静でした。

これで両取りは受かってしまいました。

 

結局、先手はこの飛車をとられてしまい、その前に後手が打った「88銀」という確実な寄せの手の効果によって、即詰みに討ちとられてしまい、後手の勝ちとなりました。

 

まとめ

 

いかがでしたか?

今回は、王座戦本戦の、羽生-深浦戦を、急いで振り返ってみました。

 

言葉のみによる振り返りとなってしまいましたが、AbemaTVでの解説を視聴しての私なりの感動ポイントを是非書きたかったので、記事にしました。

今回の対局で、将棋とは素晴らしいものだと、改めて思いました。

是非皆さまも、再放送(?)や棋譜などをチェックしてみてください^^

 

さて、深浦先生は、次は藤井聡太七段とあたりますね!

深浦先生は、かつては羽生先生と相性が良く、「羽生キラー」とも呼ばれたとかいう話もありますね。

叡王戦でも勝っているので、「羽生キラー」復活といったところでしょうか?

 

その叡王戦で、やはりすごい逆転により、藤井聡太四段(当時)に勝っている深浦九段。

今度も藤井七段に勝てば、「羽生キラー」であり「藤井キラー」でもあるという、すさまじいことになりますね!

藤井七段のリベンジがなるか、深浦九段がまた強さをみせるのか、非常に楽しみな対局ですね^^

 

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